ZoomのProアカウントでYouTube Liveに配信する方法
こんにちは、かめねこです。
テレビ会議サービスのZoomには、YouTube Liveなどいくつかのストリーミングサービスにテレビ会議の様子をストリームする機能があるので、これをご紹介します。
なお、本記事で取り上げている方法は2020年4月15日時点の情報です。将来的にZoom、YouTube等の仕様変更により使えなくなる可能性があります。
2020年5月25日 追記
OBS Studioを利用したよりリッチな配信を実現する方法の記事を書きました!簡単に配信するだけでなく、かっこいい配信を実現したい方もぜひご一読してみてはいかがでしょうか?
はじめに
Zoomには、Webinarオプションがあることを知っている方は多いでしょう。これは、プレゼンターと参加者とロールを分けてミーティングに参加することができるもので、参加者は聞き専として構成することができます。しかし、この機能は無料アカウントでは利用できず、さらには有償のProアカウントと別途オプションを購入しなければなりません。
しかし、実はZoomにはProアカウント以上であればYouTube Liveなどのストリーミングサービスに配信する機能があります。これを使うことで、プレゼンターと運営はZoom、参加者はYouTube Liveに分けることができます。また、OBSなど別途ソフトウェアを使う必要が無いため、シンプルに配信を構成することができます。
ということで、今回はZoomからYouTube Liveに配信する方法をご紹介します。なお、注意点としてOBSなどを利用したリッチなスイッチングや待機ページ、文字の埋め込みなどはできません。あくまでも、シンプルに配信することができるということで、運用とのトレードオフと捉えていただけると幸いです。
シンプルに配信する
必要なもの
- Zoom Proアカウント
- YouTube Liveが利用可能なGoogleアカウント
下準備
Zoomからストリーミングサービスへ配信するために、一部設定を変更します。以下のリンクよりZoomのアカウントページへログインします。
ログインしたら、左のメニューから「設定」を選択
「ミーティングにて(詳細)」セクションの最下部に「ミーティングのライブストリームを許可」が存在しますので、これを有効にします。
併せて、「YouTube」と「カスタムライブストリーム配信サービス」にチェックを入れ、保存します。
以上で下準備は完了です。
配信する
通常どおりミーティングを開始します。なお、このミーティングは上記の設定を変更したProアカウントがホストとして開始する必要があります。
ミーティングが開始されると、メニューバーの「詳細」に「YouTubeにてライブ中」と「カスタムライブストリーム配信サービスにてライブ中」が現れます。
まずは「YouTubeにてライブ中」をクリックします。
以下のようにGoogleアカウントのログインが求められるので、任意のアカウントでログインします。
続けて、ストリームを開始するYouTubeアカウントを選択します。
内容を確認し、Googleアカウントへのアクセスを許可します。
許可をすると、以下のようにストリームの設定になります。「YouTubeでのZoom ミーティングタイトル」に配信の動画タイトル、「プライバシー」で公開範囲を指定できます。
- パブリック: 全体公開
- リストされていません: 限定公開?
- プライバシー: 非公開
設定したら、「ライブへ」をクリックして配信を
配信のセットアップが進み…
自動的に配信ページへ移動します。すでに配信が開始されているようです。
以上でZoomからYouTube Liveへ配信することができました。
このとき、Zoomのクライアントでは画面左上に「LIVE」アイコンがでており、このようにライブへのリンクが作成されました。配信を行っているホスト以外のメンバーは、ここから配信ページへ飛ぶことができるようです。
また、YouTube Studioのライブの設定画面を確認すると、以下のようになっているようです。
- DVRは有効
- 遅延は「通常の遅延」
また、私の環境では音声のビットレートが推奨値より若干低いようです。
スケジューリングされたストリーミングに配信する
YouTube Liveでは、予めストリームをスケジュールすることができます。もしくは、遅延などを超低遅延に変更したい場合も、予め自分でエンコーダを作成しておく必要があります。これに対してZoomから配信する方法をご紹介します。
配信ストリームの作成
まずは、YouTube上でエンコーダを作成します。ストリームを開始したい任意のアカウントでYouTubeにログインし、ページ右上の「作成」から「ライブ配信を開始」をクリックします。
通常の配信と同様、エンコーダの設定を行います。もしも予め日付を指定したい場合は、「後でスケジュール設定」を有効にして日付と時間を指定します。
これで、エンコーダの作成は完了です。ストリームキーセクションにある「ストリームキー(エンコーダに貼り付け)」と「ストリームURL」を控えておきます。
併せて、配信ページのURLも必要なりますので控えておきます。画面右上の「Share」ボタンからURLをコピーします。
Zoomミーティングから配信する
作成したエンコーダに向けてZoomから配信します。先程の手順と同様に、ミーティングを作成し、今回は「カスタムライブストリーム配信サービスにてライブ中」をクリックします。
以下のようにストリームの設定を行う画面に自動で飛びます。それぞれ、以下のように変更します。
- ストリーム配信のURL: 先程控えた「ストリームURL」
- ストリーミングキー: 「ストリームキー(エンコーダに貼り付け)」
- ライブストリーム配信ページのURL: 先程控えた「配信ページのURL」
それぞれ入力して、「Go Live!」をクリックします。
ライブストリームがセットアップされ…
自動で配信ページにリダイレクトされます。
この状態ではまだ配信が開始されていないため、YouTube Liveの設定画面から「ライブ配信を開始」をクリックして配信を開始します。
以上で、無事配信ができました。こちらのほうが予めスケジュールすることができるので、勉強会の開催などではこちらを利用するのではないかと思われます。
なお、カスタムライブストリームでも、Zoomの画面上にライブ配信ページへのリンクが作成されています。
終わりに
Zoomにこんな機能があることを知らなかったのと、予想以上に簡単に配信できたのでびっくりです。ただし、柔軟なスイッチングや待機ページなどの作成はできないため、あくまでも運用重視というケースにマッチングしていると思います。もう少しリッチな配信をしたい場合は、やはりOBSなどを利用するしか無いかと思います。