ジャン=フィリップ・ラモー《優雅なインドの国々》

フランスのバロックオペラ、ジャン=フィリップ・ラモー《優雅なインドの国々》。

短編集のように、異なる場所’で起こる4つの物語が連なる構成。共通点は、どれも愛をテーマとしている点。初めと最後に全体を統括する部分がある。

異なる場所というのがトルコ・インカ帝国・ペルシャ・アメリカ大陸というところがなんとも当時の認識を表している。今の認識からすれば、これらの場所をまとめてインドとするのはあまりに冗談が過ぎるだろう。

また、それぞれの物語においていわゆる西洋/東洋の上下関係が見え隠れしているように思えた。例えばトルコの物語では、最終的にオスマンがエミリをヴァレールに譲る。その理由は、昔ヴァレールが奴隷だったオスマンを解放したから。「寛大なトルコ人」はトルコ人を持ち上げているようで、実は「寛大なフランス人」あってこそ成り立つようだ。

今の基準で当時の認識を単純に批判することはできないが、いわゆる西洋/東洋の緊張関係に目を向けざるを得ない今、こういった表現に敏感に反応してしまう。もちろん、それはこの作品のよしあしの判断に直結するものではない。

脱線話はさておき、この映像は踊りがメインのように見えた。オペラといえば歌に注目しがちだが、さすが「オペラ・バレエ」、バレエシーンが多い。パリ・オペラ座での公演ということもバレエへの力の入れ方に影響しているのかもしれない。

しかし、正直に書けばバレエだ

ひとつ、注目に値すると感じたのは人力の演出だった。驚くほどにアナログ。当時はこれが普通だったのだろうと想像した。その素朴さがむしろ新鮮で、好感を持った。

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