技術が全ての人のために設計されるのなら、それは、彼らが愛するものを作ることを可能にする

DANBO
3 min readOct 29, 2016

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Apple October Event 2016の冒頭で、最新「Accessibility」障害者情報を動画で公開した。

たった1.42秒の内容だけど、ここにはApple製品によって、障害者の方々に多くの可能性をもたらしたことが紹介されている。

なお、この動画はYouTubeで公開されているが、通常版の他に障害者向け音声多重放送版も用意されている。

このことから、健常者だけに伝える動画として制作したわけではないことが分かる。

これまでにもAppleは、Accessibilityや教育に関して強いメッセージを打ち出してきた。

この動画の冒頭に、介護を受けなければ着替えもままならない、Sady Paulsonさんが登場する。

冒頭彼女は、頭を使ったアクセシビリティーコントローラーでメール文章の入力を行う。

次に登場するのはFaceTimeを通じて手話で話すエピソードで、これまでにも何度も登場する使われ方だ。

Mario Garciaさんは視覚障害者だけど、家族の楽しいピクニックを撮りたいと思ったとき、iPhoneのカメラで顔認識を音声で聞くことで写真がちゃんと撮れるエピソードが紹介されている。

Accessibilityページでは、ある家族に写真撮影を頼まれ、それを快く受け入れて写真を撮ってあげるシーンが紹介されている。

自分にはなんでもないことなのに、立場が変わると、とたんに難しくなる。もし、これがコンパクトカメラだったらどうだろう?そう考えたことは自分にはなかった。

車椅子生活の女性がベッドから車椅子に移動する時に、HomeKitを使ってカーテンを開けるシーンが紹介されている。

「カーテンを開ける」これが彼女にとっては、おそらくとても難しいことだったに違いない。

別にテクノロジーが必要ないと思うことでも、そこにテクノロジーを必要とする人がいるのだと実感させられた。

Win Whittakerさんは聴覚障害者で補聴器を必要とするが、人が多い場所や風が強い場所では聞き取りにくい状況で、iPhoneの補聴器サポート機能によって、環境音に適応した設定に変えることで、聞こえるようになるシーンが紹介されている。

これによって、相手に気を使ってもらって大きな声で話してもらう必要がなくなる。

iPadでiBooksをテキスト認識音声読み上げによる聞き取り学習や、Apple Watchによって、車椅子でトレーニングを行う女性が、走行距離だけでなく、目的地までの距離を知ることが出来るシーンが紹介されている。

このスペシャルイベントで紹介された動画は、実は、最初に登場したSady Paulsonさんが、Final Cut Pro Xを使って編集作業を行ったことが最後に紹介される。

Sady Paulsonさんは完成した作品を見て、満面の笑みで笑う。

そしてAppleは「技術が全ての人のために設計されるのなら、それは、彼らが愛するものを作ることを可能にする」と語る。

その後のMacBook Pro (Late 2016) に話題が集中しがちだけど、こうしたメッセージを常に打ち出し紹介する大手IT企業は、そうないのではないかと思う。

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