エンジニアの桂です。
ヒカカク！では Action Cable を運用しているのですが、 Rails 6 へのアップデートの際に例外が発生する事案がありました。その原因と回避策について紹介します。
現象
GCP の Cloud Memorystore を Action Cable の Redis サーバーに設定した状態で ActionCable.server.broadcastすると以下のような例外が発生した。
Redis::CommandErrorERR unknown command 'client'
発生箇所はこちら。
原因
Action Cable が Redis.new するとき、自動的に id を設定する。Redis::Client は id が設定されると Redis サーバーに client 命令を発行してその id を設定するが、 Cloud Memorystore は client 命令に対応していない。
回避策
エラー発生箇所のコードから、 Redis.new の際、 id に nil 渡してやると client 命令を発行せずに済むことが分かります。
Action Cable 曰く、
ということなので、ちょっと目的は違いますが、この値をパッチしてやります。
# config/initializers/action_cable.rbrequire 'action_cable/subscription_adapter/redis'ActionCable::SubscriptionAdapter::Redis.redis_connector = ->(config) do
config[:id] = "ActionCable-PID-#{$$}" unless config.has_key?(:id)
::Redis.new(config.except(:adapter, :channel_prefix))
end
これで config/cable.yml から id: null を渡してやることができるようになり、 client 命令を回避することができました。
# config/cable.ymlproduction:
adapter: redis
url: <%= "redis://#{ENV['REDIS_HOST']}:6379/0" %>
id: null
コントリビューションはじめました
id を明示的に null に指定しても強制的に上書きされるのは一先ずよくない挙動だということで、 Rails に PR を出しておきました。
