はじめての OpenStack Project Team Lead

KATO Tomoyuki
1 min readDec 6, 2016

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私は、OpenStack Newton リリースサイクルにおいて、I18n プロジェクトのリーダーである Project Team Lead (PTL) を担当していました。そのころの気持ちを整理しつつ、2016年を振り返ってみたいと思います。

この記事は OpenStack Advent Calendar 2016Fujitsu Advent Calendar 2016 に使われています。

まず、この I18n プロジェクトですが、おもに翻訳活動を行っています。詳しくは 2015年の記事を参照ください。

さて、私が PTL に立候補した理由は「やってみないとわからないことがあるから」です。つまり、PTL に立候補することにより、自分の中や自分の周りに、何が起きるのかを確認してみたかったからです。特別に何か自信があったわけではありません。プログラムはほとんど書きません。肝心の翻訳も、英語を得意としていないので、原文の意味をつかみきれないことも少なからずあります。かといって、リーダーやマネジメントに向いているわけでもありません。それでも挑戦してみたいと思いました。

まず大きな変化がありました。OpenStack そのものだったり、翻訳活動だったり、いろいろな方に注目してもらえる機会が増えました。メディアの方に取材していただいたこともあります(私はおまけみたいなものですが)。それ以外に、いろいろなことを言われたりもしましたが、そういうものなのかなと感じています。普段はあまり会話しないような人でも応援してくれたのは、素直にうれしいと思いました。

実際の活動を振り返ってみると、うまくいかなかったことばかり思い出されます。前提となるサーバーのバージョンアップが遅れたことなど、いくつかの事情がありますが、会社の業務ならばスケジュール調整をしっかりと行うことにより対応できます。しかし、コミュニティー活動の場合、とくに他のチームと連携する必要が場合は、動機づけや優先度づけなどを総合的に気にする必要があります。このあたりは大きな反省点でありますが、貴重な経験になったと感じています。会社の業務でも同じと言えば同じなのですが、その比重や人の動き方がまったく異なります。また、権限のある人が何かを指示すれば急速に動き出すというものでもありません。

その一方、良かったと思えることもありました。私が役に立ったかどうかはまったく不明なのですが、翻訳された言語が増えたり、翻訳されたドキュメントが増えたりしました。I18n 活動は確実に広がってきていると感じています。その過程の一部になれたことは誇りに思います。ただ、日本語の翻訳は元々が活発すぎたということもあり、少し活動が落ちてきているように感じるので、少しがんばりたいと考えています。新しい参加者が増えてきているので、その方たちの活躍にも期待したいと思います。

まとめると「やってみないとわからないことがたくさんあった。そして、やってみてよかったと思えた」と断言できます。PTL は OpenStack コミュニティーを支える責任のある立場です。みなさんもやってみるといいよ、と気軽に言えるようなものでもありませんが、挑戦してみる価値はあります。もしやる気のある方がいれば、そのような方を応援したいと思います。

余談ですが、2017年の Individual Member Director board に立候補しました。他の候補者の顔ぶれを見るだけであきらめてしまいそうですが、立候補の前提となる10人からの推薦を短時間でいただけただけで感謝の気持ちでいっぱいです。これも立候補してみないとわからなかったことです。Board election や他のことなど、先のわからないことばかりですが、2017年も新しいことに挑戦してみたいと考えています。

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