Personal Philosophyの時代
AIが得意なことはまずもって「最適化」です。
ある目的に対して、どのような手段をとると最も効果的か?例えば、ある顧客のどの製品を進めることが最も最適かという問いに答えを出すことは、十分なデータがあれば非常に得意です。
では「ある顧客のどの製品を進めることが最も最適か」という問いでは何を最適化しているのでしょうか?一義的には顧客の満足度や顧客の嗜好性を満たすための最適化という答えが返るでしょうが、実際には顧客の購買データを学習した機械学習エンジンであれば、供給側の売り上げを最適化するリコメンドとなるでしょう。
供給側は、豊富なデータとAIを保持し、顧客側は自らの意志が加わったAIを所有していない。そのアンバランスな環境下では、顧客は供給側に飲み込まれてしまいます。そのためには何が必要なのでしょうか?それは供給側に都合のよい最適化への「NO」ではないでしょうか?
AIは有効に活用すれば、われわれの有限な時間や金銭等の資源を有効活用してくれます。その時に、われわれは何を最適化するのか、自らの哲学を持つ必要がでてきます。Personal Philosophyの時代です。

これまでも哲学は常に重要な学問でした。しかし、それは「哲学」学というようなものであり、自らの日常生活や選択に影響を及ぼすことはありませんでした。
また、デジタル化される世界の中で、「自分らしさ」という概念が重要性をもっています。「自分らしいくらし」「自分らしい生き方」が大事にされています。マーケティング界隈の大御所コトラー教授もMarketing4.0の中で、「自己実現欲求」を満たす製品サービスの重要性を指摘しています。では「自分らしさ」とは何なのか?
自分らしさを考える際に大きな軸となるのが、「Personal Philosophy」ではないでしょうか?個々人が自分の哲学を持つ時代です。自分の特性や過去、未来への願望から、自分の哲学を紡ぐ時代です。そのためには、学説をベースにした哲学から個人の生活感覚に根差した哲学に変化する必要があります。
その哲学を主張することで、よりひととAIの共存は深化するのではないかと思います。
