六脚テントの話

私の職場は多種多様のイベントが開催される。気候のよい秋ともなれば尚更、マルシェ(雑貨市)から幼保の運動会まで六脚テントはフル稼動の状態である。
昨日はA地点からB地点まで、200mあまりの距離を移動する運びとなった。作業に携わる人員は8名。33脚を午前9時から12時までの間に移し終える計画である。
船頭多くの喩えの如く、如何にすればより効果的かの意見がそれぞれから出されたが、既に組まれているテントをそのまま運ぶのが得策との結論に至った、が。
8名いるのだから4名ずつの2班に分かれて四隅を持って運ぶのが良い、との意見が多数を占めたので、作業当初は4名で6脚テントを移動したのである。
ところがメンバーの体力差・体格差(身長や腕の長さで脚を持つ位置も変わる)を考慮に入れてなかったため、次第に移動する速度が鈍くなってきた。六脚テントは重い。1人にかかる過重は相当なものだ。日ごろ事務職などで作業に慣れない者、つまり私のように軟弱なヤツは、握力がなくなり、腕が上がらなくなった。
「そりゃ気合いが足りん」とか「根性ば出さんや」と囃したてていた腕自慢たちも、他が力を出せなくなるにしたがって自分側にも過重が寄りかかることに気づいた。結果、4人体制はかえって非効率ではないかとの意見が多勢を占めるようになった。
休憩を挟んで作業の後半は六脚をそれぞれ1人が担い、6人体制で移動したが、その方がよほど捗った。そしてどうにか午前中の間に無事33脚を移し終えたのである。
能率よく仕事を進めたい、手っ取り早く済ませたいとの思いが高じるあまり、一人に多くを担わそうとする。それが却って作業効率を低下させる事態を招く。頭数は必要である。人件費を削減し、人一人に過重な負荷を与えることで乗り切ろうとする企業経営および労務管理のあり方は再考されなければならない、と身にしみて思い知った一日でした。
あー今朝は筋肉痛たい。(10月12日)