辞表は出さなかった。週3.75日正社員で働く選択の話

3月。僕は会社を辞めるつもりだった。

もともと週5でWebディレクターとメディアの編集をしつつ、個人でもフリーランスの編集・ライターとして働いてた。フリーの仕事を始めたのは会社に所属するよりも前からだ。(もちろん副業可の会社)

そのなかで、昨年後半から個人で受ける案件が増えていき、そのいくつかに「もっとコミットしたい」と思うようになった。背景には、一緒に働ける人が素晴らしい人であったり、自身の編集・執筆スキルを伸ばせる良い機会になりそうだと思ったからだった。

会社の仕事が嫌なわけでは無いし、業務内容もチームも比較的好きだった。ただ成長機会としてフリーの仕事で得られる経験がとても魅力あるものだと考えた。そこで会社と話をしてみることにした。

最初に話したのは今年のはじめ頃だった。直属の上司、その上の担当役員含め相談をはじめた。

外での経験を中でも活かせないか

「給料半分でいいんで、会社での仕事半分にして外で仕事させてもらえませんか?」

正直僕が上司ならぶん殴るなと思うくらいなめたことを言っていたと思う。半分くらいは本気だったが、半分くらいは「どうせ無理でしょ」と思っていた。

僕は社内外で編集系の仕事をしていたが、社内には他に編集系の経験を持った人はいなかった。実質僕はフリーの仕事で得たアセットで会社の仕事を回していたし、それでも経験を積めるという意味ではいいと思っていた。

ただ、誰かの下で学ぶ経験は確実に身になるし、吸収速度が違う。それは「sentenceゼミ」に通って思ったし、編集・ライターとしてスキルを上げるためにはいまの環境では頭打ち感も正直あった。

結果はNGだった。会社にメリットが薄いと言うのが端的な理由。正直、セキュリティ面でも実業務面でも不都合が起こる可能性はある。僕自身妥当だなと思った。

ひっくり返したのは社長だった

ざっくり話がまとまったのが3月後半くらい。引き継ぎなど考えながら整理をはじめだした頃、話をひっくり返したのは社長だった。無論いい意味で、だ。

端的な話、「週の稼働を減らし、外部での仕事OKです」ということになった。完全に鶴の一声だった。外部で学んだアセットを社内にも活かすという条件はついていたものの、それは僕の望むところでもあった。

時間は、正社員という枠組みの問題で週3.75日労働という不思議な感じになった。正直3日にしたい気持ちはあったが妥協ラインだった。

3月末にそんな話になり、詳細が詰まったのが4月中頃。5月から僕は週3.75日正社員となった。

もともとリモートワークが当たり前で柔軟に働けるカルチャーな会社と言うこともあり、基本はスケジュール含め柔軟に働かせてもらっている。会社のカレンダーに予定を入れ、外部の仕事を可視化しておくことや連絡はマストだが、平日だろうと予定がかぶらない範囲で好きな時間に好きな予定を入れている。

月〜日まで、僕の予定表には個人の仕事と会社の仕事が入り乱れながらカレンダーを埋めている。会社員とフリーランス編集者・ライターを文字通り、「複業」している。

この働き方をして3ヶ月以上が経過した。細かいコミュニケーションの問題などなどはでつつも、引き続き自由にやらせてもらっている。また徐々にではあるが社外で得た経験で社内に生かせるものも見えてきたと個人的には思っている。

ただ社内全員が理解をしてくれているわけではないだろうし、上手くいかない部分も当然ある。(正直この働き方をしているのが僕だけというのもあり、あまりいい気はしないだろうなと思うこともある。)

他方で個人の仕事は当初の想定以上に楽しく、かつ良い経験をさせてもらっていると思う。いくつかのメディア等に関わっているが、地獄のような立ち上げも、常に課題を解決しながら走り続ける難しさも、いろいろ経験させてもらっている。

別に今も苦しいし課題は抱えているし、この記事もタスクが遅れているのに書いていたりする。ただ、さまざまな経験を通して自分の「レベルアップ音」がする瞬間に度々出会えるのは、何にも代えがたい経験だ。

社会には多様な選択肢が必要だ。無論僕のやり方がいいという話ではなく、「辞める」でも「諦める」でもない選択肢をとれる環境はもっと増えていくべきだと思う。