Return of the Obra Dinn 感想(ネタバレなし)

taizo
4 min readAug 3, 2019

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クリアした。プレイ時間は15時間くらい。

1802年に消息不明になった商船「オブラ・ディン号」が1807年に発見された。だが、その中には船員の姿はない。主人公は保険調査員として同船内を直接調べ、損害査定書を作成することになる。

乗客は約60名。そのほとんどは死亡している。主人公は死に際の瞬間を見ることができる時計を使い、その船の乗客の名前と死亡理由、誰に殺されたかを特定していくのがこのゲームの目的。

その船で何が起きたのか

最初に見る死体の死亡シーン

船には骨になった死体が転がっており、そこで時計を使うとその人の死の寸前の音声と瞬間が表示される。その人物の名前と死亡理由を解明していく。単独のシーンで解決できるものもあれば、他の人が死ぬシーンと照らし合わせながら、推理をしていくこともある。

名前と死因、誰に殺されたかは、選択式だが、正しい情報を3名埋めたときにはじめて正解が知らされる。そのため、総当たり選択が難しく、直接なネタバレを見ない限り、自分で推理をしていくしかない。

瞬間的な状況を観察して、想像を膨らます

最初に渡されるスケッチブック
これら全員の名前と死因を解明していく

船での出来事は単純な事件や事故ではない。そこには様々な立場の人間と思惑などが裏に隠されている。そもそもなぜ60名近くの人数が死んだのか、そこに至るまでの経緯を観察していく。

一通りのシーンを見るのは数時間くらいで終わる。だが、それでこのゲームが提供するヒントは出しきられたことになる。そこから10時間以上かけて、真相を探ることになる。

色々なシーンで一緒にいるならば、その人間関係から職種を推測したり、会話からその人の出身地を絞り込む必要もある。それは一度見ただけではわからないことが多い。何度もシーンを行き来しながら、真相が何かを突き止めることになる。

この行為がReturn of the Obra Dinnの一番の特徴で、与えられた情報から考察をしていくことと、ゲーム攻略が密接に繋がっている。このゲームはあくまでも乗組員と乗客の死の瞬間しか表現されていない。全員の安否を判定していくうちに、この船で何が起きたのかがあぶり出されていく。明確にストーリーを語らずに、ストーリーを理解させるゲームシステムは感心する。

シーンを全て見た後は、あまりのヒントの少なさにどうすれば良いのか途方にくれる。ところが、きちんと見て、聞いて、想像すれば、正解できる難易度になっている。メモをとったほうが良い。自分はスプレッドシートでヒントやスクリーンショットを取りながらプレイしていた。

総評

ヒントがないところから、解明していく流れは、はじめてアドベンチャーゲームに触ったときの感触に似ている。ゲームをクリアした今ではある程度解き方がわかってきてしまったので、これと同じゲーム体験はもう二度とできない気がする。ドット絵だが、残酷表現は多いので、その耐性がある人、ミステリー好きな人、3D酔いをしない人ならば、ものすごく楽しめると思う。

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