Desirability, Feasibility, Viability, イノベーションのためのスイート・スポット

Hiromasa Yoshikawa
7 min readApr 20, 2018

この記事はKristann Ortonから許可を得て翻訳し、掲載したものです。より確実な意図を知りたい場合は、元記事をご確認ください。
Desirability, Feasibility, Viability: The Sweet Spot for Innovation

理想的なイノベーションには、Desirability(魅力性), Feasibility(実現可能性),Viability(成長性) の3つの要素があります。この考え方の起源は2000年代前半のIDEOにあります。

あなたのアイデアが3つ全てを満たしていれば、以下のことが言えるでしょう。

desirable solution: 顧客から本当に必要とされるソリューションであること
feasible solution: あなたの(自社の)現在の強みを活かしていること
profitable solution: ビジネスとして持続可能であること

もしこの3つのどれかが満たせていない場合、そのアイデアはリスキーでコストがかかるものになるでしょう。

イノベーションのための3要素

私はよく、壮大なビジョンを追い求め、顧客やビジネスに影響を与える可能性のあるアイデアをもつチームと仕事をしています。ビジョンはチームの士気を高め正しい方向に進むために必要な素晴らしいものです。しかしビジョンがdesirability、feasibility、viabilityの観点で完成するまで待つことは無謀なことです。これらの3要素は実行中に(作りながら)テストされるべきもので、それによって正しいコースに進むよう調整が可能になります。では3要素について細かく見てみましょう。

Desirability-私たちは本当に問題解決をおこなっているか?

desirabilityのテストはあなたのソリューションが顧客にとって、あったら良い程度のものか、もしくは無いと困るレベルのものかについてフォーカスします。いったい顧客のどんな課題を手助けしようとしているのかを自分に問うてみてください。その課題解決が顧客にとってどのような意味があるのか?彼らが何をしようとしていて、なぜそれが重要なのか?それをよく見ることで、彼らの立場になって考えることができます。彼らの視点からあなたのソリューションをよく見てみましょう。彼らがタスクを行うときに遭遇する、キーとなるペインポイントを解決しているのであれば、あなたのソリューションはdesirabilityのテストを満たしています。もしそうでなかったり、あなたが扱っていない他のペインポイントが見つかれば、アイデアをピボットしたほうが賢明かもしれません。

Desirabilityは、あなたのアイデアが顧客の正しい課題を解決できているかをテストします。

例として2つの新興市場、カーシェアリングと電気自動車についてみてみましょう。これらに関心がある顧客は、ガソリン車の環境への影響と、車を所有するコストについて気になっています。テスラは主に、環境に優しい車を開発しています。それは上流でニッチな人々にはうまく機能している一方、テスラを車道に停める余裕がない人がいました。そして、一人一台車を持つことの所有コストと環境への影響を気にかける人々がいました。

そこでイーロン・マスクは昨年夏、その両方を考えることにピボットしました。車が自律的になると、オーナーが目的地に到着した後、他の人を乗せることができるようになります。このピボットにより顧客にとってテスラのdesirabilityを向上することができ、さらにはデザインチームにシェアリング能力を高める方向への舵取りを与えることができました。

Feasibility-私たちは、自社の中核事業の強みを活かしているか?

reasiblityのテストは新しいソリューションで利用されるケイパビリティを測定します。組織の技術力や資金力、ブランド、顧客サービス、パートナーシップなどに関して、内部的かつ客観的に強みがあるかどうか評価することが求められます。もし新しいソリューションが今のケイパビリティの80%以下を扱い、そして組織がすでに持っている強みを元に新しいケイパビリティを生み出すことができる場合、会社の基礎体力とビジネスの競争力を強化することができるでしょう。

feasibilityは、どのようにこのソリューションでビジネスを健全化し強化できるかが問われます。もしソリューションが(今の自社にはない)全く新しいケイパビリティを必要する場合、多くのリソースを必要とし市場における自社の認知を変えてしまう可能性があるため、その投資はリスクが伴うことになります。

feasibilityは、あなたのイノベーションがあなたのビジネスを強くするかをテストします。

「モノマネイノベーター(元記事では me too innovator)」とのfeasibilityテストは、極めて不快なものになりがちです。競合が何かしかのソリューションで成功しているのを目のあたりにし、それについていくための唯一の方法が同様のソリューションを提供することだと感じているのです。彼らはそれをイノベーションと呼んでいます。結局のところ、彼らがこれまでに全くやったことがないことです。すでに競合は自社の中核事業の強みにしていたのでした。このようなモノマネは多くの労力を招くだけで、競合を追い抜くことはおそらくできないでしょう。

再度テスラの例を見てみると、彼らはUberと競合となるようなカーシェアリングサービスを構築しているわけではないのです。その代わりにシェアリングエコノミーに向けた自動運転車の開発することで、自社のコアケイパビリティとブランド力を構築しているのです。

Viability — 私たちのソリューションは長期的な成長に貢献するか?

最後のテストはあなたのソリューションのバリューチェーンが現在だけでなく未来においても発展しうるか、についてフォーカスします。ビジネスモデルが顧客の欲求にフィットし、それにお金を払う価値があるかということです。われわれがソリューションを構築する、またはサプライヤーから調達することで利益をもたらすかということです。またViabilityは利益だけではなく、そのビジネスがコミュニティや社会に貢献するかなど、持続可能性の観点も含んでいます。

Viabilityはあなたのバリューチェーンの長期的な持続可能性についてテストします。

Viabilityは最も難しいテストかもしれませんが、スキップしてはいけません。目先の利益に集中し長期的な影響について考慮しなかった会社は枚挙にいとまがありません。マスクがテスラに行ったもっともスマートな点の一つは、長距離移動時に充電が必要なドライバーのためのインフラを作ったことです。彼がシェアリングエコノミーに対して行ったことは、トレンドにフィットするだけではなくトレンドをけん引したのです。

あなたのイノベーションはどれほどdesirable,Feasible,Viableですか?

反復はこれらの3要素を構築するために役立つものです。以前、学習にフォーカスすることついて書きました。個々の反復においてこれら3要素をテストし、戦略を調整することで競争力を保つことができます

desirability,feasibilityそしてviabilityのパワーを活用したいのであれば、私は喜んでお手伝いいたします。連絡ください。

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