少しの図々しさが可能性を切り開くかもしれない、という話

Hiro M
5 min readAug 24, 2019

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MBA/MS留学1年目最後の投稿から、ずいぶん間が空いてしまいました。夏休みは、フィンランド生活を経て、現在は東京におります。9月下旬から始まる留学2年目の足音が聞こえてきています。このブログに関しては、今後は少しまとまった内容を不定期に更新できればと思います。

さて、今回はAutumn Quarterの授業選択に関して、「少しの図々しさが可能性を切り開くかもしれない」という話です。

Autumn Quarterの授業選択について
先日、MBAのAutumn Quarterの授業のBidが行われました。昨年から繰り返し記載していますが、Boothでは、授業選択がダッチオークション形式のBidによります。

私は、授業履修に関して、留学の最初に大まかな履修計画を立て、それを授業の評判等を聞きながら定期的に調整していっています。ただ、Bidだとどういう結果になるか分からないランダムな要素が残るので、そこは一つのドキドキ・楽しみ、くらいに思っています。

今回のAutumn Quarterでは、以前からSteven Kaplanが担当するEntrepreneurial Finance and Private Equityという授業を狙っていました。

Steven Kaplanについて
Steven Kaplanは、Boothで最も有名な先生の一人と言って良いでしょう。1988年から30年以上に亘りアントレプレナーシップ、ファイナンス、コーポレートガバナンスといった領域の教鞭をとり続けているレジェンド的な方です。また、UChicagoのアントレプレナーシップ教育を司るPolsky CenterのFaculty Directorも兼任し、全米トップレベルのアクセラレーターであるNew Venture Challenge (NVC)を立ち上げた人物でもあります。

これまで授業以外の機会(講演会やNVCなど)で、Kaplanの話を聞いて、非常に面白そうな研究をされているのと、授業に対する非常に良い評判を聞いて、Kaplanの授業を是非履修したいと考えました。

Entrepreneurial Finance and Private Equityについて
この授業はファイナンス/アントレプレナーシップの選択授業の一つで、その名の通り、Entrepreneurial FinanceとPrivate Equityについて扱います。

この授業は毎年Autumn Quarterに開講されます。Autumn QuarterのBidスケジュールは2年生のほうが1年生よりも早めに行われます。人気のため2年生のBidで授業の枠が全部埋まるので、実質的に2年生専用の授業になっています。

履修にあたっての問題
この授業を履修するにあたって一つ問題が生じました。この授業にはPrereq(事前に履修が必要な科目)として、Corporation FinanceやCompetitive Strategyといったファイナンス系・ストラテジー系の科目が指定されていました。しかし、私は今までどの授業も履修していませんでした。

実は、そんなことは前から知っていました。それなら、ちゃんとPrereqを履修しておけばよかっただけではあります。しかし、私は昨年、授業の履修計画を立てていたときに、他のコンピューターサイエンスの授業や、ビジネススクールの取りたい授業のスケジュールの都合、Prereqはどうしても履修できない計画を立てました。

通常のルールに従うなら、ここでEntrepreneurial Finance and Private Equityの履修は諦めるところと思います。ですが、昨年1年の留学中に、身の回りで「ゴリ押ししてどうにかなった」ということをよく目にしました。

日本人として一括で考えるのは良くないかもしれませんが、日本人は「こういうルールなので」と言われると、「はあ、そうですか。仕方がないですね」と引き下がるポイントが若干早いのかもしれません。しかし、図々しくゴリ押しする余地は、案外もっとあります。

例えば、私の同級生では「授業のPrereqを満たしていないが、先生に過去の仕事経験をアピールして、発展科目をいきなり履修できるようにしてもらった」とか、「インターンの報酬が事前に決まっていて、その通りに報酬を貰えることになったが、自分の成果はもっとあったと主張して追加報酬を貰うよう交渉した」といったことをしょっちゅう聞きました。

少しの図々しさ
そこで、私もKaplanに授業のPrereqをWaiveできないか交渉してみることにしました。具体的には、

・ これまで(留学前)に非上場企業に対する投資実務の経験があること
・昨年、Entrepreneurship Through Acquisitionや、Private Equity and Venture Capital Labなどの、関連する選択科目を履修していること
・シカゴ現地のPEファンド(Sterling Partners)でパートタイムインターンを半年やっていたこと
・夏休みにも、PE/VCファンドでインターンをしていたこと

を書いて、レジュメを添付したメールを送りました。

もしかすると、以前(少なくとも留学前)の自分からすると、相当に図々しいことをやっていると思うかもしれません。ところが、その結果、あっさりとOKをもらい、今学期、授業を履修できるようになりました。

これが最近私に起きた「少しの図々しさが可能性を切り開いた」出来事です。今回はたまたま何とかなっただけで、そう上手くは行かないこともあると思います(実際、当たって砕けろで砕け散ったチャレンジは留学1年目だけでも多数)。

ただ、少しくらいは図々しくやってみるのもいいではないかと、そんな風に思います。

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Hiro M

Chicago Booth MBA/MS in Computer Science Class of 2020, Ex-turnaround manager / management consultant, Ex-Mitsubishi Corporation, UTokyo LLB '13