予算確保
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3 min readJun 27, 2020
大学教員が在外研究に行くには、期間中に大学を離れてもよい承諾を得るのはもちろんのこと、予算が必要です。予算は大きく分けて校費(運営費交付金)か外部予算があると思います。
- 運営費交付金
使途が組織の裁量にあるもので、ここ最近はほとんど余裕がない予算。大学が計画的に教員を海外派遣しようとしているところでは、学内競争で権利獲得できます。
僕の以前の職場にもこれがあり、競争率は低かったのですが、行くとその後しばらく辞められない制約があるそうで控えていました。 - 個人で獲得する外部予算
自分で獲得した研究費を長期出張費に充てる。単年度に出張費だけで数百万円必要なので、経験が浅いうちは難しいです。
科研費の国際共同研究強化が良さそうなので、次回はこれに挑戦したいです。 - 組織が獲得する外部予算
職場が研究大学強化促進事業に採択されているのと、中期計画でグローバルキャンパスの実現:「外国人教員・海外で学位取得した日本人教員及び海外で1年以上の教育研究経験のある日本人教員の割合を70%以上にする。」という計画があるため、在外研究期間が1年に満たない日本人教員を積極的に送り出してくれています。
在籍3年目に声がかかって今回の在外研究が実現しました。
もらえた予算の内訳は以下の通りです。小学生の子供が2人いるので家族分の旅費も出ました。
- 航空賃実費額:約100万円
アメリカの地方空港まで2ホップして行きました。航空会社のWebページだと復路の日程を1年後に設定して購入できないので、日程変更を自由に変更可能(往復どちらともの設定しかない)なチケットを探すと400万円もしたので旅行会社に相談したところ、往路は固定で復路は変更可能なチケットを紹介してもらって無事に予算に収まりました。 - 移動に伴う日程分の日当、宿泊料:約10万円
前日に空港前で1泊して後は機中泊の旅程だったのですが、家族4人になるとこれくらいの金額になりました。 - 移転料、直後手当、扶養親族移転料:約140万円
ごちゃごちゃ項目がありますが、ざっくりいうと引越し代です。学内規定により職階と家族構成で金額が自動的に決まりました。 - 賃貸料:120万円(月10万円)
このような海外出張中の生活費補填は日当がよくある手段なのですが、それだと出し過ぎになるようで、この予算専用の規定で運用されていました。地域が甲乙丙にランク付けされていて、大都市じゃない北米だと乙になるのでこの金額でした。流石に安すぎると行く前に泣きついたら相場に合わせて$3000くらいまでは引き上げてくれそうだったのですが、最終的に物価の安い地域に行くことになって、10万円で間に合いました。
という訳で合計400万円弱かかりました。
北米で物価の高い地域に行こうとすると、例えば家賃$4000だとすると合計800万円は必要になります。先ほど紹介した科研費国際研究加速だと全部旅費に当てるわけには行かないので、他予算と組み合わせる必要がありそうです。