フリーランスのセーフティーネット構築術

勢いや成り行きでフリーになって家族を露頭に迷わせないように…

今、日本では「働き方革命!」というキーワードを旗印に、従来のような会社員だけではない様々な働き方が随分と身近になってきました。

もしかしたらこれをお読みのあなたの周りにも、会社をやめてフリーランスで独立した、新しくカフェを開業した、仲間数人とIT分野で起業したなんて同僚や友人がいらっしゃるかもしれませんね。

私もこのブログを書いている約10年前…

2006年に、会社員としてのキャリアをクローズし、フリーランスという働き方を選択しました。

娘の誕生が2005年の11月なので、当時はまだ娘がゼロ歳。

多くの方にお話すると「よくそのタイミングで起業しましたね!」と驚かれます。

でも実は何年も前から準備をしていたので、それ程のプレッシャーを感じることもなく、極めて順調にフリーとして仕事を始めることができました。

今回は、フリーランスとして独立するときの「準備の重要性」について書きたいと思います。


フリーで独立する前に必要な3つの準備

私が重要だと考えるフリーランス起業前の準備は、以下の3つです。

  1. セーフティーネットの構築に関する調査
  2. 自分に向く仕事と向かない仕事を明確にしておく
  3. マーケティングとセールス(営業)を経験しておく

今回は、この3つの準備のうちの「セーフティーネットの構築」にフォーカスしたいと思います。

フリーランスで独立するにあたって、多くの方がまず心配になるのが「お金」に関することではないでしょうか。

このお金の心配は、何も恥ずかしいことではなく、どんな人も不安に思う至極あたり前のことだと思います。

特に小さなお子さんのいるご家庭で、お父さん・お母さんが独立する場合は、このお金の心配事を十分に調査しておくことをオススメします。

お金の心配は大きく2つ

このお金の心配は、大きく2つに分けることができます。

ひとつは、「独立した後どれぐらい稼ぐことができるか」、そしてもうひとつは「もし病気やケガなどで仕事ができなくなった時にどうするか」です。

今回のテーマは「セーフティーネット構築術」なので、後者の「もし病気やケガなどで仕事ができなくなった時にどうするか」について書きたいと思います。

実際に私が構築しているセーフティネットは以下の3つです。

  1. 経営セーフティ共済
  2. IC会員向け団体長期障害所得補償保険
  3. 小規模事業者共済

1.経営セーフティ共済とは?

経営セーフティ共済とは、中小企業庁が運営する中小企業の連鎖倒産を防ぐ為の共済制度です。

例えば、あなた自身の事業は順調でも、取引先の企業が倒産した時に、その煽りを食わないといった保証はないですよね。

そういった企業の連鎖倒産を防ぐためにあるのが、こちらの共済です。

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)は、取引先事業者の倒産の影響を受けて、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防止するための共済制度です。中小企業倒産防止共済法に基づき、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。

掛金月額は、5,000円から20万円までの範囲(5,000円刻み)で自由に選べます。そして、積立の総額が800万円になるまで積み立てられます。掛金は税法上、法人の場合は損金、個人の場合は必要経費に算入できます。

損金繰り入れができるということは、節税効果があるということでちょっとうれしいですよね。

この共済のありがたい点は、掛金納付の月数が40ヶ月以上あれば、任意解約をしても掛け金を100%受け取れるところです。

http://www.smrj.go.jp/tkyosai/050952.htmlの一部を転載

なので、利益が出ているときには掛け金を上げて納付して節税をし、本当に仕事がなくて収入がピンチという時に、任意解約して急場をしのぐ的な使い方ができます。

もちろん、解約して受け取る金額は、会計上の雑所得として処理されるので課税対象になります。でも、所得税って累進課税なので、儲かっていない時の税率は低いんですよね。

なんで、ある意味「利益の先送り」的な運用ができます。

フリーランスといえど、法人を登記すれば法的には立派な「社長」です。なので、このあたりの勉強もしっかりとして経営感覚を磨き、お金をしっかりと残して事業を護りたいものです。

私は幸いにして、まだ「任意解約」が必要な状況には陥っていませんが、私と同じように「心配性」な方なら検討する余地は十分にあると思います。


2.IC会員向け団体長期障害所得補償保険とは?

IC会員向けとありますが、このIC会員というのは「特定非営利活動法人インディペンデント・コントラクター協会」のことです。(以下IC協会)

このIC協会は、フリーランスに代表される「個人が持つ専門性を武器に、企業と契約して仕事をする」プロフェッショナルの支援を目的に組織されているNPO法人です。

IC協会が提供している主なサービスは以下の6つです。

  1. 協会主催の月例セミナー(毎月開催・参加無料)
  2. 当協会ホームページ上で各自の業務内容詳細のご紹介
  3. 協会主催の税務および法務相談会の開催(随時開催・参加無料)
  4. 各種親睦会(暑気払い/忘年会)の開催
  5. 提携クリニックでの人間ドック団体割引
  6. 会員向け団体長期障害所得補償保険(Long Term Disability)

それぞれの詳しい支援内容は、実際に同協会のサイトを調査いただくとして、私が最もありがたいと思っているのが№6の会員向け団体長期障害所得補償保険(Long Term Disability)サービスです。

保険の内容について、同サイトから引用させていただきます。

長期障害所得補償保険とは、病気やケガにより仕事が出来なくなった場合の所得の損失に備える保険です。傷病により休業状態となってから90日経過後から、その傷病が回復し仕事ができるようになるまでの期間最長で満60歳まで加入プランに応じた補償金が毎月支払われます。(最大45万円/月)

これ、非常にありがたいと思いませんか?

大きな会社に所属していれば「団体保険」的なものに加入できて、安価な金額で、もしもの時に備えることができます。

しかし、フリーランスは基本的にひとりなので、何か不測の事態があった時に「無収入」になってしまう可能性は非常に高いにも関わらず、その為のセーフティネットを個人で築こうとすると、かなりのコストがかかってしまいます。

しかし、このようにNPOが団体として保険会社と契約してくれることによって、フリーランスも「数の力」にあやかることができます。

当然、保険の掛け金は所得控除対象となるので、節税効果もありますね。

あくまでも「何かあった時の保険」なので、その価値は個々人によって様々でしょうし、フリーランスとしての収入が低い場合は、もったいないと思うかもしれません。

しかし、特に小さなお子さんがいらっしゃって、ご自身の収入が一家の全て、もしくは大部分を占める場合は検討の価値があると思います。


3.小規模企業共済とは?

小規模企業の個人事業主が事業を廃止した場合や会社等の役員が役員を退職した場合など、第一線を退いたときに、それまで積み立ててこられた掛金に応じた共済金をお受け取りになれる共済制度です。
(-中小企業庁・小規模企業共済のサイトより引用 -)

要は個人事業主用の退職金積立のようなものですね。

ケガや病気、もしくは不測の事態に備えるという視点ではありませんが、フリーランスといえど、やはりいつかは第一線を退くタイミングが来ます。その時に何の積立もない…っというのは、やはり不安だと思いませんか?。

そういったリタイア後のお金の不安に対応するためのひとつの方法が、この小規模事業者共済です。

こちらの掛け金は、月額1,000円から70,000円まで自由に選択ができる上、なんと全額所得控除対象となります。

もし長期間、フリーランスとして生きていく選択をするのであれば、ぜひ加入をオススメします。


まとめ

いかがでしたでしょうか。

特にご家族がいらっしゃるフリーランス予備軍にとって、お金の心配は常に付いて回るものです。ぜひ一度しっかりと調査をし、自分のお財布と相談しながら、自分なりのセーフティネットを構築しましょう。

間違っても、成り行きや勢いだけでフリーになって、家族を露頭に迷わせるようなことはしないでくださいね(笑)

それに、常にお金の心配を抱えた状態でフリーとして独立したとしても、仕事に100%集中することは難しいでしょう。結果、仕事のクオリティが下がり、あなたのプロとしての評価は落ちる。そしてフリーとしての事業が営めなくなってしまう…

このような事態に陥らないためにも、まずはしっかりと「お金の準備」をしておいてください。

また、フリーランスの中には「こんな制度を使わなくても自分でちゃんと貯金しておけば大丈夫」という方もいらっしゃいます。しかし、これはすごくもったいない考え方です。

全て自分の力で…っという考え方は嫌いではないのですが、よく考えてみてください。

今回ご紹介した保険や積立は、「税金をひかれる前のお金」から積み立てるのに対して、単なる貯金だと「税引後」のお金から積立てるのです。

納税はもちろん重要なことですが、それと同じぐらいあなた自身が、自分で自分を守るため、そして様々な投資の為のお金を少しでも手元に残すことも同じぐらい重要です。

特にフリーランスになろうと考える技術系プロフェッショナルやクリエイターさん程、「お金のことを勉強するなんて格好悪い」と思っているのか、このあたりの勉強に無頓着なところがあるように感じます。

しかし、ほんのちょっと調査をし、そして実践するだけで、あなたのお金に関する潜在的な心配事をかなり解消してくれるはずです。

また、こちらに書いてあることは、私の個人的な調査にもとづいてのものです。

実際に独立する時は、必ずファイナンシャルプランナーや税理士さんなどの専門家に相談してみてください。

ほんの少額のお金で、その何倍ものお金を手元に残す実践的な知識を得ることができるはずです。

そして知識を得たあとは、実践あるのみですね!

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