スマートスピーカーになりたかった

Hiron
7 min readSep 19, 2017

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iOSDC熱が冷めないうちに、スピーカーとして発表した経験について残しておきます。あ、Amazon EchoやGoogle Home、Apple HomePodの話ではありません。

トーク応募まで

iOSDCには去年も参加しました。でも、こういった大規模イベントへの参加自体が初めてでした。どんなものかわからずに恐る恐る聴講者として参加してみたのですが、これが最高のイベントだったので、次も絶対参加しようと決意しました。そして、できればスピーカーとして参加したいと思っていました。

ところが、今年のCfP(トーク募集)が始まっても、なかなかよいネタが思いつきませんでした。普段、勤務先の会社で業務として開発する中に、ネタが色々と転がっているはず。……と、思うのですが、どうも弊社は特殊なことをやっている気がして、ネタをうまく発展できそうにありませんでした。例えば、「本当はスゴい.xcconfig」というのを思いついたのですが、ちょっと調べても「本当にスゴい」と思える部分をぼく自身が見つけられなくて諦めました。でも本当はスゴいと思ってるんですよ?

あと、特殊なことをやっているというのをネタにしたい気持ちもあったのですが、立場的に色々とヤバそうだったのと、ただの自虐ネタに終わってしまいそうだったのでやめました。自虐ネタは話す側は楽しいのですが、聞く側に学びがありませんから。たぶん、採択もされないでしょう。

やがて、CfPの締切が迫ってきて、もう今年も聴講者でいいかなと考え始めました。そのとき、ふと浮かんだネタがLT向きだと思ったので、その日のうちに応募しました。

以下、応募フォームに書いたトークタイトルとトーク概要です。

地方在住iOSエンジニアの生存戦略

近頃は「地方創生」のスローガンの下にサテライトオフィスの進出やリモートワークなど、地方でも働く環境が整ってきています。おそらくiOSDCには地方から参加しに来られた方も一定数いるでしょう。都市部在住者・地方在住者の両方に向けて、地方で働くことの実態と、地方でiOSエンジニアを続けるためにどうすべきかという点について、四国・徳島在住エンジニアの視点から、ちょっとエモい内容でLTします。

採択されなければ意味がありませんから、アピールポイントを詰め込みました。

  • ユニーク性:全体に占める地方エンジニアの割合は少ないだろうから、ぼく自身がユニークであるということ。
  • タイトル:運営側も全国の参加者にやってきて欲しいと思っているだろうから、地方在住者が「お?」と思えるタイトル。
  • ターゲット:そうは言っても聞いてくれる人は東京周辺の在住者が大半だろうから、都市部在住者の人もターゲットにしますよということ。

ただし、本当にぼくの思惑が採択時に評価されたのかどうかはわかりません。

採択されてから

採択されたのは金曜の夜で、うれしくて週末はずっとニヤニヤしていました。ヤバい奴でした。ぼくは飽き性で、熱しやすく冷めやすい性格だという自覚があったので、採択の喜びが冷めないうちにスライドを作り始めました。8月頭には、おおまかな内容はできあがっていました。

ところで、ぼくはこれまでに徳島の勉強会でも何度か発表経験があります。東京の勉強会での発表デビューはSansanさん主催のRxSwift勉強会で、リモート中継での発表でした。他にはSwift TweetsでもLTしました

それらと比べて思ったのは「エモい内容って調査が少なくて楽」でした。技術的な内容はウソを話しちゃいかんだろうとスライドの内容以上に調査が必要になります。でも、今回は基本的に「自分視点で考えていること」だったので、あまり調査期間が必要ありませんでした。ただ、その分、自分自身の学びは少なかったかも……。あと、5分に収めるのには苦労しました。今までに経験ないくらい、めっちゃ練習しました。

なお、「夜のiOSDC」のLTにも骨髄反射で応募していました。なぜ応募してしまったのかは、夜のiOSDCに参加した人ならわかるんじゃないかと思います。後になって、本編のLTと同じ日であることに気づいて少し後悔しました。でも夜のiOSDCは場所的にもワイワイ楽しく過ごす感じだろうと考え、大きくネタ側に倒したので、こちらのスライド作成も実は楽でした。

ところで今回、どちらのスライドでもいらすとやさんの絵を使わせていただいたのですが、「そう、これ!」っていう素材がたくさん揃っていてものすごく助かりました。これだけ揃っているものを無料で使わせていただけるのはすごくありがたいですね(もちろん、利用規定はあるので、ちゃんと読んでから使いました)。

そして発表へ

ぼくのLTはday 2で、最終日の最後のセッション枠でした。それまでに各登壇者がそれぞれ素晴らしい発表を終えてリラックスしていくなか、こちらは逆にどんどんプレッシャーが高まりました。

会場の規模は想像していたより大きく、こんなに多くの人の前で発表したことはなかったので、ガッチガチに緊張するんじゃないかと思っていました。

実際に登壇してみると、思ったほど緊張していませんでした。とむぞうさんの司会のうまさと、会場のみなさんの優しさに助けられました。ただ、笑顔でトークしたいという点と、なるべく聞いてくれている人の顔を見たいという点をあらかじめ頭に置いていたのですが、そんな余裕はありませんでした。終始、真顔で手元のMacを見ていたのではないかと思います。どうやら、やっぱり緊張していたようです。

なお、スライド最後の高橋メソッド的なまとめは去年のトリであったyimajoさんのLTを参考にしました。 その手前まで早いペースで興奮気味に詰め込んでいって盛り上げたあと、最後に突然速度を遅くすることで、さらにエモくしたいと思っていました。ぶっちゃけ、時間調整用でもあります。

惜しい点は、トーク開始時にとむぞうさんに無駄に絡んでしまったせいで、手元のKeynoteが表示する経過時間と、公式の経過時間にずれができていたことに気づいてなかったことです。Keynoteの時間を見て、思ったより残り時間が少なかったので、最後をそれほど遅くすることができませんでした。でも、実は公式の時間ではまだ10秒ほど残っていたのです。最後をもっとゆっくり言えばよかった!

発表を終えて

2日経った今日になって、改めてTwitterのタイムラインを追ってみましたが、思っていた以上にみなさん反応してくれてたようで嬉しくなりました。「汽車」とか「快適空間」とか変なキーワードを入れておいた甲斐がありました。

それ以上に驚いたのは、以前徳島に住んでいた人とか、徳島出身の人が結構いたみたいで、LT後や夜のiOSDCで声を掛けてくれたことです。例えば、りくそうださんとは初対面でしたが、彼は以前、徳島で働いていたとのこと。そのときの上司が、現在弊社にいる人だとわかったりして世間は狭いなと思いました。

自分の登壇を抜きにしても、お祭りとして楽しいイベントなので、ぜひ来年も参加したいと思います。でも、やっぱり、スピーカーとして参加したいですよね。というわけで、直前になって焦らないように、常にネタを探したいと思います。CfPのために業務を進めるくらいでもいいのかもしれません🙂

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Hiron

iOS Developer who loves Android based in Tokushima, Japan.