VCアソシエイトの役割とマインドセット

Kanako Honda
Aug 24, 2017 · 8 min read

先週書いた “Role and mindset of a VC associate” の投稿を思った以上に多くの方に読んでいただき、フォロワー数1,000人の大台に乗るまでに押し上げてくれたので、きちんと日本語でも書いておこうと思い、今回初めての日本語での投稿をします。

正直日本語で長文書くのは苦手です。文才ない、語彙力ない、日本語怪しいの三拍子が揃ってますし、オーディエンスの方々はほぼ外人ですので、自分に甘んじてこれまでずっと避けてきました。とはいえ、日本で投資活動に参戦している以上このままでもいけないかなと思い、前記事の日本語訳に小ネタをプラスして今回投稿しようと思います。
※赤ペン必要な部分がございましたら、こっそり教えてください!汗

社内異動でベンチャー業界に入りました

ベンチャーキャピタル業に従事し始めて2年8ヶ月。この業界にいると多くの方が何かしらの野望や期待を胸にベンチャー業界に飛び込んでくる中、私は社内異動という形でYJキャピタルにジョインしました。

2015年1月以前までは、ヤフーショッピングの事業開発部門で流通総額を増大させる取り組みを考え検証する部署におりました。現カンパニー長の小澤さんに近い部署ということもあり、日々刺激が多く、自分の無能っぷりを認識することも多かったですが、大好きなショッピング事業に携われていたので仕事上での不満は正直何もなかったです。

なので、ある日突然小澤さんから社内メッセで呼び出されて、
「本田さん、投資興味ない?」とYJキャピタルへの出向内示を受けた時は衝撃を受けました。そもそも「ベンチャーキャピタルって何ですか?」という状態だったので、私はどこに飛ばされてしまったのだろうかと困惑し「はい」以外の回答を言えた記憶がありません。

ベンチャーキャピタルの情報って少ないですね

内示通知を受けてからベンチャーキャピタル情報を収集した時、ネットに情報があまりないと思った記憶があります。体系だった説明やパートナークラスのインタビュー記事は見つかるものの、私と同じくらいの年齢の所謂アソシエイトクラスの情報が本当になく、自分がどう活動すべきか当初本当にわからなかったです。幸いにも英語が読めたので、シリコンバレーの名門ベンチャーキャピタルで働いているアソシエイトの個人ブログが一番イメージがつきやすく、役に立ったのを覚えています。

かれこれ数年アソシエイトとして活動しているとベンチャーキャピタル業界は、多くの経験や学びが個人に蓄積され、それらが人から人へ伝授される業界なのだと学びました。投資なので、誰もが共有するロジックが存在しているわけではななく敢えて文字に起こしてネットで共有する意味もあまり無いのかもしれません。しかし、今後ベンチャー業界が盛り上がり多くの人が参入してくることを考えると、一例として個人の考えや経験談を共有することは、私のように入り口で路頭に迷う方に少しでも役に立つのではと思い、今回の記事を書くにいたりました。

ベンチャーキャピタルで働くアソシエイトはどうべきであるか

を私には一般化できませんが、この投稿が各々の一つの照らし合わせ材料として少しでもご参考になれば嬉しいなと思ってます。そして、もっとこうするといいかも等の議論をしていただける方がおりましたら、ぜひいつでもcoffee chatしたいです!

VCアソシエイトの役割

その1:ネットワーキング

YJキャピタルに入り初めて参加したイベントが2015年1月16日に開催されたKIGANでした。ベンチャーキャピタルではとにかくネットワーキングが大事だから色んな人と話すようにとパートナーの堀さんに言われ、ひたすら名刺交換をしようと思ったものの、開始1時間で名刺を箱ごともってくるべきだったと後悔したのを覚えてます。

とにかく人に会って話すのが仕事といっても過言ではないくらい、ネットワーキングは役職関係なくベンチャーキャピタル業務において重要です。しかもアソシエイトに求められているのは、パートナー陣がリーチできない領域に積極的にリーチすることです。パートナーの既存ネットワークに積極的に入っていってもあまり意味がないので、ファンドに価値提供したいのであれば、どの領域がファンドに欠けているか考えた上で行動するといいと思います。また、他にもアソシエイトがいる場合、お互いに領域を被らせずカバレッジを広くしておくと相乗効果が生まれてよりネットワークの価値が高まります。

CASE 1 よりCASE 2 のほうが断然ファンド全体のカバレッジとして◎

その2:新しい見方を提供

多くの場合、投資担当者は独自の投資戦略に確信を持った上で投資の意思決定をします。しかしその戦略に確信を持つに至るまでには、社内外で数々の議論が交わされてます。YJキャピタルにおいても、最終的な投資委員会の前に社内で議論する場が数回あります。そこでアソシエイトは単なるオブザーバー要員ではなく、パートナー陣にはない新しいものの見方や考え、意見を言うことにより多角的に案件を見る手助けをする努力が求められてます。発言內容に賛同を得られることは少ないかもしれないですが、そういった努力が長期的な目線で評価される要素にもなり得るのでイエスマン/イエスウーマンにならず、空気を読みすぎず、議論に参加することに徹するべきと考えています。

その3:パートナーのサポート

パートナーはとにかく忙しい。朝から晩までこんなに予定詰まるものなのかと思うくらいOutlook上で隙間を見つけるのが大変です。振り返ってみると、新規投資の検討から投資先支援、イベントでの登壇、ファンドの運用等などパートナーを必要とする事象がとにかく多いことに気づきます。そこでアソシエイトは時にはパートナーの手足となり、パートナーが自身のスキルセットを最大限有効活用できるようサポートする必要があります。多くの場合ベンチャーキャピタルは少人数精鋭で活動しているので、もしかしたらワクワクするような仕事でなくとも、そこは線引をせず積極的に行い、パートナーのスキルを盗むぐらいの気持ちでサポートすると面白さが見つかるかもしれません。

VCアソシエイトのマインドセット

その1:熱意がなければ辛い

ベンチャーキャピタルってなんかカッコよくて楽しそう!と良く言われます。確かにそうなんですが、変数がとにかく多く個人的にモチベーション維持が結構難しいなと思ったことが何回かあります。投資したい案件を投資実行までもっていけなかったり、パートナー陣を十分に説得しきれず自分の力量不足を思い知ったり、やることなすこと全てが空回りしたり、投資先にとって全く役に立ってないと実感したりと、人並みに壁にぶつかってきたと思います。

しかも業界としてキャリアパスは非常に不透明ですし、がんばった分だけ評価されるわけでもないです。キャピタルゲインを得られるまでベンチャーキャピタリストとも言いづらい環境で、ましてやアソシエイトは何を糧に働くのか。これは正直熱意以外私はないと思ってます。インターネットが大好きで、この数年で面白いゲームチェンジがあるという期待感がなければ私はとっくにベンチャーキャピタルを去っていますし、逆にこの熱意だけがあるからまだこの業界にいたいと思ってます。熱意なくしてVCアソシエイトは想像以上に辛い。というより想像できません。。

その2:スペシャリスト>ジェネラリスト

一緒に働いていると実感しますが、どのファンドのパートナークラスは自分のスタイルを確立されていて非常に優秀です。そういった方々と同じ土俵で戦っても100%勝てません。しかし何か特化して専門領域を持っていると、パートナー陣と対等あるいはそれ以上にその領域に対して深い考察を得られる可能性があります。経験がまだ多くないアソシエイトにとって、自分自身のブランドを確立することは必要要素だと思っており、ある領域で一番詳しくなることでそのブランドの確立に大いに役に立つと感じてます。

実務経験があるに越したことないですが、もし無い場合はその領域に詳しい人に学びながら自分自身の専門となるように動くのもありだと思います。もし誰か業界の人から学ぶのであれば、何かその人に返せるような努力は必要です。その何かは情報やネットワーク、あるいはやる気等自分が提供できる何でもいいと思います。どこの世界でもギブアンドテイクの精神は大事です。

その3:お金を持っている方が偉いのではない

ベンチャーキャピタル業界に入った当初、小澤さんに言われた言葉は未だに忘れず胸に留めてます。

ベンチャー企業に投資する立場にあるけど、偉いのは本田さん(お金をもっている方)ではなく、ベンチャー企業があるからベンチャーキャピタルが成り立つのであり、その関係は逆転しない。そこだけは勘違いしないように。

その4:辛抱強く基礎は身につける

上述した通り、ベンチャーキャピタルで働いているとあまりワクワクしない事務的な作業や書類作業が意外と結構あります。これらを頑張ったからといって良い投資ができるわけではないですが、始めの段階ではこれらの業務を通して投資全体(会社法、税務関連処理、ファンドストラクチャー等)を勉強することができ、本で学ぶより圧倒的に早いので、辛抱強く基礎を身につけることをおすすめします。きっと将来役に立つと思います。

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Kanako Honda

Written by

Associate @ DCM Ventures (Tokyo). Former associate at YJ Capital, a CVC of Yahoo Japan

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