Rocket InternetのJabongがFlipkart傘下のMyntraに$70mで買収される

昨日、e27やTech in Asiaに記事が出ていましたが、Flipkartのグループ会社のMyntraが、Rocket Internetがインドで経営する大手アパレルECのJabongを$70milで買収しました。

Rocket Internetは先進国で成功しているビジネスモデルをコピーして、新興国で成功している企業より先行して事業を始め、競合にM&AでEXITするという事業(投資?)戦略を展開している会社です。今年4月にAlibabaがRocket Internetの東南アジアのECマーケットプレイスのLazadaを$1bilで買収したニュースは記憶に新しいと思います。

Jabongは2012年に設立。4年でEXIT出来たのは期間で見ると上手くいった事例になりますが、投下資金を考えるとRocket Internetにどれぐらいのリターンがあったのか気にはなります。かねてから売りに出ていて、一時$700mil〜1bilという評価額も出ていたそうなので色々気になります(笑)


5月、6月とインド出張に行って来たのですが、多くのECプレイヤーが赤字を掘り続けながら売上拡大を図っていました。粗利ベースでは黒字ですが、マーケティング費用が大きく嵩んでいたのが各社赤字になっている主な要因のように見受けられました。

新興国のアパレルECに見られる特徴として、商品面での差別性が大きくありません。これはオンラインに限ったことではなく、ショッピングモールのようなオフライン店舗でも、大体売っているものは一緒です。現に、AmazonはFlipkartにマーケットシェアで大差をつけられていましたが、最近Flipkartでは特定のスマホメーカーの独占販売権が解禁になったことからAmazonでも同様のスマホの取り扱いを開始したところ、一気にシェアを伸ばしてFlipkartを脅かす存在になったとのこと。「そこでしか買えない」という店作りが難しい-->広告宣伝費を大量に投下して顧客を獲得、という展開になっている印象。一度獲得した顧客にリピート購入をしてもらい、LTV(Life Time Value。生涯顧客当たり売上)を最大化して、中長期で黒字化を図るという戦い方を各社目指しているように見えました。楽天やヤフーショッピングのようなリピート施策(ポイント制度など)が浸透していなかったので、リピート施策は各社これから模索すると思われます。

そんな中、買収のニュースを聞いて、「まあ、そうなるよなー」というのが個人的な感想でした。広告に資金を投入し続けるには、大量の資金が必要になります。AmazonのJeff Bezosは先日(2016/6)、「インドに$3bilを投資」と発表しました。稼いだ利益で広告宣伝に投資出来ない企業は、VCなどから資金調達をしないとAmazonには勝てないでしょう。

Accel/Naspers/Tiger Globalの資金に支えられているインドECナンバー1のFlipkart(累計調達額$3.15bil)にとって、Flipkart傘下のMyntra(2014年にFlipkartが$350mで買収)の競合最大手のJabongは喉から手が出るほど欲しかったのでは、と。競合が減れば、広告宣伝に資金を投下する戦争が楽になりますから。

今後、インドEC業界3番手のSnapDealや、4番手のShopClues、Alibabaが出資交渉中のPaytmがどういう動きに出てくるか興味深いです。

また、EC領域に限らず、シェア獲得合戦でしのぎを削っている領域(ロジスティクス、決済等)の競合同士の買収の波が加速していきそうですね。
(※不勉強なので、以前からもっとあったかもしれません)

個人的には、広告投資以外のサービス・商品の差別化で顧客獲得が出来るプレイヤーに投資をしていきたいなあ、と極めて日本人的な考えでいます。総合型ECは既に規模が大きく、参戦するには時期を逸しているようなので投資出来なそうですが(笑)

楽天やeBayは創業して間もなく黒字でしたし、ZOZO TOWNはEC後発でしたが、裏原のショップを囲い込んで「そこでしか買えない」を構築して成長しましたし。一方、海外でこういったニュースを聞く度に、日本の常識は、海外では非常識なのかな、と色々考えさせられます。

YJCのインド進出を本格検討し始めた矢先に、インドの投資戦略を考えさせられる買収ニュースでした!ということで本日の投稿を締めくくりたいと思います。いやー、スケールがデカイなぁ(汗)