なぜ修羅場を体験するとリーダーシップが開発されるのか
僕が通っていたMBAのリーダーシップのクラスで、リーダーになるための要件について議論しているとき、講師から
リーダーシップがある人は20代から30代で必ず修羅場体験をしている
という話がありました。
そのときは、まぁそうだよね、くらいに思っていたのですが、自分も経験を重ねていき、自分がリーダーシップを発揮するのはもちろん、リーダーを育てるという観点になって、あらためて修羅場体験は重要だなと思うようになりました。
また、以前G1経営者会議に参加したときに、リーダーシップのセッションで資生堂のフィッシャーさんが、リーダーシップを育む上で重要な要素として
コンフォート・ゾーンを出る
といったお話をされていて、これは「居心地の良い場所から離れる」ということですから、修羅場体験と同様だと思います。
http://globis.tv/movie/?e=1423
ちなみに、コンフォート・ゾーンを出るという話は別の場所でLIXILの藤森さんも仰っています。
http://blogs.itmedia.co.jp/mm21/2014/11/5-lixil-ceo-c2af.html?ref=rssall
修羅場体験とは何か
このように、リーダーシップの議論になると修羅場体験という話が良く出てきます。
ただ、修羅場体験と言うと少しぼやけるので、もう少し具体的に言うと、
自分の経験や知識、技術などをフル活用してもどうにもならないかもしれない状況
ということだと僕は思っています。
では、なぜ修羅場体験がリーダーシップを形成したり、成長に繋がったりするのでしょうか。
修羅場体験ではこれまで培ってきた能力をフル活用することはもちろん、それだけでは通用しない場面も多々あるわけなので、スキルとマインドの両方を再構築する必要があります。
つまり、あたらしい知識を仕入れたり、複雑で難解な問題に対峙し続けることで精神的タフネスが鍛えられたり、様々な能力に劇的な影響があります。
また、これまでの自分の常識、つまり価値観を揺るがすような体験なので、より強固な価値観が形成されます。こういった経験を積むことで能力が向上し且つ人間性に深みが出てくるので成長していくというわけです。
では、具体的にどういうものが修羅場体験に繋がるかというと、起業することであったり、部署異動するということだったり、転職するということだったり、いずれにしてもこれまでの自分の能力だけでは通用しにくい状況ということだと思います。
もちろん、日常にも学びはあるのですが、この「自分の持っている能力を超えて臨む」ということは、マインド面でもスキル面でも大きな学びの要素があるわけです。
修羅場体験とリーダーシップ
では、なぜ修羅場体験の成長がリーダーシップに関係するのかというと、そもそもリーダーシップとは人を動かす手法だからです。
ちなみに、リーダーシップ以外に人を動かす手法にはポジションパワーもありますが、これは地位や権力で人を動かすので、リーダーシップとは全く別の手法になります。
リーダーシップとは何で人を動かしたり巻き込んだりするのかというと、人間性や信頼です。
つまり、修羅場体験は人間の深みを増すことに大きく影響するので、それを用いて人を動かす「リーダーシップ」の文脈で語られるのだと思います。
ただ、修羅場を経験するだけではただのドMなので、大事なのはそれを自分の力に変えていけるかどうかです。
修羅場体験を乗り越えるまでは必死なのでそれに集中するにしても、終わった後に感想戦をしっかり行い、どういった思考や決断で乗り越えたかを言語化しておくことです。
そうすることで自分の意識下に置かれるので、具体的な行動や言動が進化することになります。
修羅場をいかにマネジメントしていくか
まとめると、
・修羅場は様々な能力向上や自分の価値観形成に大きく寄与する
・どう乗り越えたかしっかり内省し、次に繋げることで人間的な深みが増す
・周りから認められるような深みのある人間になることで周りから信頼される。つまり、人を動かしたり巻き込んだりするリーダーシップが発揮されるようになっていく
ということです。
なので、修羅場は恐れるようなものではなく、むしろ楽しめると良いですね。命の危険があるような修羅場は無理ですが、それ以外は、大抵どうにかなるものです。
年齢を重ねていくと、こういった修羅場を体験せずにある程度のことは経験で対処できるようになりますが、あえて修羅場をつくりだすようにしていかないと、成長が止まってしまうので注意したいところです。
いずれにしても、居心地が良くなってきたらあえて自らその環境から脱却し、修羅場体験→内省→成長というサイクルをコントロールし続けられると良いですね。