ビットコインマイナーの皆様への公開状

Jonald Fyookball
22 min readMay 27, 2017

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(Click Here for the English Version of “An Open Letter to Bitcoin Miners”)

ビットコインマイナーの皆様へ。

私はJonaldと申します。ビットコイン投資家をしております。

私が初めてビットコインを購入したのは2013年のことでした 。そして2014年3月以来、私はBitcointalkのフォーラムでの活動を続けてきました。私はまた小規模な事業を経営しており、そちらでもビットコインを送金のために実際に使用しています。それと、私はコンピュータサイエンスの学位を保有しています。

ビットコイン投資家とマイナーは成功のためにお互いを必要としています。ですので、私は「本物のビットコイナー」の心からのメッセージをお届けするために、これから皆様のお時間を少々頂きたいと思います。

最初に要点をお伝え致します:

私は懸念していることがあります。一刻も早くスケーリングソリューションを見つける必要があると考えており、そして一番良いソリューションはブロックサイズを上げることだと考えています

とにかく最後までお読み下さい。

私の話に耳を傾けるべき理由とは?

グレートスケーリング議論には多くの誤った情報、嘘や政治的目標がついて回っています。事態は深刻で、多くの物事が危機にひんしています。

私は特定の権益の恩恵を受けているわけではありません。この公開状を書くことについて、誰からも報酬を受けていません。私はいかなるビットコインのプロジェクトにも貢献していませんが、しかしスケーリングの話題については暫くの期間追いかけていたため良く知っています。私は技術的な詳細について明確に理解するだけの知識を持っています。

私は議論のあらゆる側から出された論争を全て把握しました。そして私は正直で、公平で、検閲されていない、自身の現状についての理解を皆様にお伝えしたいと思います。

事の始まりから初めましょう

2008年、サトシ・ナカモトがビットコイン: P2P電子マネーシステムと題された論文を発表しました。こんな誰もが知っていることを書くのは、論文の題名を再確認する必要があったからです。なぜなら今日、ビットコインの最も基礎的な側面にさえ疑問が投げかけられているからです。ビットコインは本当に「現金」であるべきなのでしょうか、それとも「デジタル金」であるべきなのでしょうか?また、私達がサトシの計画に従う場合、ビットコインは本当にP2Pとなるのでしょうか?

こういった疑問は中立的な立場からの質問には余り見られず、むしろバイアスのかかった議題において見られます。こんなことは数年前には考えられなかったことですが、しかし現在では多くの事柄が政治問題となってしまい、特定の人々はビットコイン・ホワイトペーパーの書き直しを求めてさえいます。

(歴史の修正の試みはいつだって傲慢なエリート層が好む手段なのです。)

ビットコインをスケールすることに対するサトシのビジョン

あなたがスケーリングの議論の「どちらの側」についているかに関わらず、次の点については異論がないことでしょう。すなわち、サトシは常にシンプルでオンチェーンなスケーリングを計画し、提唱していたということです。

ビットコインをVisa並のレベルにスケールする方法について問われた際、彼は以下のように述べました:

ネットワークがその規模に達するはるか以前なら、ユーザーは二重使用のチェックのためにSimplified Payment Verification (セクション 8) を使用しても安全です。これにはブロックヘッダーのチェーン、言い換えると1日に12KBしか必要としません。ネットワークノードを運営する必要があるのは、新しいコインを作り出そうとしている人々のみです。 最初のうちは多くのユーザーがネットワークノードを運営するでしょうが、ネットワークが成長し特定の点を超えると、徐々に専用のハードウェアのサーバーファームを持つ 専門家たちの物となっていくでしょう。サーバーファームが必要とするネットワーク上のノードは1つだけで、残りのLANはそのノードに接続されます。
帯域幅は皆さんが思われるほど大きくないかもしれません。一般的なトランザクションはおよそ400バイトになります (ECCは申し分なくコンパクトです)。各トランザクションは2回発信されなければならないので、トランザクション1回あたり1KBと言って良いでしょう。Visaは2008会計年度では370億回のトランザクションを処理しました。これは言い換えると1日あたり平均で100万回になります。
これほど多くのトランザクションは100GBもの帯域幅を使用します。これは言い換えると映画のDVD12本、HD画質なら2本に相当し、あるいは現在の価格で18ドルに相当する帯域幅となります。
ネットワークがそれほどに大きくなるには数年を要します。それまでには、HD画質の映画2本をインターネットで送ることは大したことではなくなるでしょう。
サトシ・ナカモト

ソース

厄介なことに、このサトシの発言から単純に引用した文章は、r/bitcoinのredditのページでは和らげられて (削除されて) います。検閲問題については後ほどまた触れます。

別の重要な事実としては、現在のブロックサイズの上限である1MBは一時的な物として意図されていたことです。このことは議論が政治問題となる以前、「誰もが」知っていたことです。

最初期のコードレビュアーの1人であるレイ・ディリンジャーは、彼とハル・フィニー、そしてサトシは全員、この上限が一時的な物であることに合意していたと説明していました

また、上限を上げる方法はサトシの有名な引用で説明されています:

例えば以下のように実行できます:

if (blocknumber (ブロック数) > 115000)
maxblocksize (最大ブロックサイズ) = largerlimit (より大きな上限)

こちらからサトシがEメールでマイク・ハーンに行った説明を見ることができます。なぜビットコインがスケーリングの上限に達したことが無かったかについて説明されています。

確かに、サトシは神ではありません。彼の権威に訴えたいわけではなく、単にビットコインはその始まりから常にスケーリングの計画と共にあったことを思い出そう、という話なのです。

…けれども「コア開発者たち」には他のアイディアがあるようです。

ビットコイン・コアの現在の開発者たちの経緯については他所で要約や描写がなされています

不毛なスケーリング会議、破られた香港合意などについてこれまで色々な説明がなされてきましたが、彼らの何年にもわたる振る舞いから (彼ら自身の言葉からでさえも) 誰にとっても大変明らかなことは、コアグループは単にブロックサイズを上昇させてビットコインをスケールしたくないと思っているということです。

実のところ、彼ら (とその支持者たち) は持てる力の全てを使ってブロックサイズの上昇を阻止してきました。その中には大規模な検閲の実行も含まれています

彼らの主な主張は以下の通りです:

  1. 上限を上げることには問題があります。なぜならそのためにはハードフォークが必要となり、そのための調整を行うのは困難だからです。
  2. ビットコインのノードは出来る限り安価に運営できなければなりません。そうでなければビットコインの分散化が危うくなるでしょう。
  3. ブロックサイズが制限されていない場合、報酬額 (ブロック報酬) が減ったらビットコインが安全ではなくなります。

これらの主張はどれも、ブロックサイズの上昇を止めるほどの十分なメリットを提示できていません。

私はこれらの主張に全くメリットがないとは言っていません。人生で100%白黒に分けれるものなんてごく少数です。けれどもこれらの立場から生ずるメリットは他の選択肢や、ビットコイン生態系における他の要素と比較されなければなりません。

1つずつ見ていきましょう:

「ハードフォークは危険」という迷信

これは2014年から2015年にかけての主要な話題でした。しかしながら、事実としてはハードフォーク (HF) は必ずしも危険ではありません。特に、明確に大多数のハッシュパワーの持ち主達がアップグレードされたコンセンサスルールを支持している場合は危険ではないのです。

ギャビン・アンドレセン、ジェフ・ガージックおよびマイク・ハーンといった以前の開発者のグループは、全員ハードフォークを伴うビットコインのアップグレードを支持しています

当初は、議論は新しいブロックサイズ上限を2MBか、4MBか、それとも8MBにするかという点についてでした。マイナーの間で発生した小さな意見の違いは、どういうわけか雪だるま式に大きくなって影響力の強いミームと化してしまい、スケーリングに対する合意を形成することは難しくなってしまいました。

開発者たちはハードフォークについての自分たちの意見を述べ始め、このことが更なる摩擦を引き起こしました。 ええ、自分が論争の当事者であるなら、論争が起きていると主張するのは簡単でしょうとも!

コア開発者たちは公式には指導者やガバナンス構造を持っていませんでした。このため、自分たちが無為無策であることを正当化するのは簡単でした。ただ話の締めに「合意が成されていない」ともってくれば良かったのですから。また、彼らはリファレンスコードのレポジトリを管理していたため、彼らが上限の上昇を拒否することは他のあらゆる人間にも影響を与えました。

実際には、コア開発者たちの間には指導者が居ました。そうでなければどのようにして、実質的に何の公開議論もなしに、Segwitがコードに (例えアクティブになっていないとしても) 統合されたことの説明が付くというのでしょう?

余談ですが、主要なコア開発者たちは、コア開発者たちがどのコードが公表されるか決定しているのではという話を否定しており、また自分たちの中に指導者がいることも否定しています。このことは毎日生み出されている絶え間のない誤情報の一例です。

HFの問題に話を戻します:

モネロのような多くのアルトコインでは定期的にハードフォークが行われます。生態系における主要なプレイヤー達の間で連携することは、全員が共通認識を持っていれば大した困難ではありません。

これまで私は、ハードフォークを通じてネットワークのアップグレードを行ってきたアルトコインで問題が起こったという話を1つも聞いたことがありません。ですので、安全に行うことができるという証拠はあるわけです。

更に、もしコア開発者たちが彼らのロードマップにおいて将来的にブロックサイズを上昇させる必要があることを認めているのならば、なぜそうすることをひどく求められている今、行わないのでしょうか?今行うことが将来行うことよりリスクが高いという、論理的な理由は存在しないのです。

分散化の迷信

分散化の問題を取り囲む迷信は実際には幾つか存在します。分かりやすい物に目を向けてみましょう:

最も馬鹿げた物は「全てのユーザーがフルノードを運営するべき」という考えです。

他の方々が説明されてきたように、マイニングを行っていない「フルノード」からはネットワークにセキュリティは提供されません。マイニングを行っているノードのみがビットコインの分散型元帳を守り、拡張するのです。

ホワイトペーパーはなぜ殆どのユーザーはフルノードを運営する必要がないかを説明しています:
フルネットワークノードを運営しなくても、支払いを検証することは可能です。ユーザーはただ、最長のチェーンを入手できたと確信できるまでネットワークノードに対して要求を行い、得られた最も長いプルーフオブワークのチェーンのブロックヘッダーのコピーを保存しておくだけで、取引がタイムスタンプされているブロックへ取引をリンクするハッシュ木を得ることができるからです。ユーザーは取引を自身でチェックすることはできませんが、取引をチェーンにリンクすることで、ネットワークノードが取引を承認したことを確認でき、その次に追加されたブロックによりネットワークが取引を承認したことを更に確認できます… …頻繁に支払いを受け取る事業はおそらく、より独立したセキュリティとより素早い検証のために、それでも自社でノードを運営したがるでしょう。

多くのマイニングを行わないフルノードが (マイナー達に確実にきちんと行動させることができるので) ネットワークをより分散化した物にするという考えは間違っています。なぜならSPVクライアントは既にネットワークのノードに要求することができるからです。一般的に、マイニングのノードの大多数で共謀して不正を行うようであれば問題にしかなりませんし、そんなことが起きるようならビットコインは既に破綻しているでしょう。

より根拠のある心配としては、ノードがより高額になっていくことで、いずれ大企業のみがノードを運営するようになっていくことです。ネットワークが成長するにつれ、ノードの費用も上昇することは事実です。しかし、ストレージ、帯域幅、そして処理能力もまた常に上昇し続けています。

同じぐらい重要なことがあります: 処理能力が仮に3TPS (1秒あたりのトランザクション) から 30TPSまで上昇する頃には、ネットワークはとても大規模な物となり、今よりも分散化されなくなる可能性は、例えノードの運営費用が高額になったとしてもあまりないでしょう。

3000TPSになる頃には、ビットコインは世界的に大変優勢になっているでしょうから、世界中の何百万ものデータセンターとサーバーを使えるようになっているでしょう。こういったことは常に計画の内にあったのです。

ビットコインの別のビジョンはもっとひどい分散化のリスクを抱えている

多くのユーザーは、小さなノード/小さなブロックをビットコインで使用するビジョンが伴う分散化のリスクに気付いていません。コア開発者たちのビットコインに対するビジョンは、P2P電子マネーシステムをある種の決済ネットワークへと変えることなのです。

このやり方ではノードの費用を最低限に抑えることができますが、大多数のユーザーがメインチェーンから締め出されることになります。なぜなら費用の面で組織に太刀打ちすることができないからです。彼らは信頼できる第三者期間から取引の許可を得なければならなくなるでしょう。

私の意見では、これは大きなブロックと高価なノードの場合よりも、もっと危険な形での中央集権化になると思います。

手数料市場の失敗という迷信

小さなブロック主義についての第3の主な主張は、いずれブロック報酬は尽き果て、マイニング手数料がセキュリティ費用捻出の唯一の手段となるのではということです。彼らはそれゆえにトランザクションスペースの供給を制限しなければ、マイナー達はコモンズの悲劇による値下げ競争にどうしようもなく囚われてしまい、ユーザーは最低限の手数料しか払わなくなり、商業的マイニングの崩壊へとつながると主張しています。

この主張には幾つかの問題があります。
まず第一に、この世界ではあらゆる商品、サービスについて自然に市場が形成されるということです。これまで多くの値下げ競争が発生してきましたが、需要の高い物が生産されなくなるなんてことはありませんでした。

ネットワークのハッシュレートがいずれ低くなりすぎるのではないかという懸念は、日毎のトランザクション数、確認を待とうというユーザーの意欲、少額を支払おうというユーザーの意欲、マイナーの振る舞い、様々なウォレットが設定した手数料方針、マイニングのコミュニティによる許容できる手数料のエマージェントコンセンサスといった幾つかの仮定と変数、および「低すぎる」ネットワークハッシュレートとはそもそも何なのかといったその他の要因を基にしています。

自然手数料市場の想定される失敗が起こるのは、これらの仮定全てが合わさって好ましくない結果を招き、かつシステムがこれらの要因のうちのどれを使用しても事態に好ましく適応できなかった場合です。

しかし、この論点が戯言だと言えるはるかに大きい理由は、報酬の大部分が実際に無くなるにはあと何十年もかかるということなのです。

純粋に愚かなこと: 未来に対して不必要な計画まで行う一方で、現在の差し迫った課題を無視する

なぜビットコインを20年から30年のうちに助けるかもしれないが、現在のビットコインのユーザー体験を損ない、採用やネットワークにおける影響を減らさなければならない計画を実行するのでしょうか?

ビットコインの場合、そこまで未来のために計画を行う必要はありませんし、破滅的な結果は既に視野に入っています。

このことがコア開発者たちの立場が擁護できないと考えられるべき最大の理由なのです。例え彼らの主張にメリットがあったとしても、ビットコインが今健全であることを維持し、競争力を維持し、ユーザー基盤の成長を維持することの方が、後々起きるかどうかも定かでない問題を防ぐことよりも重要なのです。

なお悪いことに、それらの予防策は短期目標に対しては真逆に働いてしまうのです!

これは休息を大いに必要としている病院で寝たきりの患者に対し、すぐに外に出て何周もトラックを走ってくるよう要求し、その理由が「運動はあなたの寿命を延ばすから」であるのと同じぐらい気の狂った話です。

Segwittはどうなっているのか?

私の理解では「香港会議」において、マイナー達はSegwitと、加えてハードフォークによるブロックサイズの上昇に合意していました。なぜなら彼らはコアチームが適切な時期に満足のいくスケーリングを提供できると十分に信用できなかったからです。

私は彼らの判断は賢いと思います。コア開発者たちは信用できません。しかし、もしコア開発者たちが今日考えを変えて、2MB+のSegwitに同意するのなら、行き詰まりを打破するための妥協として私もそれを支持するでしょう。

彼らはそういったことをする気はないようです

マイナー達がSegwitt自体を受け入れたがっていない以上、またコア開発者たちが妥協したがらない以上、唯一の論理的な代替案はより大きなブロックです。それはどんな場合でも最善の選択肢です。

コア開発者たちの望む物

こう疑問に思うかもしれません: ビットコインコア開発者ほどの賢い人達が、どうしたら自分たちの考えにおける明確な誤りを見過ごしてしまうのでしょうか?

アメリカ人著者のアプトン・シンクレアの有名な引用が思い出されます:

何かを理解しないことで給料をもらっている人に、その何かを理解させるのは難しい!

コアチームとその支持者たちはビットコインを決済ネットワークへと変えたがっています。彼らはそれを否定するでしょうが、しかし私の意見では、彼らの行動全てがこの論理的結論を指し示しています。

このことが彼らがオンチェーンスケーリングに反対する理由であり、またSegwitが提供するオンチェーンスケーリングの規模を可能な限り小さくし、「HFは悪い」という話を支持している理由でもあります。

更に、私は彼らが主要な人物を雇ったり、様々なプラットフォームにおける彼らの提携ポリシーや中庸ポリシーにより、 また大勢のトロルにより、世論を操作したがっていると考えています。

彼らはまた自分たちに協調しない事業を脅し、ひどい目に合わせています。For example,例えば、 coinbase.comはコアのクライアントの代わりにビットコインXTを支持したために、bitcoin.orgのリストから外されてしまいました。

こうしたペテンにも関わらず、多くの企業がより大きなブロックやオンチェーンスケーリングを支持しています

最も重要なことは、彼らはあなたやマイナー達を怖がらせ、コミュニティは大きなブロックをそこまで求めておらず、もしあなたが大きなブロックを採掘するようなら、あなたは価値のないコインへと分岐させられ、価値のなくなったASICを持て余すことになると信じ込ませようとしているということです。

彼らにあなたを脅させてはなりません

ユーザー達の望む物

殆どのユーザーはただビットコインが機能することを望んでいます。彼らは確認に時間がかかったり、手数料が高いことを望みません。ビットコインを頻繁に使用する殆どのビットコイナーは問題を理解しており、より大きなブロックを支持しています。

トローリングやプロパガンダがあったにも関わらず、実際にコインを管理しているユーザー達の大多数はサトシのスケーリング計画に賛成票を投じています

「健全な手数料市場」は既に不健全である

例え中央計画型の手数料市場が現在においては良いアイディアであったとしても、その運営はうまくいっていません。「健全な」手数料市場は適切な手数料報酬を提供し、その一方で同時に良質なユーザー体験を提供できるように励み、ネットワークとユーザー基盤の成長を促さなくてはなりません。

マイナー報酬は確かに適切かもしれませんが、ユーザー体験は遅い確認と高い手数料によりひどく劣化しています。こういった事は間違いなく魅力的とは言えませんし、ユーザー基盤の拡大にも寄与しません。

ブロックサイズを1MBに維持し続けることが、手数料市場がどのように展開するかを見るための実験だったとするなら、既にその利用価値は失われてしまいました。手数料を他のコインと競争できるレベルに維持するためには、供給が需要に追いつかなくてはなりません (ブロックサイズを上げなければなりません)。けれども開発者たちはそうすることに全く興味がないようです。彼らはユーザーに貢献するよりも、自分たちの計画を遂行したいのでしょう。

価値保存手段、または「デジタル金」としてのビットコインはどうなのか?

ビットコインの素晴らしい点は、通貨のような支払いシステムであると同時に、金のような価値保存手段でもあるということです。これら2つの側面は互いを高めあっています。

ビットコインは電子マネーとしてスケールすることは出来ないというプロパガンダに晒されてしまった一部のユーザーは、「それで構わない。デジタル金としてのビットコインだけで満足だ」と言っています。この考え方の問題は、ビットコインは競争をしているということです。

もし他のコインが価値の保存に役立ち、かつ取引を安価に行えるのなら、そのコインによりビットコインの投資家に対する魅力は大いに損なわれるでしょう。同時に、実際の使用に対する需要も大きく削がれることになります。

確かに、ビットコインが何らかの形でデジタル金として生き残る可能性はあります。しかしその際は大いに不利な立場に置かれるでしょう。

小さなブロックはマイナーの報酬を損なう

一見しただけでは、小さなブロックはマイニング報酬にとって良くないという考え方は間違って見えるかもしれません。なぜなら手数料レートは最近、ビットコイントランザクションの需要がブロックのスペースの供給を上回ったために大幅に上昇したからです。

しかし、この傾向はそう長くは続きません。なぜならユーザーが支払う量には限りがあるからです。同時に、新規のユーザーや新しい需要が生態系から締め出されてしまいます。

以下のように喩えられます: 誰がより多くお金を稼ぐでしょうか。1頭の牛から絞った牛乳を売っているA町の農家か?それとも8頭の牛から絞った牛乳を売っているB町の農家か?A町の町民は牛乳瓶1本分の支払いをより多くするかもしれませんが、支払う量は限られています。彼らは何か他の物を飲み始めたり、牛乳を飲む回数を減らしたり、あるいは他の町から牛乳を仕入れるようになるでしょう。

ブロックが1MBに制限されるなら、ビットコインマイナーはユーザーが合理的に支払いたいと思える手数料では絶対に需要を満たすことができません。そしてユーザーは満足のいく代替品を見つけ、その代替品はすぐに普及していくでしょう。

もしコア開発者たちが「セカンドレイヤーソリューション」を作れるようになるなら、状況は長期的にはより悪化するでしょう。なぜならそういったソリューションはおそらく無料ではなく、彼らはユーザーが取引を行うために支払っても良いと考えるお金をますます吸収するようになるからです。

それはマイナーにとって不都合ですし、ネットワークセキュリティにとっても不都合です。そんなことになればビットコインの競争力はますます失われ、生態系からお金が離れていってしまうでしょう。

価格は常にファンダメンタルズに遅れをとる

ビットコインの高い価格を見て何もかも上手く行っていると思うのは簡単です。物事が悪い方向に向かっているというのなら、なぜ価格が下がっていないのでしょう?

しかし、価格は短期においては常に潜在的な市場のファンダメンタルズを反映しているわけではないのです。

長期的には、ファンダメンタルズは常に市場の方向を支配します。デイトレーダーは1日の終わりには持ち高ゼロになります。相場師は絶えず入れ替わります。最後には、長期投資家と非投機的な需要のみが価格を決めるのです。

ビットコインのファンダメンタル価格は主にその支払いシステムとしての利便性から来ています。システムが便利でなくなれば、ビットコインの価値も失われます。

行動の時です。ビットコインが再び成長するための力になりましょう。

どんな場合でも問題は大きくなりすぎる前に解決した方が良いです。よく言われるように、「1オンスの予防は1ポンドの治療に匹敵する」のですから。

ビットコインが通貨として使えなくなり、その価格が暴落するまで待つようでは遅すぎます。その頃には既に勢いや市場シェア、ユーザー、評判、そしてマーチャントを大いに失っているでしょう。

これは既に起きつつあることです。しかしまだ行動のための時間は残されています。

私はあなた方に呼びかけます: 無関心でいてはいけません。

あなた方はマイナーです。あなた方には力があります。今日からより大きなブロックについて知らせることを始めましょう。そしてビットコインが№1だと確実に言えるようにしましょう。

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あなたがマイナーでなく、しかし私のような関心を持った投資家ならば、どうかこのメッセージを広く伝えて下さい。そしてマイナーやプールに、あなたがより大きなブロックの話について知っていると尋ねてみて下さい。

 by the author.

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