板書ツールとしてのWorkFlowyのデメリットと対策

前回書いたように、WorkFlowy(アウトラインプロセッサ)を授業の板書ツールに使うことには、多くのメリットがある。しかし、万能な道具というのはそうそうないもので、WorkFlowyにもデメリットはある。そこで、この記事では主なデメリットを列挙し、それぞれ私が行っている対策をご紹介したい。

  • インターネット回線とプロジェクタが必要

WorkFlowyはクラウド型アウトラインプロセッサである。従って、基本的にはインターネットに常時接続されているというのが利用の条件である。Google Chrome の拡張機能としてオフライン利用可能な環境が提供されているが、オンラインになった時に同期される仕様のため、複数端末で編集した時にコンフリクトが起こる可能性があり、利便性がスポイルされる目算が高い。

初っ端から申し訳ないが、これに関しては「環境を整備する」しか対策のしようがない。熊本高専では両キャンパスともに学内の無線LANが整備されており、どの教室でのインターネットとプロジェクターが利用可能であるため問題はないが、小中学校では大きな障壁となるかもしれない。

個人的には、高価な電子黒板よりも、インターネットとプロジェクターを使える教室を増やす方が、将来的に得られる効果が高いと思う。

  • 図を直接挿入できない

そもそもがテキストベースの軽量アウトライナーというのが売りであるWorkFlowyでは、画像を直接アウトラインの中に埋め込むことができない。

私の場合、アウトラインに埋め込みたい図をEvernoteに”1ノートあたり1図”で用意して、「公開リンク」を取得し、WorkFlowyの埋め込みたい場所に貼り付けている。しかし、この方法では「公開リンク」のURLを知り得た人なら誰でもその図を見ることができてしまうため、著作権が存在する写真や画像ではこの方法が使えない。「せっかく自分が書いた図を勝手に使われたくない」という教員も多いだろう。閲覧に認証が必要なクラウドストレージを使うのがいいかもしれない。残念ながら高専機構お墨付きのOneDrive for Businessでは、画像を共有して発行されたURLをクリックすると、ブラウザ内では表示されずファイルとしてダウンロードされてしまうので、WorkFlowyへの埋め込みには使用していない。Googleドライブならできるのかもしれない。

  • URLによる共有は、誰にでも見られる

上記のEvernote上の画像と同様、WorkFlowy上で共有するために発行したURLは、それを知り得た人なら誰でもその中身を見ることができてしまう。「自分の授業内容を見知らぬ誰かに見られる」ことに抵抗を覚える教員は少なくないと思う。

しかしながら、学内に閉じられたe-learningシステムにPDFをアップしたとしても、学生がそれをダウンロードしてどこかに公開すれば、その瞬間から公知のものとなる。これを防ごうとすると、上演(=授業)する際にカメラを持ち込ませない、「記録じゃなくて記憶してね」と呼びかける、などなどライブよろしく厳重な規制を敷く必要がある。できるだろうか。そして、それは”学校の授業”だろうか。

この期に及んで精神論のようになってしまうが、毎日が授業参観、いつ見られても問題のない授業をする、そう思えば何の問題もない気がしている。どうしても公には書きにくい(学習上効果のある)ブラックジョークがあれば、そこだけ口頭で話せば、対面授業の意味も高まるというものである。

私見も交えて好き勝手に書いたが、ここに挙げたデメリットは、どれも対策のしようでカバーできる。メリット/デメリットのバランスをどう見るかは、それぞれの判断にお任せしたい。少なくとも、情報系科目を教える教員にとっては、難しいことではないと思う。