ひとの本性

少し前に、いわゆる老人ホームで働いてるという友人としゃべってて、年取ると人は本性が出る、という話になった。直ぐに手(暴力)を出す人、偉そうな人。年を取ると、普段は理性が抑制してた素の人間性が出るんだね、と。そんな中に、一人でニコニコしてる素敵なおじいちゃんおばあちゃんもいて、そういう人のところには沢山面会の人もくるらしい。

老人じゃなく、一般的なはなし。
人は、平常時には、いい人も悪い人も、まともに振る舞える。プレッシャーがかかったり、いろんなことでテンパったりした時に、素の人間性が出てくる。こっちが本性。よく見れば普段のいろんな行動からも、こいつ手が出るタイプだなとか、威張るタイプだとか、本当は無責任なタイプだとか、感じるものはある。

ぼくは、人間は変わることはできると思ってるし、信じてる。と同時に、人間が変わるのは簡単では無いことも知っている。つまり現実的には、ほとんどの人は変われない。なので、直感でダメだと思った奴は、大抵、ダメ。変わろうと本気になってる人の頑張りは、見てりゃ分かるし、それくらいしないと、人は変われないと思う、ということ。

この頃はぼくも、人事面接に立ち会ったりすることもあるのだが、今の面接って、表面的に取り繕う能力を見てるようなものだ。”Word Is Cheap” というように、口で言うだけは簡単で誰でもできる。(そうやって自分の見かけを取り繕うか、そうしないかは、その人物次第だけど。)30分程度の面接で、その人物の本性は分からない。(だが、1ヶ月でも一緒に仕事し、言っていること、やっていることをきちんと見ていれば、大体、どんな人間なのかは分かってくる。)

「口は災いの元」という言葉がある。口が災いするタイプの人間は、しかし大抵は、腹の中が本当の災いの元で、そういうのが口をつぐみ、とり繕い始めると、分かりにくくなって困る。

ぼく自身は、腹で思ったことは普通に口にするように、むしろ努力してる。自分のことを分かってほしいというよりも、取り繕ったり格好つけるのが面倒くさいってのが主な理由だが。嘘は整合性を保つため全部覚えてないといけなくて大変、というのはよく言われることだけど、マジそう思う。

老人ホームで、椅子にちょこんと座って、一人でニコニコしている、そういう人には、どうやったらなれるんだろう、と最近よく考えている。そういう人たちは、若かった頃も、いつも朗らかに過ごしていたんだろうな。

一つの理想像として、最近いつもぼくの頭に、ある若いミュージシャンが浮かぶ。「見られてるところで良いカッコしてるだけでしょ」とか言われたけど。(本当はそうなのかもしれない。)

ミュージシャンという職業は、みんなの目にさらされている、同業者の目にも。同時に、彼らはある意味、技能職で、見れば(聞けば)実力は直ぐ分かる(隠せない)。(ぼくの素人目だけど)彼は圧倒的な実力を持ってる。だけど同業者にも、素人である聴衆にも、いつも謙虚に真摯にニコニコしてる。彼は、年取って、抑制が効かなくなっても、いつもニコニコしてオルガンを弾いているような気がする。

上を向いて歩いていこう。

One clap, two clap, three clap, forty?

By clapping more or less, you can signal to us which stories really stand out.