スター不在のWebサービスデザイナー、その現状と対策

Hiro Kawakami
Dec 20, 2016 · 6 min read
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Webサービス系インハウスデザイナーの人材不足が深刻だ。なんと言っても母数が絶対的に少ない。こりゃあ大変だ、という事で急に書き始めました。

発端は何気ない会話から始まった。

同僚「デザイナーでTwitterのフォロワー数の多い人って誰ですか?」

「デザイナーでフォロワー数が多い人ってそんなにいないんだよね〜」

(ちなみに僕は恐ろしく少ないから誰でも良いのでフォローして頂きたい。Twitter:hiro2969

ちなみに上の会話で言っている「デザイナー」というのは、「Webサービス系のインハウスデザイナー」の事になります。
「グラフィックデザイナー」「広告系Webデザイナー」「アートディレクター」などは含みません。

実際に同僚とTwitterを見ながら調査してみた。

結果、フォロワー1,000人もいれば多い方で、Webサービス系インハウスデザイナーでのトップクラスはフォロワー3,000人くらいと、かなり少ない結果にびっくりした。(あくまでもざっと見ただけであるが)

ちなみに、上で除外した「グラフィックデザイナー」「広告系Webデザイナー」「アートディレクター」などのフォロワー数も調査してみると、トップクラスの人で30,000〜40,000人くらいと、Webサービス系インハウスデザイナーと桁が1つ違っていたりする。この数字は、除外したデザイナーの括りの中には、有名デザイナーやスターデザイナーが存在する事を表しているのではないかと思う。

補足しておくと、なぜTwitterのフォロワー数かと言うと、株式会社コルクの社員評価ポイントは「ツイッターフォロワー数」だそうだ。やや尖りすぎだけど、わかりやすい指標だと思い、参考にさせて頂きました。

そして、その場にいたもう一人の同僚(デザイナーではない)が、

「まぁ、デザインを本当にやりたいってなったら、そっち(Webサービスでないデザイナー)に行きますよね、普通」

と言い放った。

僕は、その言葉にハッとさせられた。

つまりそれが意味する事は、「デザイン」という行為を突き詰めていくには、Webサービス系デザイナーになるよりも、アートディレクター目指すっしょ!という世の中の一般的な現実をズバッと言ってくれた。(偏見もあるが)

あくまでも一般論だが、世の中の人々が「デザイナー」という言葉を聞いて最初に思い浮かべるのは、Webサービス系デザイナーでは絶対にないだろう。それほど世間一般に認知されていない。

僕は深く納得した。デザイナー以外の人が言う、その言葉にとても説得力を感じたのだ。

つまり、現在のWebサービス系インハウスデザイナーの中には、スターが存在しないし、スターになるためのロールモデルが確立されていない。まぁ、ビジネス的に個人に焦点を当てるメリットはあまりなく、サービスや事業会社そのものに焦点が当たるから当然と言えば、当然なのだが。

何が問題かと言えば、デザイナー個人に焦点が当たらない事には、慢性的な人手不足の解消は難しいと感じるし、何よりも、いつまでたってもデザイナーの地位は上がらなく、評価されにくい職業であり続けてしまう。

実力者であっても、Webサービス系インハウスデザイナーが目立てる時代は来ていないのだ。何よりもサービスそのものがヒットしない限り、デザイナーの評価が上がらないという現状がある。

Webサービスのヒット = デザイナーの実力

この正しくも間違ってもある、定性的な暗黙の認識をひっくり返す事は難しい。やれる事と言えば、どうにかしてサービスをヒットさせるしかない。

そして、もし仮にサービスがヒットしたとしても、注目されるのは当然デザイナーではなく、創業者や社長である。

しかし、アートディレクターの場合だと、企業のリブランディングをした時や、広告キャンペーンを行った時に、クライアント自身よりも注目される事もある。有名アートディレクターが広告塔のような役割を果たすのである(それが悪い意味で露呈したのが、佐野研二郎さん周りの問題だったりもするが..)まぁ、本質とズレているという考え方もできるが、デザイナー目線で考えると多大なメリットがある。

以上の何気ない会話のやり取りの中から、Webサービス系インハウスデザイナーの致命的人材不足の要因の一つ(職業としての認知力のなさ/憧れの対象の不在)に気づかせてもらった。
素晴らしく、将来性もあり、実は凄くクリエイティブな職業なのに、若者達が憧れる土台がないのだ。

アメリカでは、エンジニアの重要性に国をあげて啓蒙していると思うが、デザイナーに対しても、そのキャンペーンをやってほしいものだ。

Webサービス系インハウスデザイナーがカッコイイ(少年達が憧れる)時代はまだまだ先なのかもしれない。

最後にデザイナーの方々へ、未熟な僕からのメッセージです。
最近の優秀なWebサービス系デザイナーを見ていると、会社員であると同時にフリーランスとして、社外で仕事をやっている人が多いように思う。これは非常にメリットが大きい。死ぬほど忙しくなるが、複数プロジェクトを同時進行すると、UXやUIパターンやコードには共通性があるため、多くの相乗効果を実感する事ができ、結果的にスピードもアウトプットも大幅に向上する。

そして、何よりも自身の実績にもなる。

複数のWebサービスを手がける事で、 自分が関わるWebサービスのヒット率も上がる。1個のWebサービスに注力するのも良いが、3サービスくらい担当すると、ヒット率は当然3倍になる(デメリットも沢山あるが..)。ヒットすれば、自分の価値はストレートに鰻上り。ヒットしなくても自身の実績となり、血となり肉となる。
つまり、デザイナーも投資家的視点を持ち、「ヒット率」を意識してプロジェクトと関わる事で、様々な恩恵を受ける事ができたりもするのだ。

これがデザイナーにとって、現在、一番トレンディな働き方だと思う。そして、慢性的なデザイナー不足という業界背景があるからこそ成り立つ事でもある(実績がありフットワークの軽いデザイナーは引っ張りだこなので、その状況を作りやすい + 人材不足が解消されてしまうと、すぐに供給過多になる事が予想される)。

なので、Webサービス系インハウスデザイナーの方々は沢山手を動かし、沢山プロダクトを成功させ、サッカーの本田圭介、野球のイチローみたいなスーパースターになって、子供達が憧れる職業の土台を築きたいものですね!

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