奄美大島に2泊3日で一人旅してきた (1日目)

Hikaru
8 min readNov 14, 2014

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11月6日から8日の3日間奄美大島に滞在してきました。

運良くバニラエアの格安航空券を購入することができたので、かなりリーズナブルな旅行です。

奄美大島は特に行きたいとか憧れがあったわけでもなく、名所や観光スポットも何一つ知りませんでした。

奄美大島は鹿児島県に属していますが、位置的には鹿児島と沖縄のちょうど中間くらいのところにあります。

11月でも平均気温は20℃以上あり、今回は最高気温が26℃で、とても考えられないくらい温暖な気候です。ちなみに僕は北海道の札幌にずっと住んでいましたが、この時期は雪が降り始めています。

成田からバニラエアに乗り込み14:00には奄美空港に到着しました。

さすが、島の空港。搭乗口と保安検査場とカウンターと売店があるだけでほとんど何もありません。

奄美空港は島の北部にあり、中心市街地からけっこう離れているので、空港連絡バスを使って奄美大島最大の名瀬市街地へと向かいます。

バニラエアの影響もあるのか、平日の木曜日にも関わらず、同時刻に名瀬へと向かう観光客は数人いました。

旅というものはある程度の計画を立てていくのが一般的だとは思いますが、今回はあえて無計画で、現地で模索しながら楽しみたいと考えていました。市街地付近に予約しておいたホテルへチャックイン後、荷物を置き、空港で無料で配っていた薄い観光パンフレットを見ながら次に行く場所を考えます。

この街の飲食店は、食べログなどのいわゆる口コミサイトには情報がほとんど掲載されておらず、パンフレットなどの紙媒体に頼って店選びをしたのはとても新鮮な体験でした。

到着してまず初めに訪れたのは、名瀬市街地にある、焼き鳥屋の「てっちゃん」です。ここは、柳葉敏郎や眞鍋かをりなど有名芸能人がプライベートで訪れたことがあるそうで、店には写真が多く飾ってありました。

夕方の16:00ぐらいで店は営業中なものの、客は僕だけでした。

ここで出会った店主の手島郁雄さんはとても大らかで、とても気前が良い方でした。年齢は60歳ですが、とても若々しい方で奄美や東京の話で盛り上がり、小一時間ほど話し込んでいました。

食べたのは、この店の名物、鶏飯ラーメンです。

奄美の鶏飯ラーメン

奄美は、鶏飯が有名で、白飯にほぐした鶏肉や椎茸やネギをのせ、鶏ガラスープをかけてお茶漬けのようにして食べるそうです。写真はそのラーメン版といったところでしょうか。とてもおいしかったです。

「てっちゃん」では奄美についていろいろ教えていただきました。今後の予定も無計画だったので聞いてみたところ、いろいろオススメしていただきました。

店を出たあと、周辺を撮っていたら「ちょっと!」と店から出てきた店主に呼び止められ、何かなと思っていたら、どうやら話忘れたことがあったみたいでした。わざわざありがとうございます。。。!

「奄美のハブ皮に触るといいことあるよ」

と言って、店に飾ってあるハブ皮を触らせてくれました。

奄美には随所でハブが出ることがあるそうです。

ハブは知っての通り、人間を死に至らしめるほどの猛毒を持った蛇です。奄美の人口の3倍は生息しているとか。

恐いですが、それによって奄美大島は手付かずの自然を残すことができています。動物が自然を守っているのですね。

奄美に訪れていきなり島の人のあたたかさを感じることができ、東京の人との差をすごく感じました。「てっちゃん」は次の日も訪れることになります。

市街地は港のそばにあります。

食事を済ませたら、てっちゃんの店主にオススメされた、「タラソ奄美の竜宮」に向かいます。

ここは、奄美最大の海浜である、大浜海浜公園の そばにあるタラソテラピー施設です。奄美の海水を吸い込み、温水にした巨大なプールがあります。各所に温水ジェットが付いていたり、傾斜が付いていたりしてマッサージ要素からデトックス、軽い運動にもなります。

ここから奄美のお年寄りたちの健康と元気を守っているわけです。

東京にもタラソはありますが、5000円くらいします。その点、ここは1000円程度でとてもリーズナブルでした。

プールでは一人若い自分に、たくさんの島の人が話しかけてくれて施設内を案内してくれます。温海水に浸かりながら、奄美という南の島の70歳を過ぎた人たちと時間を忘れて話込んだ経験は、僕の中では新しいものです。島の人たちもそれぞれいろいろなバックグラウンドを持っており、島で生まれ育った人ももちろんいれば、東京から奄美に移り住んできているひとなどいろんな人生経験を聞かせていただきました。

「奄美はいいとこだぁー」

島の人は口を揃えてこういいます。自分が住む地をここまで良く感じている場所がほかにあるでしょうか。

そうこうしているうちに、帰りのバスの時間。夜9時を過ぎていて完全に日は落ち、あたりは真っ暗でした。

奄美はとにかく空が綺麗です。夜も星がとても綺麗に、多く見えます。しかもこの日は満月でした。東京に住んでいたら絶対見ることのできない夜空にとても感動です。

奄美に電車は通っていません。島内の移動は車、バイク、自転車、バス、タクシーになります。今回の旅はバスでしたが、本数はとても少なく、都会のように感覚だけでは移動することができません。また、乗り換えの案内なんかもネットに載っていないわけで、島の人たちは紙の路線図と時刻表を見ながら移動するわけです。

島のほとんどの子供たちは電車を生でみたことが無いそうです。それだけでも驚きです。

タラソから市街地に戻ると、夜10時近くになっていました。

夜は、市街地の焼き鳥居酒屋「とりせん」に行きました。

本格炭火焼の店です。本場地鶏を贅沢に焼いていて、とてもいい匂いがします。カウンターに座ったのですが、目の前には厨房があって、調理中の店員さんと会話ができます。

壁には、名刺が大量に貼ってありました。訪れた人からいただいた名刺を飾ってあるのだそうです。

「次きたときに、貼ってあったら嬉しいだろ?」

奄美に来ても、お店の独自の工夫はとても参考になります。

この店の看板メニューの「スペシャルミックス」を注文しました。

鶏もも、なんこつ、ぼんじり、せせり、砂じりの炭火焼がミックスされていて、とてもボリュームがありました。

これで炭火焼がくせになり、帰宅してすぐに炭火焼肉屋をいったくらいです。

ここでも店の方たちと話し込んでしまいました。

本当に奄美の方はみんな気さくで、話しやすいです。

夜11時を過ぎ、そろそろ帰ろうと思っていたとき、店の女将さんが隣で、三味線を弾きながら島の唄を歌ってくれました。

とても感激しました。人生を振り返っても、自分一人のために唄を歌ってくれた人はいませんでしたし、旅先でこんな経験ができるとは全く思っていませんでした。

とても暖かい気持ちになって、ホテルへの帰路へ。

帰りは街灯も少なく、とても暗い道。

でもそのおかげで、月明かりがとても素敵でした。

ずっと見ていたくなるこんな空は、いままでに味わったことはありません。次は必ず望遠レンズを持って行こうと思いました。

明日の奄美は25℃、海へ行きたいと思います。

(つづく)

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