Matrix AI Network: AIを活用した医療診断システム

過去数ヶ月間、テストネットを通してMatrixコミュニティの皆様にはMatrix AI サーバーの基本的な機能であるMatrix AI Pose DetectionとObject Detectionを体験していただきました。以前には、これらの機能を使用したコンペティションも開催し、たくさんの方に参加をしていただけました!しかしながら、これら2つのAI機能はMatrixが提供するAIサービスのごく一部でしかありません。本記事はMatrixの画像医療診断サービスについての新しいレポートとなります。お楽しみください!

*英語リリースはこちら

人工知能と医療診断

人工知能は現在多くの業界で活躍していますが、Matrixは医療業界において革命を起こそうと開発を進めています。特に医療診断は革命の中核となる重要なトピックです。確立された診断手法と併せて運用することで、AIは医療診断の精度を向上させ、より早い段階で病気や病状を検出し、そして患者が受けるケアの質を安定させることが可能であると考えられます。MatrixのAI開発主任のSteve Dengは「ブロックチェーンとAIの統合は、医療分野における課題に挑戦しうるものであり、AIを用いた迅速な医療診断やその並行処理には大きな需要が存在する」と述べています。そのために、Matrix AI Networkは現在、上海肺病院(同済大学附属)や華東病院(復旦大学付属)を含むいくつかの病院と協力し開発を行っています。

これらの大学と連携した医療診断プロジェクトは、主に小細胞肺がん(SCLC)と肋骨骨折の検出に焦点を当てています。これらのプロジェクトでは、強力なAIモデルに基づいて過去の事例、治療ガイドライン、学術文献などの分析を行います。最終的な目標は、見逃しや誤診の可能性を低減しながら、完全かつ適切な治療計画を提案することです。 これは、「患者のより良いケア、保険会社と供給業者のためのコスト削減、そしてAI支援診断モデルを改善するためのより大きなデータセットの構築につながります」とDengは述べています。

小細胞肺がん診断プロジェクト

小細胞肺がん(SCLC)は非常に活動的なタイプの肺がんです。全肺がんの約15〜20%を占め、短い倍加時間および高い成長率を有し、そして非常に早く転移します。Matrixは、SCLCを検出するためにAI拡張イメージングプロトコルを使用しています。これらのプロトコルには、データ収集、データ前処理、画像セグメンテーション、肺結節マーケティング、モデルトレーニングおよび分類予測が含まれています。

解析フローの一部

Matrix AIサーバーはこれらの高解像度CTスキャン(20000 x 20000)を取得し、マクロデータとミクロデータを分析することによって解析を行います。そうすることで、MatrixはSCLC細胞を特定し、腫瘍の体積を測定し、病変の輪郭を診断することができます。

実際の解析画像 (右下は解析前)

肋骨骨折診断プロジェクト

肋骨骨折の診断は驚くほど困難な試みです。医師は手作業で膨大な量の診断作業を行う必要があり、正確な診断は容易ではありません。これは、多くの人が肋骨を多数持っていること(11対13を持っている人もいますが通常12対)、そして肋骨は互いに複雑な空間的関係を持っているという事実によるものです。

肋骨骨折診断の解析フロー

Matrixは骨折タイプの診断を可能にし、診断と治療の正確さと効率を大いに改善いたします。その実現手法として、MatrixはオリジナルのCTスキャンを再構築し3D画像を生成します。まず、患者の背骨と胸骨は、高度な形態論を用いた解析により肋骨と区別されます。その後、各骨がセグメント化されるにつれて、胸骨および脊椎が取り除かれます。最後に、他の骨が検出され、すべての肋骨が一意に識別されます。確認後、各肋骨は確認のために既存の専門家が作成したラベルと個別に照合され、VOC&COCO規格を使用して破断データが作成されます。さらに、生成されたデータを用いてAIモデルの継続的なトレーニングを行い、増加する数の骨折タイプを特定します。

肋骨の三次元画像の生成

このアプローチを他の方法と区別するものの1つとして、不明瞭な画像およびまばらな骨密度の問題を解決するために、Matrixは分析プロセス全体を通して高度な形態論および逐次学習を使用する点です。同時に、個々の肋骨を識別する際の効率を向上させるために、Matrixはコードアクセラレーション、補間アルゴリズム、およびopencvを使用します。

骨切除後、および単一の肋骨と境界ボックスの3D画像
個々の骨と肋骨の3D画像

AIサポート医療診断の未来

Matrixは、AIを利用した医療診断が早期の疾患スクリーニングを改善し、患者の医療費を削減するとともに誤診の発生を減らすのに役立つと考えています。たがって、姿勢認識および物体認識機能に加えて、MatrixはMatrix AIサーバー上で一連の医療診断サービスを開始しています。医療診断ツールは、Matrix Web WalletのAI Transactionタブからアクセスできます。

AIトランザクション

Matrix AI Server医療診断サービスを使用するには、関連ファイルをアップロードするだけです。小細胞肺がん(SCLC)の場合、これらは業界標準の医療用画像セット(dcm形式)で構成する必要があります。 アップロードの後、[Generate Transaction]をクリックします。

トランザクションを生成するとレポートが作成され、約15分で結果が得られます。すべてのブロックチェーントランザクションと同様に、結果は該当するTxhashを使用して照会が可能です。Matrix AIサーバーはCTスキャンを分析して完全なレポート(pdfとしてダウンロード可能)を生成します。このように、医療診断トランザクションは、以前リリースした姿勢認および物体認識トランザクションと同じように機能いたします。

現在のところ、小細胞肺がん(SCLC)を検出するためのAI拡張イメージングプロトコルのみを一般に公開されています。肋骨骨折プロトコルについては、さらにいくつかのテストを重ねたのち公開を予定しています。

人工知能によるサポートによりMatrixはブロックチェーンの可能性を広げ、これを実現いたします。チームはAI医療診断サービスに関する彼らの仕事を非常に誇りに思っています。 今後も、Matrixはパートナーと共に、Matrix AI Networkのマイニングによって発生する計算能力を使用し、AIモデルのトレーニングを続けていきます。その見返りとして、これらのAIモデルはオープンアクセスです。Dengは、次のように述べています。「AIの安全、高性能かつ相互運用可能な分散コンピューティングインフラストラクチャの将来は、コストとAIモデリングへのアクセス、効果的なパブリック/プライベートシステム統合を促進するための重要な基盤です。」

Matrix AI Networkは人工知能の民主化を目指します。