German Musics
cover image : Kraftwerk
ドイツの現代の音楽は一般的に知られるものだと、「ジャーマン・プログレ」、「クラウトロック」と呼ばれるようなものと、シュトックハウゼンをルーツに持つ電子音楽系の2パターンに大きく分類できるような気がします。※プログレ=プログレッシブ・ロックの略です。ざっくり言うとクラシックやジャズやその他いろんな音楽の要素を取り入れて進化していった小難しい音楽のことです。
いわゆる普通のロックももちろんあるのですが、あまり日本では有名なものはありません。たぶんそれはドイツ語自体の問題で、英語に比べロックミュージックに馴染みにくい、正直聞いててなんかちょっとダサくないか??という気分になるからじゃないかと思います。(完全に主観です)
基本的に頭がおかしい人達しかいないので万人受けはしないものばかりで、かなり聞きにくいかと思いますがとりあえず紹介しておきます。強いておすすめするとしたらCANかKraftwerk、いやAlva Notoですね。このような電子音楽やロックを産んだベルリンという街のポテンシャルを感じざるを得ないラインナップとなりますが、以下ご紹介します。※デヴィッド・ボウイが彼らに憧れてベルリンスタジオで録音を行ったことは有名です。
その他ジャーマンテクノなど、電子音楽をルーツに持つダンスミュージックなどが有名ですが、そっち方面はそんな詳しくないので誰か紹介してください。
もし好きな音楽はなんですか?と聞いた時にこの中に出てきたバンドを上げてくる人がいたら、ニコっと笑って話題をすり替えましょう。間違いなく変態かオタクしかいません。
Kraftwerk(クラフトワーク)

日本だとYMOが彼らの影響を受けていることで有名ですね。ラップトップをテーブルに並べてライブをするという個性的なパフォーマンスを昔から続けていて、一説によるとライブ中にボタンを押したらあとはネットサーフィンをしているという話も(氏家談)最近だとサカナクションが彼らのパフォーマンスをパク、、インスパイアされたようなライブパフォーマンスをしていますね。
と冗談は置いておきつつ、彼らのパフォーマンスは常に時代批判的、文明批判的でそういう文脈で語られることもしばしばでした。※『Autobahn』『Radio-Activity』『Computer World』あたりはそうですね。
一般的に電子音楽の部類でくくられますが、録音時に主に使用しているのは基本的にはアナログなシンセサイザーであり、実はアナログとデジタルの中間くらいの表現なのではないかな、と考えています。
楽曲自体は前衛でありながらも、ポップで聴きやすいです。ニューオーダー、デヴィッド・ボウイ、DEVO(Polysics好きな人はDEVOも聞いてみて)、その他様々なテクノ系のアーティスト、ありとあらゆるミュージシャンに影響を与えまくったということで現代の音楽界では非常に重要な存在だと思います。音源を聞くとハンマービートが心地よいですね。割と頻繁に来日しているので、彼らが生きているうちに是非見てみたいものです。生ネットサーフィンを。
公式サイトのデザインが結構尖ってます。http://www.kraftwerk.com/
CAN (カン)
カンはNEU!(ノイ)とともにクラウト・ロックの代表として知られ、日本でも人気があります。ちなみにメンバーの中にはダモ鈴木という日本人がいます。ダモ鈴木がバンドに加入した経緯を調べるとかなり面白いです。バンド名の由来は以下らしいですが、まあそんな感じでむちゃくちゃなわけです。ですが、各メンバーは完全に音楽エリートしかいません。

英語の可能を意味する助動詞「Can」、「Communism」(共産主義)・「Anarchism」(無政府主義)・「Nihilism」(虚無主義)の頭文字を並べたもの、メンバーがあらゆるアイデアを放り込むカン(缶)、日本語の「感」や「勘」に由来するなどと説明されているが、実質的なリーダーであったイルミンは「ある朝、ヤキとマルコムがやってきて「CANはどうだい?」と言うんだ。「CANか、いいじゃないか!」というわけで名前が決まった[7]」、ヤキも「もしかしたら(提案したのは)マルコムと私だったかもしれない[8]」とそれぞれ述べている。両者とも明確な由来には答えていない。
CANの楽曲は時期によってもかなり毛色が違うのですが、おすすめするとしたら『Future Days』です。RadioheadはライブでよくCANの『The Thief』という曲をカバーするので、そこをきっかけにCANを聞いてみるのも良いかもしれません。セックス・ピストルズのフロントマンのジョン・ライドンが、ピストルズ解散後に組んだバンドPublic Image Limited(通称PIL)などの曲でも、CANおよびクラウト・ロックの影響は大きく感じられることから、1980年代以降の前衛的なバンドはほぼすべてCANの影響を受けまくっていると言い切っても良いと思います、たぶん。※ちなみにPILはクソカッコイイです、ラッドミュージシャンのTシャツとかになってる(デニス・モリス撮影です)
Can — Live POP2 (1973)
死ぬほどかっこいいですね〜
Radiohead — The Thief
NEU!(ノイ!)

NEU!もCANとならんでクラウトロックの代表として知られる存在です。知ったかぶりして「ネウ!」って呼んでた人は明日から「ノイ!」と呼んでください。中野ブロードウェイや高円寺を歩くと『NEU!』と書かれたTシャツを着た若者を見かけたことがあるかと思いますが、あれです。
元クラフトワークのメンバーだった人がバンドをやっています。全然売れなかったようですが、デビッド・ボウイやトム・ヨークがめっちゃええやん、と言ったことで再評価され、今は音楽的に高い評価がされています。曲は1コードで延々と進行していくものが多く、正直最初に聞いた時は「だれでもできるクソ簡単で超退屈でつまらん音楽」だと思いましたが、今でもたまにそう思います。ですが、じっくり我慢して聞いているとなんだか好きになってくるのでストイックに聴き続けているときっと好きになれます。よく聞くと、出音がそれぞれが際立っていて、計算しつくされた音楽であるような印象を受けます。カッコイイですね。
セカンドアルバムの『NEU!2』では、曲数が足りなかったため曲の回転数を変えて別曲として録音するという一世一代のギャグをかましてきますが、そういうところも含めて愛せますね。ノイ!!
ゆらゆら帝国に「無い!!!!」という曲がありますが、たぶん「NEU!」となにかしら関係はあると思います。
ゆらゆら帝国 無い!!
無い!!最高か
NEU! “Hallogallo”
Einstürzende Neubauten (アインシュツルテンデ・ノイバウテン)

名前は覚えなくてよいですが、名前のインパクトでなんだかんだ記憶に残るバンド。ドイツのインダストリアルミュージック界でも有名だと思われる、超前衛バンド。バンド名の意味は「崩れ落ちる新しき建築物」らしいです。ちなみにこういったジャンルの音楽をノイズミュージックとも言いますが、一般的に「エクスペリメンタル」というジャンルでくくったりもします。
最初にこの人達の演奏を見た時に、なぜものを燃やしているのか、丸太を切っているのか、鉄板を叩いているのか、、、これが音楽なのか、、、!!と衝撃を受けました。理由は
「当時、アンドリュー(N.U. Unruh)が金が無くて勝手にドラムを売ってしまい、代わりに鉄板を扱った」

フロントマンのブリクサ・バーゲルトは最近だとアルヴァ・ノトと組んで来日したりと精力的に活動をしていますね。イケメンです。下の画像はそのアルバムのジャケですが、なんとも言えませんね。

Alva Noto (アルヴァ・ノト) =Carsten Nicolai(カールステン・ニコライ)

カールステン・ニコライ、およびダイヤモンドバージョンという名義の時にはメディアアーティストとしても活動をしています。今年のメディア芸術祭の大賞も受賞していましたね。(振り子から退屈な音が出るやつです)Alva Noto名義だと坂本龍一や池田亮司とのコラボレーションなども積極的に行っています。ちなみに池田亮司とコラボをする際には二人でCyclo(サイクロ)というユニット名になります。Cycloのライブは音の位相が衝撃的なくらい立体的で、そして音圧がめちゃくちゃすごい、かつ爆音なので死ぬほど踊れます。普通にクソカッコいい。Sonar Soundとかで見れる可能性があるので来日した際にはぜひ見ることをおすすめします。
cyclo -LIVE @ TAICOCLUB’11
ミニマルかつコンセプチュアルで、音自体の美しさもあるという意味では最もポップで聴きやすいため電子音楽の入門として紹介されることも多いです。
ライブでは音だけでなく、映像も含めての表現になるので音源を聞くのとはまた違った楽しみがあります。
Alva Noto Ryuichi Sakamoto Live in 2012
※7:30あたりから「戦場のメリークリスマス」のAlva Noto+Sakamotoのバージョンが流れますが、この曲の美しさについては筆舌に尽くしがたいものがあります。最高ですね。
Manuel Göttsching (マニュエル・ゲッチング)

アシュラ・テンペルというクラウト・ロックバンドのフロントマンのソロ・プロジェクトです。固有名詞が多くてそろそろよくわからなくなってきていると思いますが、この人に関しては『E2-E4』というアルバムが最高だ!ということだけ覚えておいてください。ちなみにアシュラ・テンペルはそんなに聞かなくていいです。
『E2-E4』はイージーリスニング、アンビエント、ニューエイジといったジャンルの名盤として今でも人気があり、とても聴きやすい部類に入ります。イメージとしてはキラキラとした音色が延々とループしていてトリップ感もあるような音が1時間続くっていうだけです。最高ですね!聞いて寝ましょう。
MANUEL GÖTTSCHING — LIVE @ FREEDOMMUNE 0<ZERO>
Manuel Göttsching — E2-E4 Part 1 of 6
cover image : Klaus Nomi
ドイツの音楽については後は、タンジェリン・ドリーム、グルグル、DAF、ファウスト、クラウス・シュルツ、クラウス・ノミなど有名な人がそこそこいますが、どれもそこまで聴きやすいものではないです。ドイツの現代の音楽で有名なものは、どうしてこうも偏りがあるのかわかりません。
こんな感じでドイツの音楽の紹介を終わります。