人工知能は業界構造をどのように変えるのか?

一般的にある業界には、「低価格戦略群」と「高品質戦略群」が存在します。通常、価格と品質にはトレードオフがあり、高品質は高価格であることが通常です。ここでトレードオフを飛び越える動き、低価格高品質ができるとイノベーションになる可能性があります。人工知能は、この「低価格高品質」を実行するためのトリガーになりうる技術です。

ここで市場で何が起こるのかを考えてみます。一般的には、人工知能が人の仕事を奪うと考えられますが、「低価格高品質」を目指すためには、二通りのルートがあります。「低価格戦略群」が目指す場合と「高品質戦略群」が目指す場合です。「低価格戦略群」が目指す場合は、技術を使って品質の向上を目指します。一方で、「高品質戦略群」が目指す場合は、価格の低下を目指します。

市場の状態を考えたときに、先に起こり得るのは「低価格戦略群」が品質の向上を目指すアプローチです(図の①矢印)。それは高品質群は、低価格化するインセンティブが薄いからです。「低価格戦略群」が高品質を実現すると、「高品質戦略群」が動き出します。

もちろん、「低価格戦略群」が更なる低価格戦略に走る場合や「高品質戦略群」が更に高品質を目指す場合もあり得ます。ただ、業界がひっくり返るようなイノベーションは、低価格戦略群が人工知能を活用し、「高品質」を実現するときに起こるのではと思います。「品質を高めるAI」こそが市場に求められいている技術ではないでしょうか。

株式会社IF 小塩篤史 CEO

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