ベトナムでの事業開始から1年が経ちました!

Kazuki Kunimoto
8 min readSep 22, 2019

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事業を開始して1年になったらMedium書こうと思ってたら1ヶ月以上前に日本の登記日(8/2)は過ぎてました。
まぁベトナムで事業を開始したのは9月17日だったので、ギリギリセーフということで1年記念ということで書きます。

この1年を振り返ってみると、、、記憶がほとんどない。
ベトナムではずっと暑くて四季もないので、季節とともに記憶が蘇るということもなく、
そして絶望的な記憶力を持つ僕はただただ過去のカレンダーやメールを見ながら記憶を辿りました。
ざっくり1年間はこんな感じで動いてましたね。

2018年4〜8月:G’s Academy卒業後、仲間と3人で事業構築ディスカッション+コーディング(自分のコードは全部消される。。)登記をしたりも(日本とベトナムの登記の並行処理・・ひたすら面倒臭い)。合宿をしたり大学生みたいに楽しみながら開発!

9月~12月:日本人の仲間を中心にプロダクト開発、自分はひたすら営業に行って夜帰って来て開発チームにフィードバック。家兼オフィスに男4人で住んで夜までコーディングしつつ、あぁでもないこうでもないという話をしてたのは本当に楽しかった(いま考えればw。その時は方向性もブレブレで必死過ぎた)。特に感じたのは、少人数故にスキルや物の見方に重複性がないこと。当時は少ないながらもヒップスター(デザイン+フロントエンド(React))、ハッカー(データベース設計構築+サーバーサイド(Laravel))、ハスラー(営業+PR)が揃っていたなと思う。

2019年1~3月:1ヶ月に10日ほど日本に帰りつつ、VC周り。エンジェルは知り合い3名から3秒くらいで決めてもらったので実質初めての調達ピッチ。非常に色々なことを学ぶ、やってみないとわからないものだなーと。VCでもサラリーマン的な人もいればオーナーシップを持っている人、会社として何を考えてるかわからないところ(人にVisionを聞く前にVCとしてのVisionもちゃんと聞かせてほしいw)。ただ全体として日本のVCの方はとても親切で、勉強不足の僕に色々なことを教えてくれたので感謝しています。
起業家の都合だけでしっかり考えることができていなかった点は下記の点。

1) CVCの方には先方事業を深く理解し、シナジーがどう生まれるのかを伝えられなかった。10分のピッチの中で、自分たちの事業やメンバー、メトリックスに8分くらい時間をかけてしまっていた、恐らくそれは6分くらいでシナジーを4分くらい話す感じでよかったと思っている。CVCにとってValuationの妥当性以上に重要なのは本業とのシナジーであり、且つ具体的ではなくてもEXITの方向性をどう考えているのかだと勉強できた。

2) EXITの方向性:正直創業して半年でそんなものわかるかと思っていたけど、VCの担当者としてはざっくりとでもそれがないと投資委員会で説明できない。投資といえどもビジネスなのでビジネス相手が上司や社内で話しやすいストーリーや説明資料を作って届けることが大切。いいものだから勝手に投資してもらえると思ってるのは起業家の奢り(だいたいシードくらいなら間違ってると思うしw)。

3) 数字の捉え方・繋がり(成長の方程式が見えているか):a)今までの数字を見せて伸びてます(定量)。b)そしてこれからはこういう方向性でいきます(定性)。という2つの情報が繋がっていなかった。今までの数字とともに何を学んで、どういうプロセスで事業を進めてきたか(どの粒度、頻度で分析し、どういう打ち手を打ってきたのか)、そしてこれからこの数字がこうなるからこれだけ投資すればこれだけ成長とリターンが見込めるという説明ができていなかった。というかそれは普段からのデータや分析、打ち手をきちんと数字とともにデータを残していかないとできない。現在はありがたいことにシードで投資を頂いたVCさんからとても丁寧に教えて頂き、週次でかなりきちんと分析->打ち手のサイクルができている。

4) リードとフォローの役割:これは恐らく一口にリードやフォローと言っても様々なスタンスを持っているVCがあると思うけど、基本的にはやはりこれからがっぷりよつで組んでいくのはリードのインベスターになるので、できるだけ企業やステージに合ったサポートをしてくれる特にリードVCを選ぶこと。

ちなみに日本にいる頻度が高くなり、ベトナムオフィスが不安定になり、この時期退職者も増加。立て直しにとても苦労する。HRの会社なのにという情けなさもあり、どれだけ忙しくても1 on 1を必ず1ヶ月に一度行うようにし、新メンバーには必ずVision Tellingのセッションを設けて徐々に良い人を採用しながらチームが強くなっていきました。

4〜5月:一番激しいディスカッションが起こっていた時期。それまでに積み重ねたプロダクトではスタートアップとしての爆発的な成長はできない。勝てるプロダクトを作らないといけない。今までは営業からのフィードバックや一部ユーザーヒアリングを通してプロダクトを少しずつ改善していたが、その少しずつの改善では埒があかない。0から自分たちの創りたい未来、サービス、ユーザー体験を定義していく。それはどちらかというと外部からの意見などを参考にするというよりは、自分たちのエゴを押し出して形にしていく作業(ここに詳しく書いてます:https://medium.com/@kazukikunimoto/%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%92%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E6%82%AA-%E6%80%9D%E8%80%83%E5%81%9C%E6%AD%A2-9ce4e167ca44)。毎朝毎夜プログラミングや営業の合間にディスカッション、新しいデザイン定義、実装方法、スケジュール、マーケティングなど、ほぼメンバー同士が気を使うことなく、めちゃくちゃストレートに意見を言い合いながらやっと答えを導き出していった。

6~7月:ステルス期。新しい方向性での開発や今後の成長を見込んでの組織体制や業務分担を明確化するなど基礎を作っていた時期。何となく成長を目指すのではなく、メリハリをつけて有限な資金を活用しようと判断しマーケなどは最低限のみ支出し成長を鈍化させる。新しく投資してもらったすぐ後にこのような戦略を取るのは会社としても投資家にとっても難しい判断だったが、むしろその判断を支持してもらい思い切って2ヶ月間をステルス期間とすることができた。スタートアップとして成長しなければならないそのプレッシャーのある中で成長を鈍化させ、準備に時間をかけることは中々勇気、理解のいることだったけど今考えても今年一番よかった意思決定だと思っています。

8〜12月:成長期。いよいよ、ステルス期の準備を経て新しいプロダクトを全面に押し出し、営業およびマーケを加速。やっぱり社内は俄然盛り上がってくる。できるだけ開発やデザインチームなど前面に出ないチームにも企業やユーザーなどの反応をフィードバックし、契約が取れれば一緒に喜ぶ。インサイドセールスなどの仕組みやレポーティングなどもMetabaseなどの新しいツールを使い、細かく分析し、一つ一つ一秒一秒の価値や効率を上げていく。そして今後は大規模開発と合わせて、今まで以上に細かいユーザーフローや特徴量の分析をデザイン、開発に落とし込んでいく。またチームとしてもこれまでバックエンドを支えつつCTOとして働いてくれていた日本人のメンバーをTech Leadになってもらい、新たに外部競合他社から13年のエンジニアリング経験やベトナム全国レベルのハッカソン等で優勝経験を持ち、またアーキテクト設計や教育、エンジニア採用などに強いベトナムスーパーエンジニアを新CTOとして迎え、プロダクトをより高い次元に高めていく。

と、ざっくり書くとこんな感じの1年でした。結構忙しかったのかな。仕事してない土日はなかったな。。。
チームは1年前の3名から20名まで増え(もちろんバーンレートも増えるw)、家からオフィスへ移転し会社らしくなり、そして何よりそれぞれの部門に若くてその専門領域においてとても優秀なマネージャー陣が揃ってきました。また日本語ベースだった社内のやりとりも英語ベースとなり、英語の勉強会を開いたり、僕も他日本人メンバーに英語を習得しろーとずっと言い続けています。

そして、いよいよ来年からはシリーズAの資金調達を経て、他国展開を行う予定です。
日本はオリンピックが熱いですが、それ以上に熱い市場の東南アジアで熱いチームと成長していけたらと思っています。


freecracy CEO 国本

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