★愛想笑いと勘違い

インドカレーで有名なとあるバーで、常連と思わしきおじさんが、ずっと店主にカレーについて語り続けていた。街によくあるナンのカレーはネパール人がやっているインチキだとかそんな話だ。最近インドの文化にも興味があるんだよねとか言って、民族対立の話やヒンドゥー教の神様の名前を出して満足している。そんな情報は本当に気になるならgoogleで一発で入手できるというのに。

一人で店を切り盛りする店主の女性も、常連客を無視するわけにはいかないから、忙しそうに料理を作りながら一生懸命常連客の話に相槌を入れているのだが、さすがにちょっと参っている様子。でも常連客はその相槌を自分の話を聞いている証拠だと勘違いして、知識自慢はエスカレートするばかり。しまいには今度どこどこの店がテレビに取り上げられる予定だとか、すっかりカレー界を取り仕切るような物言いをする。

読書会に参加していたときにもこういうおじさんにはよく出会った。作者の生い立ちのようなgoogleで調べただけの知識を語って悦に入る。みんなとりあえずウンウンとうなずくし、とくに女性は(内心はともかく)共感を示すことが多いので、おじさんはそれを勘違いして嬉しくなって、ますます語り出すという展開。こういうのに限って、声がでかいのもどこでも同じらしい。

常連客に連れられてきたと思われる数人の中年女性は、完全に放ったらかしにされて、つまらなさそうに黙々とカレーを食べ続けていた。そんな彼女たちも、後で食べログに「おいしかったぁ〜♪」なんて書くのだろうか。

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