蛙はつねに鳴くが、それに益は一つとてない

「北」新年辞中継を観て


これをきょうから職場単位、学校単位、家庭単位で暗記しなければいけないのだから、新年も天糸瓜もあったものではありません。しかしよく聴きますと彼方此方に、事実が埋め込まれています。

「昨年、困難かつ複雑な環境の中」
「困難な状況」
「不足している電力の問題を根本的に解決するための展望計画」
「生産を正常化」

昨年は張成澤さんの殺害前までには、すべてが「順調である」で終始しておりました。殺害後からなんですね、すべてこの類いで「順調」を「逆境」となにごともなかったかのように言い換えてきています。これこそ本末転倒の逆さまなことなのですが。
その場その場のおもいつきですべてが指令される。それが「困難かつ複雑な環境」と「状況」を連続させる。ヒチョン水力発電所が完成すれば「くにの電力生産に一大転換が達成される」と強調し、極寒の地に膨大な軍と資材を投入して完成させたのが、「不足している電力の問題」と刷り変えられ、あいも変わらぬ、「生産の正常化」。つまりはどの生産部門でも生産が動いたり止まったりを繰り返し、そのような状況にも関わらず、

「鉄鋼材と各種の化学製品を十分に生産、供給すべき」
「農業にすべての力を集中」

です。特に農業はこれ以上の耕地面積の確保が難しいために、洗浦台地という、不毛の地を開拓せよとの大号令なのですが、

(張成澤さんたちなら「食糧生産がままならないのに、畜産飼料生産はいったいどうなるのか?」と窮したに違いありませんが)

が欠落したままの、膨大な投入力の無駄と、治山治水の甚大な悪影響なぞはそっちのけで、またもや大動員の如しであり、腹が減っているのにスポーツをしろといい、

「国防工業部門では、軽量化、無人化、知能化、精密化された朝鮮式の近代的な武力装備をより多く生産して、自衛的国防力をしっかりと打ち固めるべき」

です。

このような思いつきが辛うじて保障されるのは、ポッタリチャンサ(外貨稼ぎ)しかない。そういう〝汚い〟(血まみれの子豚はそれを〝汚物〟と形容しましたが)仕事を引受ける人間が誰もいなくなった。
しかも、社会主義農村テーゼ発表50周年、労働党創建70周年、主席遺訓20周年、全社会の金日成主義化綱領宣布40周年。外貨が幾らあっても足りない大動員の示威に、

「すべてに優先されなければならない」

と春頃には言い出すでしょう。

何が最優先されるねきなのかが、さっぱり判らない。最優先というのは一つのことなんですが、三つも五つもその時々によって変更されてしまう。

そう考えますと、ソ連の寿命が一つの目安になる……そのように私が改めてその局面指標を再確認した、おもいつきの演説であります。

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