研究技術をWebAPIで公開しよう

Keigo Hattori
8 min readMar 25, 2017

--

みなさんの会社はこういう状況になっていませんか?

「研究技術を持て余していて、良いビジネスに繋げられない。でも、いつか良いビジネスに繋がるかもしれないから、それまで取っておこう。」

そういって技術を死蔵させ、高い特許維持費を支出しています。本当に将来良いビジネスに繋がるのでしょうか?現実を直視せず、問題を先送りにしているだけではないでしょうか?

これに対してやることは簡単です。

  • 経営層にビジネスセンスがないのか
  • 研究技術が3流なのか

これを明らかにすればよいのです。そして、ひとつの方法として

『研究技術を使える形で公開する』

ことをApitoreは提案します。

研究技術を公開することはメリットしかない

研究技術を使える形で公開して、外で色々なヒトに触れてもらう。すると、もしかしたら自社では思いもしない使い方をして新しいビジネスを開くヒトが出てくるかもしれません。逆に、レビューコメントで酷評され、誰にも使われない3流以下のまったく使えない技術ということが明らかになるかもしれません。いずれにせよ、メリットしかありません。

例えば
レビューで酷評され研究技術を使う人もほとんどいなかった場合、その研究は3流以下だと分かるので高い特許維持費用を支払う必要はありません。つまり、不要な特許を放棄することで支出を減らし、全体として経常利益を上げることができます。デメリットと言えば、3流以下研究技術を作った研究者のプライドが傷つく、それだけです。

例えば
社外で新しいビジネスが出てきた場合、そのスタートアップに投資するという経営判断ができるでしょう。また、そのスタートアップのきっかけとなった自社の特許をライセンシングしたり、自社の研究チームをそのスタートアップに出向させるという経営判断もできるでしょう。適切なコンピテンシーを持つ人材が適切な場所に配置されることで、スタートアップを成長させるのです。これは一種のCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)です。つまり、自社の研究技術とシナジーがある領域に投資することになります。デメリットと言えば、ビジネスセンスがなかった経営層のプライドが傷つく、それだけです。

『研究技術を使える形で公開する』

ソースコードを公開することには抵抗があるでしょう。というわけで、WebAPIで技術を公開するのはどうでしょうか?

そもそも、ソースコードを公開されてもほとんどの人が使いません。論文や特許での公開は論外です、誰も実装しません。死蔵=公開しない、つまり存在しないのと一緒で、価値は絶対に産みません。

このひとつの解決策がWebAPIによる技術の公開です。特に死蔵させてるような技術はすぐにでも公開してアイデアある人とコラボレーションする道を模索した方が有意義でしょう。自社で出来るのであればすぐにやりましょう。もしお手伝いが必要ならApitoreを頼ってください。

その技術、Apitoreで公開しませんか?

Apitoreはアルゴリズムを売り買いできるマーケットプレイスです。ですが、ソースコードを売り買いするわけではありません。WebAPIの形で売り買いします。ソースコードはApitoreのクラウドに設置します。WebAPIを使ってクラウドにやってきたデータを受け取り、処理して結果を返す。この一連の処理に対して対価を受け取る。それだけです。

例えるならば、クラウドソーシングです。クライアントは作業を依頼し、作業者は自身のノウハウを活かして作業を行い、結果をクライアントに返す。作業者のノウハウが公開されることはありません。

クラウドソーシングの例で分かるように、WebAPIは機械学習/人工知能の技術と親和性が高いです。自然言語処理や画像処理などは、まさに機械学習/人工知能が使われています。機械学習のコアとなる学習モデルは多大なデータと時間をかけて構築します。そのような技術が死蔵状態にあるならば、すぐにWebAPIで公開することをおすすめします。

興味ある方はコメント欄か以下のリンクからお問い合わせください。

お問い合わせフォーム
https://apitore.com/support/contact

Apitore(あぴたー) -WebAPIのマーケットプレイス-
https://apitore.com

Q&A

Q. 3流だとわかった研究技術はどうすれば良いでしょうか?
A. 少なくとも特許維持はやめましょう。無駄な特許維持費を削減することで支出が減り、全体で見ると経常利益が上がります。

Q. 研究技術が3流だと分かったら、その研究を有する会社のブランドイメージは傷つきませんか?
A. 傷つきません。そこまでユーザーは企業に関心がありません。どうしてもブランドイメージが気になるのでしたらApitoreを利用してください。Apitoreでは研究技術を匿名アカウントから公開&検証することができるので、ブランドイメージを傷つけずに済みます。

Q. 特許維持を辞めたあとに外部で成長事業が生まれたらどうしよう?
A. 生まれません。杞憂です。むしろ生まれたなら、そのスタートアップを祝福してあげてください。少なくとも自社では全く使えず、外でも誰も見向きもしなかった技術をインキュベートしたわけですから。逆にそのスタートアップに投資するくらいの余裕を見せてください。

Q. 3流ではなく「はやすぎた」技術ということもあるのでは?
A. 適切な時期に再チャレンジしてください。大企業であれば収益は別で確保できるので、スタートアップと違って適切なタイミングで再チャレンジできます。ただし、何をもって「はやすぎた」と判断したのかは明確にしないと適切なタイミングを見落としてしまいます。

Q. 3流技術を現在も担当している研究者はどうしたら良いでしょうか?
A. リソースシフトしましょう。人材は宝です。有望な人材だと思うのであれば、別の適切なテーマを与えてください。有望だと思わないのであれば・・・。

Q. リソースシフトを指示したら反発があるのでは?
A. 反応は2通りあります。指示に従うか、従わないか、です。指示に従う場合、たとえ文句を言ったとしても懲戒覚悟で勝手に研究継続したり会社を辞めてまで続けたりする気概は持っていないので、放っておきましょう。もしかしたら自分で自分を3流だと自覚していて、これを機会にキャリアを考え直せて幸せに思う方もいるかもしれません。指示に従わない場合、期間を決めて行動と結果で示させましょう。結果が出なければ改めて会社の指示に従わせ、それでも反発する場合は懲戒しましょう。会社は研究者のための慈善団体ではありません。3流だという事実を突きつけリソースシフトを指示したことで、今まで行動しなかった方が反発して行動に移せたのです。本人の成長のキッカケになったのです。(心象はさておき)良い変化が起こった証拠です。

Q. リソースシフトを指示したら転職されてしまった。
A. 祝福してあげてください。新しいテーマに賛同しなかったか、自分の技術に相当なこだわりがあるかのいずれかです。いずれにせよ、社内で評価されず、社外でも評価されていないにも関わらず、外でチャレンジしようという気概を持つ方なので、応援してあげてください。その方が外で成功したならば、それは自社では絶対に起こり得なかったことなので、その方にとっては幸せです。祝福してあげてください。

Q. 出向させようにも、既に別のプロジェクトを担当させている。
A. 現在のプロジェクトを廃止して出向させましょう。現在のプロジェクトを辞めてもたいした影響はありません。なぜなら、現在のプロジェクトは、ビジネスセンスがない経営層が考えたプロジェクトであるか、目的もビジョンもない経営層が無責任に部下に丸投げしたプロジェクトであるか、いずれかだからです。そしてこれまでと同じように、まず間違いなく頓挫するでしょう。潔く現在のプロジェクトを廃止して、勢いのあるスタートアップに投資しましょう。

Q. すでに自社で色々やっている。
A. 研究技術の公開は、既に御社でやっている試み(CVC、新規事業課、共創ラボ、インキュベーションセンターなど)と競合するものではありません。お好きなやり方を選んで並列でやれば良いと思います。

Q. 研究技術を公開したら『確実に儲かるのか』『3年で100億の市場になるのか』『他社排除・利益独占できるのか』
A. わかりません。その方法がわかったら100億払うので教えてください。

最後に

このQ&AはApitoreの一意見であり、経営判断を下すのは経営陣の方々です。参考になりましたら幸いです。

--

--