Appleは、故Steve Jobs氏と同じぐらいAppleという企業の柱であったJony Ive CDOが退職すると発表した。
おそらく、Apple Park建設を終えて、2017年12月にApple Designチームを直接率いる立場に戻った時点で、自身の役目が終わったと考え退職する意向をしてしていた可能性が高い。
Jony Ive CDOは、新製品発表におけるデザインに関するCMプロモーションにも出なくなり、ずっと代わりになる適任者探しが行われていたと考えられる。
結局見つからず、インダストリアルデザイン担当バイスプレジデントとして、Richard Howarth氏とは別に、新卒入社でずっとAppleでインダストリアルデザイナーとして勤務していたEvans Hankey氏を昇級させる人事を発表し、同部門のヴァイスプレジデントが2名体制になることを明らかにした。
加えて、オペレーション担当シニアヴァイスプレジデントにSabih Khan氏を任命など今回の人事発表で、明らかになったことは、デザイン部門を統括する責任者を誰にするのかについて役員会議で議論した結果、Jeff Williams COOの直属となることになったことが読み取れる。
Jony Ive CDOが在籍していたAppleにとって、デザイン部門は独立した組織であり、シニアヴァイス以上の責任者を持つ部署だった。
今回の人事発表では、このデザイン部門はオペレーション部門の配下に置かれることになり、最高責任者であるTim Cook CEOの配下に置かれた分けではないことが分る。
インダストリアルデザイン部門は製造部門と共同で開発を進めることに違和感はないが、ヒューマンインタフェースデザイン部門も製造部門の配下に置かれたことに驚きを隠せない。
シニアヴァイスプレジデントのCraig Federighi氏が率いるソフトウェアエンジニアリング部門に置かれても不思議ではないが、人が操作するデザインに関わることは全て製造部門の責任ということになったからだ。
結局のところ、Appleのヒューマンインターフェースに対する考え方は「ハードウェア主義」であるのだと思う。