10年フリーランサーの経験を書きます

Kazuki Iwasa
Feb 3, 2017 · 15 min read

1.はじめまして

2016年の9月で、フリーランス10周年を迎えたフリーランスのプログラマです。

現在は理想の育児環境、理想の家族環境、理想の仕事環境を追い求めて、2009年にiターンをした長野市に住んでおります。

仕事は、FileMaker(ファイルメーカー)というちょっと変わったソフトウェア開発プラットフォームのプロフェッショナルとして、主に自社システムを内製で開発したい…という事業会社様に対しての技術指導やコンサルティングを生業としています。

フリーとして独立したのは、長女の生まれた10ヶ月後の、2006年の9月。仕事的にもプライベート的にも様々な紆余曲折はありましたが、概ね順調にお仕事に恵まれて今に至ります。

国税庁の調査によると、創業した会社の約95%は10年以内に倒産なんて言われていますね。

なかなか厳しい世の中ではありますが、私の場合は様々な幸運も重なって、なんとか10年、フリーランスとしてやってこれました。


昔から有るけど、新しい働き方?のフリーランス

今、世の中では「新しい働き方」や「働き方革命」等のキーワードを見ない、聞かない日は無いほど、従来のような働き方が限界をむかえています。

そんな中で「フリーランス」という働き方も、自然と注目を浴びるようになってきたようです。

また、新しい働き方、自由な働き方の象徴的な感じで、フリーランスで独立して地方へ移住的なライフスタイルが、様々なメディアで取り上げられるようにもなってきました。


2. 娘の成長を間近見て・聞いて・感じることができた

独立してから10年間は、ちょうど娘が誕生してからの10年間とほぼ同じということもあって、様々なライフイベントがありました。

特に娘の成長の過程にいつも寄り添えたことは、私の人生の中でかけがえのないものでした。

私は、フリーランスのプログラマとしては珍しく、クライアントさんへの常駐案件はやっていません。

なので、娘がはじめて寝返りを打った瞬間も、言葉を発した瞬間も、そして歩いた瞬間も、すべての瞬間に立ち会うことができました。

赤ちゃんのころは毎日お風呂に入れていましたし、長野に移住してからは、毎日の幼稚園への送り迎えは私の役割でした。

今は小学生になった娘ですが、現在でもスクールバスの停留所まで毎日いっしょに歩いています。

そのせいか、娘は私と「歩き方まで似ている」と言われており、そろそろ思春期に入った娘からはマイルドに「うざがられて」います(笑)

ただ、今でも週末はほぼ毎週、一緒にスキーに行きますし、夏は山に登ったり、キャンプに行ったりしています。

フリーランスで独立する前は、バリバリのベンチャーに勤務していて、毎日の帰りはほぼ終電コース。

あのまま会社員として会社にとどまる選択をしていたら、このような瞬間に立ち会うこともできなかったでしょうし、娘や妻と今のような関係を築くこともできなかったと思います。

もちろん、そちらの選択をしても、今とは違った別の形での幸せを見つけられたと思うのですが…

おかげさまで、私の場合はフリーランスという働き方を選択して本当に良かったと思っています。

最近はテクノロジーの話も随分通じるようになってきました。

3. 事は上り坂と下り坂、そして「まさか」の連続?

仕事としては、一般的にイメージされるフリーランスよりも、比較的順調だったと思います。

無収入の期間もゼロですし、コンスタントに会社員時代の給料よりも多くの収入を得ることができていたと思います。

もちろん、すべてが順調だったというわけではありません。あたり前ですが、この10年の長い期間の中には、厳しい時期も何度か経験しました…

例えば、年間売上で3,000万円を超えるような信じられない年があったり…

1ヶ月の売上がたった20万という月があったり…

数百万円の契約が一瞬で無くなってしまったり…

プロジェクトが突然中断されて来月からの売上の見通しが全く立たなくなってしまったり…

といった悪夢のような瞬間もありました。

そんな中で、正直「フリーでやっていくのはもう限界かな…」っと思うことも何度かありました。

しかし、世の中というのは不思議なもので捨てる神あれば拾う神あり。

不運があった直後には、なぜか思いもかけないような幸運にも恵まれるようにできているみたいです。

そんな上り坂と下り坂、そして「まさか」経験しつつ、お陰様で一家離散的な危機にも遭遇することがなく、概ね順調にフリーランスとしての「事業」を営んでこれたのではないかと思っています。


3.10年間フリーランスを続けてこれた3つの要因

振り返ってみると、こうやって順調に10年間もフリーランスという「究極の不安定事業」を続けてこれたのは、次の3つの要因に尽きると思います。

まずひとつ目の要因は、独立するまでに十分な準備期間を設けたこと。

2つめの要因は、継続的な学習と、その学習内容を実践して試行錯誤してきたこと。

そして3つ目の要因が、自分が好きで得意で、そして比較的高収益なソフトウェア開発を仕事に選んだこと。

この3つが、10年フリーランスを続けてこれた大きな要因だったのかなと思います。

3–1.十分な準備と調査

フリーランスとして独立した最初のクライアントは、当時契約社員として勤めていた株式会社ベストブライダル様でした。

なので、独立した最初の月からサラリーマン時代とほとんど変わらない収入を得ることができました。

一般的に「サラリーマン法人」と呼ばれる方法です。

実はこれ、同社に入社するときの最終社長面接の時からちゃんと伏線を張っていたんですね。

勇気のない私には、いきなりドーンと会社を辞めて、裸一貫大海原に漕ぎ出すとっいったマッチョな起業はできません。

でも、十分に下準備を整えて、住み慣れた会社員という土地から、少しづつフリーランスという未開の地に移ることは可能です。

なので私はまず、サラリーマン法人として独立し、その後数年間をかけて少しづつ他のお客様を増やして「フェードアウト」するような形で「安全」に独立しました。

この「フェードアウト起業法」の裏側についても、今後このブログで書いていきたいと思います。

3–2.継続的な学習と実践

あなたはフリーランスとして独立するにあたって、一番重要な学習は何だと思いますか?

私は、何においてもマーケティングとセールスの学習だと思っています。

もちろん、自身の専門分野の学習、会計の学習、そして時には心と体の健康に関する学習は重要です。

しかし、もし長期に渡って安定してフリーランスという働き方を続けたければ、マーケティングとセールスの学習は最も重要ですし、何よりこの2つを学び続ける、そして実践し続けるということがより重要です。

フリーランスとしてのマーケティングとセールスに関しては、書き始めたら本1冊分では足らなくなるぐらい奥の深いものなので、このブログで少しづつ私の学んだこと、実践してきたことを共有させていただきたいと思います。

3–3.好きで得意で、かつ比較的お金になりやすい…

細く長く、そして何より楽しくフリーランスとして仕事を続けていくには、どういった仕事を選ぶか非常に大切だと思います。

私は、フリーランスとして独立する前に、今一度自分の性格や資質などを徹底的に掘り下げた結果、「プログラマ」という選択をしました。

実は会社員時代の10年、私はプログラマとして働いていたのは3分の1ぐらいで、残り3分の2は「社内SE」として働いていました。

社内SEという仕事は、会社にもよりますが実はほとんどプログラムを実際に作る機会はありません。

どちらかと言うと、社内の意見調整係であったり、社内のインフラ・ヘルプデスク要員だったり、IT予算を編成したりとあまりクリエイティブな仕事ではありません。

ソフトウェアの開発といっても、社内SEとして携われるのは、一般的に上流工程と呼ばれる企画段階や、調査・分析、そして要件定義と呼ばれる作業です。

プログラマが担当するような、コーディングをする機会はまずありません。

独立した当初は、これらの経験から一般的に「ITコンサルタント」と呼ばれる分野で仕事をしていこうと思っていました。

しかし、先にも書いたとおり、何度も何度も自己分析をした結果、私にはコンサルタントよりも、実際にソフトウェアを構築する「プログラマ」のほうが向いていると判断しました。

結果的にこの選択が、ストレス無く、そしてビジネスという観点から見ても非常に良い結果になりました。

3–4.自分が何をしたいか、何に向いているかわからない…?

多くのビジネスパーソンとお話をしていると、皆さん異口同音に…

・自分が何をしたいかわからない

・自分が何に向いているかわからない

・これだと思うものがあるんだけど、本当にそれが自分に向いているかわからない

っとおっしゃられることがよくあります。

これ、本当にそうですよね。

私もずっとこのことで悩んでいて、ある意味バーチャル八方塞がりのような思いをずっと抱いていました。

しかし、様々な本を読んだり、ワークショップで自己探求をしたりすることで、何となく「この方向性かな…?」と思えるようになってきました。

そして、その自己探求から感じられたある種「直感的な感覚」を信じて行動したのが、良い結果につながったのかなと思います。

では私が、実際どのような手法で自己分析をしたのか、そしてなぜコンサルタントではなくプログラマのほうが向いていると思ったか、そしてなぜそれが商売としても良い結果につながったのか…

こんなことも、このブログで書いていきたいと思います。


4.楽しい?苦しい?なかなか掴みづらいフリーランスのお財布事情

現在企業内で仕事をされているビジネスパーソンにとって、フリーランスという働き方はあまり実感がわかないのではないかと思います。

最近、「自分もフリーで独立して地方に子育て移住したいのですが…」っという方から相談を受けることが多くなりました。

特に皆さんが興味がある…と同時にすごく心配なのは、やはり「収入」ですよね。ストレートに表現してしまうと「どれぐらい稼げるんですか?」っという話です(笑)。

4–1.どれぐらい稼げば安心?

当たり前の話ですが、フリーランスという働き方は、1年後どころか来月の収入すら確定しているわけではありません。

私は今現在、比較的安定して収益を得ることができています。

そしてあんまりこんなことを書くと「守銭奴」のように思われそうで怖いのですが…

自分がサラリーマンだった時代の2倍ぐらいは、なんとか安定的に稼ぐことができています。

そしていろんな幸運が重なると、時には3倍と5倍になることもあります。

「お前、それは稼ぎすぎだ!」

…って思われるかもしれませんね。

でもフリーランスって何の保証もないんです…

なので、常にサラリーマン時代の2〜3倍は稼いでおかないと、おっかなくてしょうが無いんですよ…

あと、自己啓発の為の学習費用も、おつきあいの費用も、旅費交通費も、あらゆる経費は全て自分のお財布から出す必要があります。

更に税金、社会保険料なども年々負担が大きくなっていますが、これもすべて自分のお財布から出ていきます。

これに、自分独自のセーフティーネットの為の保険や退職金の積立などにお金が回っていきます。

そうすると、サラリーマン時代の2〜3倍を稼いだとしても、思ったほど手元には残らないものです…

4–2.まずは会社員時代の2倍を目指そう

よく独立したてのフリーランスの方が「とりあえず会社員時代の収入が稼げれば…」っという論調を拝見することがあります。

しかしこれだと、少しづつ苦しくなってくるでしょう。

お子さんがいらっしゃるご家庭や、住宅ローン、自動車ローン等の借金があるご家庭であればなおさらです。(ちなみに私は独立する時には借金ゼロでしたし、いまでも借金なしです。)

お金って、なぜか思ってもないタイミングで、思ってもない出費が発生するものなんですよね…

このタイミングでクルマが故障するか〜とか、このタイミングで洗濯機が壊れるか〜みたいな(笑)

多分、会社員時代と同じような「金銭感覚」でいるためには、最低でも会社員時代の2倍程度は収入がないと、少しづつしんどくなってくると思います。

こんな、フリーランスのお金事情に関しても、このブログのなかで書いていきたいと思っています。


5.どうやってお客様を見つけているのか?

フリーで独立したいというかたら受ける相談で、もうひとつよく聞かれるのが「どうやってクライアントを獲得しているのか」。

これは特に、技術系プロフェッショナルや、ご自身の専門分野のコンサルタントとして独立されようとしている方からよく聞かれる質問です。

5–1.お客様は自分自身の目と耳と感覚で探すのがオススメ

私はフリーランスのプログラマですが、一般的なフリーランスのプログラマさんのように、どこかの企業に常駐して仕事をすることもありませんし、ひとつのクライアントさんやプロジェクトのみに固定して働くこともありませんし、案件を獲得するエージェントさんに営業をお願いすることもありません。

基本的には全て自分でマーケティング(集客)をして、自分でセールス(営業)をしています。

もちろん独立当初の頃は、知り合いのベンダーさんからクライアントをご紹介いただいたり、大きな案件にプロジェクトメンバーとして参画するような仕事もしていました。

しかし、紹介営業は個人的に苦い経験もたくさんあり、基本的にはすべてお断りをしている状況です。

一方、自分でマーケティングをして、自分でセールスをして関係を気付いたお客様とは、そのようなトラブルも無く、非常に良い関係を保てています。

5–2.そうは言っても自分はマーケティングも営業も未経験…

しかし、そうは言っても自分はマーケティングもセールスも経験した事ないし、どちらかと言うとその手の仕事は苦手…

っというプロフェッショナルの方はたくさんいらっしゃいます。

実は私自身も、会社員時代にはマーケティングの経験もセールスの経験も一切ありません。

私は約10年、会社員として働いていましたが、その間ずっと社内SEという立場で働いていました。なので、最初は「どうやってお客様を見つけるのか」皆目検討も付きませんでした。

また、独立してすぐにiターンした長野は地縁も血縁も無く、全く未開の地…

そんな中で、ただ「技術を持ってまーす」「◯◯という資格を持ってまーす」」というだけではお客様は来てくれません。

ではどの様にして新規のお客様を見つけているのか…

特に、プログラマやエンジニアといったテクノロジー分野のプロフェッショナルは、マーケティングやセールスって苦手なので、気になるところだと思います。

このあたりの裏側も、このブログで追々書いていきたいと思います。

6.なぜこんなブログを書こうと思ったのか

いつの間にか、プログラマとしては20年以上、フリーランスとして10年以上が経過していました。

そんな中で時折感じるのが「人を育てる」ってことをやっていないなと。

これは何となく「オトナとしての社会的な責任」を果たしていないんじゃなかろうか…

と思うことがあります。

当然ですが、私も最初からフリーのプログラマだったわけではなく、多くの先輩に育てられ、引っ張り上げてもらって今があります。

最初の数年なんてのはもう本当にひどいもので、自他共に認める職場のお荷物でした。

当時の自分の仕事っぷりを思い出すだけでも、顔から火が出る思いです…

当時、私の面倒を見ていただいた先輩方は、まさかあのお荷物あんちゃんが、フリーで独立するなんて想像だにしなかったでしょう。

それぐらい、多くの先輩にご迷惑をかけてきました。

このように、自分は人から手取り足取り育ててもらったのに、自分自身は人を育てることを全くしていない…

というのは、やっぱり人として何か責任を果たしていないと感じるのです。

かといって、今のような仕事スタイルで人を雇用するなんてこともできないですし…

この何年か、ずっとこんなことを考えていました。

そんな中、人を雇用するだけが人を育てるってことでもないよなと。

これまでフリーランス、そしてプログラマとして自分が学んできたこと、実践してきたこと、実践した結果うまく行ったこと、そしてあまりうまう行かなかったこと等をブログというメディアを通して、フリーランスという働き方に興味を持っている人、関心がある人に伝えていくことも、ゆるい「人を育てる」になるのかなと。

私を育てていただいた諸先輩方には、なかなか恩返しができていないのですが…

私に教えていただいたことを、「恩送り」として、必要としている人にお伝えすることはできるのかなと。

そんな思いで、このブログを書いていこうと思います。

Kazuki Iwasa

Written by

岩佐和紀:長野に子育てiターンの10年フリーランサー | フリーランスという働き方に興味のある方に、この10年間で学んできたこと、実践してきたこと、そしてうまく行ったことや、あまりうまう行かなかったことを共有。特に小さなお子様のいらっしゃるフリーランス予備軍を意識して書きたいと思います。

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