人は未来にお金をはらう

Keiichiro Kay Yano
3 min readJan 31, 2018

データで語れということを昔良く聞いた。説得力を出すには、あるいはでっち上げに見えないようにある意味正しいはなし。ただ、データは過去のものだ。過去であるから形となって見える。

新しいビジネスを創ったり新しいコンセプトを考えたり、いままでなかったような新しい取り組みをする上ではあまりデータは役に立たない。

データは嘘をつく、ともいえる。どう見せるか、によっていくらでも都合よく見え方を変える。

もちろん、外部に話をするときは何らかのデータがあったほうが説得力はますけど、そもそも直近1〜2年でできたコンセプト、事業形態、あるいは身近でおきてるネット上で調べても出てこないものに関しては、当事者のインタビューか、みのまわりでおきていることを定性的にまとめて物事をすすめる。ちょっとだけでもマクロなところに数字っぽいものがあればベターだけど。

会計士より投資家の方が儲かる、事故現場検証担当より占い師のほうが儲かる、マーケット・リサーチより経営コンサルのほうが儲かる、保険業は儲かる、夢や、将来の評価や、なりたい像を売る商売は儲かる。キャピタルゲインをねらう商売は儲かる。そして将来性があると見込まれた人や会社にはお金や人が集まる。

これらの共通点は全部シンプルに考えると”未来”が絡んでるってこと。

ウェブメディアをみると、”〜〜〜氏がこれからの〜〜業界を予測〜”といった趣旨の記事は大抵有料だ。

過去<<<<未来 のが儲かる。人は未来にお金を払っている。かなりミクロレベルに至るまでこの傾向はわりかし共通している。

不安やリスクをヘッジするために、未来の自己満足、安心のためにお金をだいぶ払っている。

さらに”確度が高い未来”を売るのはよりかための商売になる。

MBAやLLMがスクール事業としてアカデミックと微妙な距離感をもって成功したのは、これらを取れば他の学位より組織で評価される可能性が高いからだ。より、可能性が高い未来にひとは沢山おかねをはらう。

フィットネスでトレーナーをつけるのに追加で高いお金を払うのは、払った分理想の体型を得る可能性が高いからだ。

未来は確実に予測はできないけれど、予測する方法はいくつかある。

自分が信頼している方法の一つに”直感”がある。

けれども”直感”は過去の経験の蓄積から導かれるもの。

経験の蓄積は未来を見通す力をつけることだと思う。それでそれはデータで完全に綺麗にまとめられた情報より実はValueがはるかに高い。だけどまわりをみてみると未来を考えるのはすごいひとや、専門家やごく限られた人たちだと思ってる人が多い。すごくもったいないことだと思う。

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Keiichiro Kay Yano

Carbontribeで森のデジタルツインを創ってトークンに。攻めのESGを狙います。元Google IE MBAネクストシリコンバレー共著者(日経BP)https://linktr.ee/carbontribe