21_21 DESIGN SIGHT 「建築家 フランク・ゲーリー展 「I Have an Idea」」

フランク・ゲーリーの建築はチェコのダンシング・ハウスを観たことがある。

その程度の知識と経験しかなかったが、この展示はとても楽しむことができた。その理由は、建築展でありがちな「各プロジェクトの模型+言葉による説明」に終わるものではなく、フランク・ゲーリーのアイデア源を扱っていたからだ。

最も印象的だったのは、ゲーリー・ルーム。この部屋には、ゲーリーのインスピレーション源とでも言うべき、ゲーリーの身の回りのものが展示されている。その内容は、いわゆる「芸術」に分類されるものではブーレーズやカミュ、フェルメール、ベルニーニまであった。ベルニーニについては、他の部屋にあったゲーリーの言葉から察するに、その皺の表現が魅力のひとつだったようだ。

この次の部屋では各プロジェクトのスタディがズラリと並ぶ。このスタディがまたよい。スタディ、つまりモノにしながら考えているように見える。ゲーリーの建築は、ゲーリーの頭の中にあったアイデアがそのままモノに移されたのではなく(つまり「本物」はゲーリーの頭の中にある)、モノとアイデアの相互作用で形作られていくのだろう。きっとゲーリーさえもどこに連れて行かれるのかわからないのだろう制作プロセスに好感を持った。

また、ゲーリー・テクノロジーの紹介映像もあった。アイデアにももも多様な素材やゲーリー・テクノロジーを「実現」のフェーズとすると、ゲーリー・ルームにあるのは実現すべき「アイデア」のフェーズにあるものと言える。ゲーリー・テクノロジーによってアイデアの制約が減ることは確かに感動的だが、やはり私はアイデアの生まれるところ、どのように実現するかよりも何を実現するかに惹かれるようだ。

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