ニッポン景観論 アレックス・カー 著 ─ 日本の景観の悪さについて外国人目線からバッサリ切った良書

田舎に行くと素晴らしい自然が広がってるかと思いきや、ブルーシートとカラーコーンと数多の看板で台無しだから、地方創生のまえに掃除したほうがいいと思うんだよね。

2ちゃんのまとめサイトからネタもってくるのもあれなんですけどね。友達がさっきフェイスブックでこれをネタにしてたもので

まあこの1が何を言わんとしてるかはわからないでもない。納得や同意はし難いが、おそらく次のような意味合いではなかろうか?

僕は何度かカナダに行ったことがあるけども、あの国は日本の人口の1/3ほどしか居住していないのに、ご存じの通りあの圧倒的に広い国土面積を有しています。そういう意味での広さは感じますけども、日本だって南北にずいぶんと長い国土です。自然については日本もそんなに負けてはいないような気がしたんですよね。

ここは秩父のあれだな?ここはアルプスのどこそこ、という具合に、カナダを旅行しながらも頭のなかで日本の何かと置換することは結構可能なのです。もちろん規模や期間の違いはおおいにありますが、日本でまったく体験できない事柄というのは意外に少ないのではないかと。

バンフの街角で出会う野生のシカよりも、安芸の宮島で出会う野生のシカのほうが多いんですよ?ぜんぜん負けてない。

ところが景観に対する考え方で日本は全敗してますね。観光立国などと言ってますけど片腹痛い。ウサギやカエルの顔をしたガードレールなんなの!?それカッコイイの!?どうしてブルーシート敷くの?クロマキー合成でもすんの?砂防ダムなんなの?護岸なんなの?お金払って見にきたいの?

というのが、以下に紹介するニッポン景観論の内容です。Kindle版あり

新書のなかでもさらに一気に読めてしまうようなボリュームなので、通勤時間や新幹線などでスマホでさらっと読むにはちょうどいい書籍です。なにより著者のアレックス・カー氏が痛快かつ軽快にニッポンの景観を斬るさまは「そうそう、その通り」と頷かずにはいられない、大納得の一冊です。

ところで青ヶ島という伊豆諸島の秘境がありますけども

この上空から見たカルデラのなかにもブルーシートではないにしろ、青い色のものがちらほらと見えております。これおそらく京都市内なら条例違反ではなかろうか(笑)というレベルの景観意識の低さですね。

小池都知事の選挙公約に、東京オリンピックに向けて電線の地下埋設というのがありました。私とてもよく写真を撮る人間ですけども、電線があることでクソのような風景になることこそあれ、電線のおかげで良くなったことは一度もないです(もちろん印象的に木製の電柱が立ち並ぶ田舎道などであれば別ですけどもね)。

そういったオリンピックなどのイベントもひかえて、今後のニッポンの景観を考えるうえで、ひいては地方創生とその足を引っ張るド田舎の美観の低さなどを見直すきっかけとしても、本書はオススメしたい一冊であります。

ニッポン景観論 (集英社新書) 新書 — アレックス・カー (著)

追記:日経ビジネスのWebに、著者アレックス・カー氏の秀逸な景観コラージュがありますので、新書を読んでる暇もないという方でも、この記事の画像だけでもご覧いただければ、とても楽しめるかと思います。
この景色は「嫌だ」と思うことが大切です:日経ビジネスオンライン

    ジェットダイスケ

    Written by

    主にデジモノ紹介ビデオブロガーとして活動、アルファブロガーアワード2009受賞。国内外でテレビ・雑誌等の掲載多数。ビデオアート系の映像作家として受賞歴・海外上映なども有。日本で最も動画共有サイトの立ち上げに携わってます。Apple製品や映像関連の分野でライターもやってます。アパレル、ゲーム、Webのデザイン/作曲等も。

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