学問を通して社会問題を議論するということ

2015年5月、大学入学してから一ヶ月もしないうちに僕は「国際学生シンポジウム」運営委員会で活動をはじめた。国際学生シンポジウムとは、「学生同士で学術的な資料をもとに社会問題について議論をするディスカッションイベント」である。第37回にもなるシンポジウムは年末に2泊3日,120名規模のイベントを開催することが決まっていた。

そのイベントを成功させるため、何カ月もかけて準備をしてきた。閉幕からもう数ヶ月が経ち新年度が始まってしまったが、このままだと振り返る機会を逃してしまいそうなので今のうちに振り返っておく。


何をしたか

団体では二つの活動を同時並行で進めていった。一つが、運営委員の一員としての活動。もう一つが、分科会の一員としてのディスカッション作成だ。

1.運営委員としての活動(広報)

国際学生シンポジウム運営委員という組織を運営していくために、大きく分けて企画局/渉外局/広報局の三つに分かれて活動をしていた。自分は広報局で活動をしていた。具体的には、SNS(Facebook,Twitter)での投稿。

僕にとって広報局の「届けたい相手に届けたい内容をどのようにして伝えればいいのか」、それを試すことができることが魅力的だった。実は自分はやたらと冗長で中二病のようなエッセイを書くのが趣味となりつつあった。しかし、ふとした時に「こんな自己陶酔している文字の羅列に誰が目を向けるんだろう」と気付いた。まず自己満足100%の状態から脱するためには、何しろ書く対象が必要だったので広報局での経験はいい機会となった。試行錯誤しながら、この病理は少しずつ回復へと向かっていったのであった。

2.分科会の一員としての活動(ディスカッション作成)

第37回国際学生シンポジウムHPに、分科会の説明があるため引用する。

シンポジウムでは社会問題を議論しますが、ひとくちに社会問題といっても分野が多岐に渡り、例えば教育、政治、経済など幅広く存在します。また、参加される皆様の関心も様々かと思います。そこで当団体では個々の興味に合わせた数々の分科会を用意しております。

つまり、分科会とは同じ分野のディスカッションを持つ人が集まったチームのことである。各自が好き勝手にバラバラとまとまりのないディスカッションを作っても、収集がつかない。参加しても得られるものは浅くなってしまう。ある程度一貫性を持ったディスカッションを複数行った方がより議論を深めることができる。

分科会の説明はそんなところで、ディスカッション作成について。ディスカッションは大きく分けて、問題意識/論点/資料の3つで構成される。まずは自分の関心のある分野についてとことん調べ、ディスカッションできそうなテーマを見つける。その際に必要なのが、「問題意識」というものだ。問題意識とはそのテーマを議論する意義や理由を論理的に説明し、ディスカッションの方向性を決めるものである。その後、議論の道筋である論点を定め、それをもとに資料を集めていった。なんとか形にしたディスカッションを実際に議論し合い、得られたフィードバックをもとに時間の限り磨きあげていった。

自分だけでは、到底作り上げられなかった。同じ目的を持っている仲間がいたからこそ、ディスカッションをつくることができた。寝る間も惜しんで一晩中、相談にのってくれたこともあった。感謝してもしきれない。


なぜ、始めたのか

1.自分なりの問題意識を育みたい

何かに向かって頑張っている人は、かっこいい。そう目に映る人たちに共通していたのは、社会に問題意識を持っていることだった。ただ利益やスキルといった目に見えるものを求めるのではなく、社会に対して課題を見つけ行動を通して解決につなげていく。そのような人に憧れ、まずは大学生のうちに自分なりの問題意識を育みたいと思うようになる。これから自分が何か新しいことに挑戦するきっかけを、この場で見つけることができると思ったから活動に加わった。

2.多角的に物事を捉えられるようになりたい

一人で考えても答えは限られてくる。三人寄れば文殊の知恵というように、話し合えば思いもしなかった素晴らしい考えが浮かんでくる。高校までは正直、知識量で勝負というところがあった。しかし、情報が溢れだす現代社会を見渡すと「いかにして多くの視点を持ちながら問題を見つめられるか」の方が大事ではないかと気付いた。自分の視点だけ持っていると、都合の良い情報はいくらでも持ってこれてしまう。だからこそ、自分一人ではなくて話し合いながら問題と向き合う環境を求めていた。

国際学生シンポジウム運営委員会では、毎週持ち寄ったディスカッションを行う。大学という枠を超えて、異なる専攻、関心を持っている人と議論する機会はなかなか見つからない。自分でディスカッションをつくりながらも参加し切磋琢磨することができた。


何が得られたのか

1.考え抜く力と調べ上げる力

結論から言うと、知の宝庫「図書館」に引きこもるようになった。まずは自分の関心のあることについてとことん調べるが、何かあれば本に助けを求める。今までは、ネットで調べてなんとなく分かった気になっていたが、ネットの情報だけで理解するとかえって遠回りだったり中途半端な情報で信頼できない。問題の核となっている部分見抜き、それを構造的に分解しディスカッションをつくっていく。

たとえ答えが見えなくても、諦めずに探し求める力はついた。自分で問題の構造について仮説をたてて、本を片手に検証していく。この作業って、本当に面白い。この経験を礎にして、もっと鍛えていきたい。

2.自分と社会との距離感の変化

社会問題と向き合っているうちに、議論するのも大事だけど「じゃあ実際自分に何ができるんだろう」と考えることが多くなった。社会問題について議論し構造を理解するだけ理解して終わりたくない。

議論も事例ベースだし、誰かが新しい事例をつくっていかなきゃこの先変わらない。根拠はどこにもないけど、きっと自分にも何かできることはあるはず。誰かを待っていては、いつまでたっても状況は変わらない。今まで社会とどこか距離を置いていたけど、積極的に関わっていきたいと思うようになった。


まとめ

学問を通して社会を見つめる。そのことで、今まで気付かなかった学問の面白さ、深さ、可能性を知ることができた。ついでに失いかけていた大学へのモチベーションも取り戻すことができた。大学に通っているだけでは得られない経験は自分から掴もうとしない限り、得られることはない。

活動を始めた時の目標としていた、自分なりの問題意識もいくつか見つけることができた。だけど、それが全てではない。得られたことはあくまで土台、何を積み重ねていくか、掛け合わせていくかは一人一人違う。これからも長い時間かけて、考え、話し合い、新たな事例をつくり上げていきたい。

4月から新たに第38回国際学生シンポジウムとしてスタートする。運営メンバーを募集しているとのことなので、少しでも興味のある方は騙されたと思って一度足を運んでみてはいかがだろうか。

【スタッフ説明会詳細】
■場所&日時@ 国立オリンピック記念青少年総合センター (東京都渋谷区)4月24日(日) 13:30〜16:30
※日程の都合がつかない場合、個別対応も行わさせていただきます。 
説明会申込はこちらから!!
https://ssl.form-mailer.jp/fms/6b4292ea425832
■イベントコンテンツ
・活動説明
・ディスカッション体験
・質問&交流会