夏だ、情報ダイエットをしよう

ぼくは頻繁にデジタルカメラのメモリをフォーマットする。スマートフォンの写真フォルダは常に空の状態で、それを見た友人からはいつも不思議な顔をされる。いつでも空の状態をキープしている理由は、いざカメラを使うときに、メモリ残量を意識したくないからだ。
ぼくらの日々の情報整理においても同様のことが言えると思っている。常に自分の頭のメモリをまっさらな状態に保つことで、ほんとうに大切な情報を収納するスペースをつくっている。ついでに、自分のスケジュールも可能な限り空けておく。なにかを思い立ったときに、すぐに行動できるように。
現代社会は明らかに情報過多である。自分に入ってくる情報の99パーセントをカットしても、なんの不自由もなく暮らすことができるのではないだろうか。農家の人たちにとって台風情報は重要なのだろうが、それ以外のニュースはほぼ必要ない。同じく、都会で暮らす多くの人たちにとって、政治家の不祥事や芸能人のスキャンダルが日々の暮らしに影響をもたらすことは、特定の職種を除けば皆無である。
試しにぼくは約1ヶ月の間、SNSやニュースアプリを自分のスマートフォンからすべて削除した。体に染みついた習慣とは恐ろしいもので、スマートフォンのホーム画面をひらいては、やることがなく再びロックするという動作を数日間は無意識に繰り返していた。
実際に情報の断捨離を試した人ならわかると思うが、現代人が情報収集につかう時間は、想像以上に多い。これがまるっとなくなることで、ずっと手つかずだった本を、腰をすえて読む時間もできた。
ぼくは冒頭で、カメラのメモリをフォーマットすると話したが、手に入れた情報やデータをすべて完全に削除しているわけではない。それらのデータは、クラウド(インターネット)上に整理して保存されており、さかのぼると中学校時代の写真や通知表まで、簡単に取り出すことができる。この「電子データのアーカイブ」は、現代の新しい情報整理術だ。こういったテクノロジーを上手に活用することで、自分の脳のメモリを空に保ち、自分の情報感度を上げることができる。

ふさがった両手で新しい荷物を持つことができないように、パンク寸前の脳では、新しい情報を消化することができない。この夏、お腹まわりのシェイプアップに励むのもいいが、情報ダイエットで頭の中をクリアにしてみるのはいかがだろうか。まずは手始めに、Google Photosで過去の写真をすべてクラウドに移行してみよう。
