忘備録: PEZY Computing CEO 講座「収穫加速の法則」と「シンギュラリティ」に向けた進化の加速

写真: Ko Sasaki

本日たまたま日吉にいたら、最近WIREDでバズっていたPEZY Computing代表の齊藤元章さんが講演することを知り、せっかくなので講演を聴きにいきました。省エネスパコン2年連続世界1位だそうです。自身の忘備録のためにログをとったので、こちらに共有します。

記事❶: エクサスケーラー - 天才・齊藤元章の肖像 ( http://wired.jp/special/2016/motoaki-saito/?utm_content=bufferf3d21&utm_medium=social&utm_source=plus.google.com&utm_campaign=buffer )

記事❷: 日本人が覚醒することで、「シンギュラリティ」への道は拓ける(http://wired.jp/series/wired-audi-innovation-award/1_motoaki-saito/ )

記事❸: あと10年で、6リットルに73億人の脳が収まる:PEZY Computing齊藤元章が描く「プレ・シンギュラリティ」の衝撃 ( http://wired.jp/2015/08/25/motoaki-saito/ )

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講演者紹介: 特異点論者、前・"特異点"啓蒙者、医師(放射線外科医)、医学博士、医療診断装置・画像システム開発者、大規模半導体/プロセッサ開発者(21年目)、 自生大スパコン開発者(3年目)、次世代人工知能エンジン開発(1年目)

以下メモ

レイモンド・カールツワイツ「The Singularity is Near」という名書は是非ご一読ください!レイモンドさんは現在3冊の本を書かれていて、現在は「The Singularity is Nearer」を執筆中で、2018年に公開予定。

当時はソフトでやれることは限られていたので、自分たちでハードウェアの医療機器を開発していた。

元々スパコン作る気はなかったけど、東日本大震災をきっかけに事業経験を復興に活かすために日本に拠点を戻し研究開発に従事。

(2014年)スパコンGreen500では世界2位に

(2015年)世界1位を取るべく開発を加速- 4ヶ月で開発。性能密度は従来の4倍。2015年度、Green500の1-3位を独占。その後継続して1位を保持(*半年毎にランキングは更新される)。来年には猫の小脳と同じ機能レベルのスパコンを開発予定。

自身の哲学

基本、必要だけど無いものは自分たちでつくる。無いからやらない、というのは自分たちにとって論外。他でやれるものは基本的にやらなくてよいというスタンス。自分たちでしかできないものをつくろう。

「ムーアの法則」と「収束加速の法則」

  • ムーアの法則:「18ヶ月毎に、半導体に集積できるトランジスタ数が2倍に」
  • 一個の半導体チップではなくシステムレベルでは、大賀片してきたこともあって「1年間で2倍」の性能向上となっている
  • 「ムーアの法則は終焉する」、何度も言われながら、1965年来50年以上も法則が維持されている。
  • ムーアの法則は「収束加速の法則」の一部でしかない
  • 「収束加速の法則」米国の発明家レイ・カーツワイルが提唱した、一つの重要な発明は他の発明と結びつき、次の重要な発明の登場までの期間を短縮し、イノベーションの速度を加速することにより、科学技術は直線グラフ的ではなく指数関数的に進歩するという法則。および、彼がこの法則について言及したエッセイの表題。伝統的な収穫逓減あるいは限定的な収穫逓増と対比する概念として提唱している。

「収束加速の法則」

金利の例で考える

金利5%、50年後は10.9倍

金利60%、50年後は160億倍

金利100% (1年後に2倍)、50年後は1126兆倍!

直近50年間で1年2倍の性能向上が確認される。→今後50年間で少なくとも1000兆倍

現在、スパコン上位の性能はスマホの役3万倍の性能→15年後のスマホ端末の性能はそれとほぼ同様

2021年には1126兆倍

「収束加速の法則」と「シンギュラリティ」

カールワイツはシンギュラリティは2045年と予測。2030年がシンギュラリティ元年と予測する日本起業家も。

シンギュラリティへとつなげる技術革新

  1. Deep Learning
  2. 核融合の新エネルギー
  3. 老化のコントロール(不老)
  4. 衣食住フリー(不労)

最終的にシンギュラリティに到達すると、上記のような事象が同時多発的に起こる。

現在人類の平均寿命推移

近代ヨーロッパ人(1700年?): 37歳

近代アメリカ人(1900年): 47歳

現代アメリカ人(2002年): 80歳

平均寿命のグラフがどんどん垂直化に...(理論上)10-20年以内には寿命が無限大になる...不老の解明と実現も近い将来に?

次世代スパコンの意義と必要性

「100年かかる計算が1年でできるからすごい」ということの他に「100倍複雑な計算ができる」ことである。(ラットの脳が100倍高速になっても、知性レベルが上がるわけではない。)

例: (将来的に)小型熱核融合炉全体をスパコン上に構築し、詳細なモデリングと、繰り返しシミュレーションできる→Freeエネルギーに繋がる。

例2: 常温核融合(凝縮集計核反応)にもスパコンを既に導入

例3: 次世代植物工場の潜在性- 現在、管理するための電力のせいで赤字状態→スパコンでエネルギー・フリーの環境を達成すると、黒字状態でさらなるスピードで、さらなる量を確保できる。

次世代スパコン能力は、国力のほとんどを支えるほどに考えていたのだが...AIとスパコンを掛け合わせた場合、

仮説の立案(AI)↔︎仮説の検証(スパコン)

という反復がさらに指数関数的に加速化され、人間が気づかない理論や本質を見出せる。(日単位で数百万のパターンをAI x スパコンが構想する世界が実現する?)

高次な仮説は人間では不可能だが、進化したAIでは可能。

つまり、AI x スパコンが最強の科学技術基盤になる?→AIがノーベル賞をとる日が来る!?

今後の「医療革新」に関する予測

  • AIスパコンが、人間の意志の診断能力を上回る
  • “”が、既存役の新しい効能を発見
  • “”が、新たな診断基準を発見
  • “”が、新たな治療方法を発見
  • “”が、新たな病気を発見
  • “”が、病気の概念の再定義
  • “”が、生殖・成長・老化・進化の秘話を解明する
  • “”が、医療と生命科学の概念を再定義
  • “”が、生命体のリデザインを進める (これ、10-15年後の話)

新しい遺伝子治療が医療を激変させる

外来遺伝子の導入がない・編集制度の容易さの次元が違う・編集結果を得るまでの時間がほぼゼロに

CRISPRに代わる遺伝子入替、はるかに治療に適した配列は、今後、AIが無限に見いだすことが確実で、その効果は無限大である。

中国のスパコン事情

今、スパコンの世界は中国が圧倒的ポジションに。今年は世界1位しかもほぼ中国純正。

中国は運用台数でも圧倒的世界一に。(アメリカとも今後圧倒的な差を)

中国は次世代スパコンを3台平行開発

現在のPEZYの取り組み

小型液浸スパコンで性能向上→中国を抜かせるかも

現在開発中のZS-1.8 (Shoubu System B)

人間では到底不可能な新しい概念や理論の構築が可能になる。

シンギュラリティの本質的意味:

これまでの社会の仕組み、価値観、常識などのすべてが変革され、既存のすべての前提条件が成立しない状態で、さらにそこから先の進化を予測できない状態。

プレ・シンギュラリティ

人間の知能=スパコンの知能

社会的意義: 不老と不労の実現

情報基軸の6つの進化段階 (Ray Kurzweil)

第1の進化段階: 「原子と分子」140億年前

第2の進化段階: 「生命」40億年前

第3の進化段階: 「脳」25万年前

第4の進化段階: 「技術とコンピュータ」1000年前

第5の進化段階: 「技術と人類の知性が融合する」10-25年後

第6の進化段階: 「知性が宇宙に満ち渡る」???

「Singularな発想とVision」とは?

  • 物、エネルギー、情報→今後は??
  • 脊髄、脳幹、大脳辺縁系(感情)、大脳新皮質(知性・論理的思考)→今後は??
  • 感覚、言葉、心→この次は??
  • 原始コネクトーム、脳→この次は??

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