仮装通貨OmiseGOとは? 初心者ガイド

Keigo Saita
32 min readDec 12, 2017

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OmiseGOについて体系立ってまとまった記事はないのかなと探していたところ、Jérémie Grandsenneさんという方のThe Definitive OmiseGO Beginner’s Guideという良さげな英語ブログを見つけたので、これを(少々加筆修正しながら)翻訳してみようと思います。

長い文章ですがかなり基本的な部分から説明がなされているので、自分の興味があるところをつまんでください。

以下翻訳

ブロックチェーンのプロジェクトや暗号化のための関心が急速に高まっている中で、OmiseGOは最も強力で最もエキサイティングなプロジェクトの1つであるように思えます。しかし、かなり複雑な概念が含まれているため、初心者が明確で完全なガイドを見つけるのは難しいでしょう。OmiseGOのウェブサイトは、必要なすべての文書、特にシステム全体の詳細な説明である「ホワイトペーパー」を提供しています。この「ホワイトペーパー」は非常によく考えられていて、正確な文書ではありますが、一見して読むのが難しいとは思わないと言えば嘘になるでしょう。

既に質の高いレビューはいくつかあり、もちろんそれらは便利ではあるのですが、多くの場合パートナーシップのようなトピックの具体的な点を紹介するだけで、全くの初心者にプロジェクト全体を紹介するようなものではありません。

だから、この野心的なプロジェクトを多くの人が理解することができるように、私は誰でも読めるような包括的なOmiseGOのガイドを書くことにしました。

私は非常に基礎的なことから説明するので、すでに理解している点はスキップして、自分の興味のあるポイントを読んでください。この記事はわかりやすい構造になっており明快なタイトルと導入となる要約がついているので、初めから終わりまで読むのが大変な場合は必要な部分だけ読むことができます。

注意してほしいのは、私がこの記事を投資のアドバイスではなくOmiseGOの説明を目的として書いたということです。投資はリスクを伴います。私は投資することを推奨してはいません。「なぜOmiseGOに投資するのか」という項目の文章でさえ、プロジェクトに投資する理由が何であるかを説明するだけで、投資すべきかそうでないかのアドバイスではありません。

私はOmiseGOが何であるか、それが何を構築しているのか、そして今後何ができるのかを分かりやすく説明しようと思います。

目次は以下の通りです。

1)会社

Omiseとは?

OmiseGOとは?

どのようなチームメンバーか?

OmiseはどのようにしてOmiseGOを立ち上げたのか?

2)プロジェクト

A.基礎編:ブロックチェーン/イーサリアム

インターネットサービスはブロックチェーンなしでどのように機能しているか?

伝統的なモデルの問題は何か?

ブロックチェーンとは何か?

イーサリアムとは何か?

B.OmiseGO

OmiseGOはどのような現実的な問題を解決したいのか?

OmiseGOはどのような顧客をターゲットにしているのか?

OmiseGOが作っているものは何か?

OmiseGOブロックチェーンとは何か?

分散型取引所(DEX)とは何か?

OmiseGOウォレットとは何か?

ホワイトラベルウォレットSDKとは何か?

OMGトークンはどのように使われるのか?

C.他のプロジェクトとの相互作用

イーサリアムとOmiseGOはどのように相互作用するのか?

Plasmaとは何か?

3)パートナーと投資家

4)将来像

A. OmiseGOの未来

OmiseとOmiseGOの間には何が起こるのか?

OmiseGOのロードマップとは何か?

B.なぜOmiseGOに投資するのか?

5)よくある質問

ネットワーク料金の額はいくらか?

ステーキングに必要なOMGコインの最小額はいくらか?

OMGはERC20トークンか?

OMGトークンは将来別のトークンに置き換えられるか?

OMGトークンを格納する場所はどこか?

どのようにOMGを購入できるのか?

1) 会社

Omiseとは?

Omiseはタイでで2013年に設立された企業です。何千もの顧客にオンライン決済ソリューションを提供しています。これらの顧客は、Omiseの決済ソリューションを使用して自社の製品またはサービスを自社のお客さんに販売する企業です。

Omiseは2016年にForbes Thailandにて「Fintech rockstars」として特集され、2017年にタイの首相から「Digital startup of the year」に表彰されました。加えて、2017年にはForbes Japanにて起業家ランキングTop10にも選出されました。

Forbes Thailandの表紙を飾りました。
Digital startup of the year表彰式

OmiseGOとは?

OmiseGOはブロックチェーンテクノロジーを活用するために2017年に設立されたOmiseの子会社です。OmiseGOは第三者に依存することなく安全なオープンな方法を提供することで、人々が財産を管理し交換する方法に革命を起こすことを目指しています。

どのようなチームメンバーか?

長谷川潤はOmiseのCEOであり、Donnie HarinsutはOmiseのCOOです。OmiseGOのCEOはVansaです。Lightning NetworkやPlasmaなどの共同著者であるJoseph PoonはOmiseGOのホワイトペーパーの主な著者であり、アドバイザーチームにはイーサリアムの創設者のVitalik Buterinやイーサリアムの共同創設者のGavin Woodなどがいます。

(左から)Thomas Greco, Vansa Chatikavanij, Gavin Wood, Vitalik Buterin, Donnie Harinsut, Jun Hasegawa

OmiseはどのようにしてOmiseGOを立ち上げたのか?

Omiseは、OmiseGOプロジェクトを開始するためのICOを計画していました。ICOはInitial Coin Offeringの略称であり、ブロックチェーン・プロジェクトにおいてしばしば採用される資金調達手段です。企業やプロジェクトはトークンを販売し、将来的に価値が上がるとプロジェクトを信じた投資家が購入することで資金が調達されます。

通常、ICOは企業がICOを介して募集したい最大金額、つまりICOを通じて売りたいトークンの最大金額に達したときに停止します。OmiseGOはICOを通じて2,500万ドルの資金を調達したことで有名です。彼らは上限を設けずに1億ドルもの資金を調達することも可能だったかもしれませんが、プロジェクトに必要な額が集まったところでストップさせました。この行動は、公正さと信頼の証とみなすことができるでしょう。

具体的な経緯についてはこちらのForbes Japanに掲載された記事に書かれています。

2) プロジェクト

A.基礎編:ブロックチェーン/イーサリアム

インターネットサービスはブロックチェーンなしでどのように機能しているか?

ブロックチェーンなしで機能する伝統的な方法は集中データベースモデルです。企業は、サーバーと呼ばれる多くのコンピュータに保管されているデータライブラリであるプライベートデータベースを所有しています。この企業はまた、TCP / IPプロトコル(特定のアドレスを入力することで​​特定のサーバにコンピュータを接続できる仕組み)を用いて、人々がインターネットを介してアクセスできる公開Webサイトを提供しています。例えば、http://www.facebook.comと入力すると、Facebookのウェブサイトに移動します。つまり、TCP / IPプロトコルのおかげで、Facebookのhttpアドレスを入力するとあなたのコンピュータはFacebookのサーバーに接続されるのです。

また、ユーザーがブラウザを介して特定のWebサイトのインターフェイスで操作を要求する(リンクをクリックしたりフォームに記入したりする)と、Webサイトは、サーバー上の関連情報をプライベートデータベース内で検索し、それらの情報をユーザーの画面に表示します。また、必要に応じて、Webサイトは、ユーザープロファイルの作成、編集、削除の場合など、ユーザーの操作に応じてデータベース情報を更新します。

このモデルでは、ある企業だけがデータベースを所有しているのです。つまり、①ユーザが画面上で見るものの技術的マトリックスであるプログラム命令の集合、言い換えればウェブサイトで許可された動作を定義する規則や、②ウェブサイトによって使用されるすべてのデータを含むライブラリ( ウェブサイト上で使用される画像など)、ユーザーがウェブサイトに入力する可能性のあるすべてのデータ(プロフィール画像、検索履歴、支払い情報など)などをその会社が保持しています。

Image source Infomotions.com

伝統的なモデルの問題は何か?

従来の集中データベースモデルには主に3つの問題があります。

1つ目の問題はセキュリティです。ハッカーがデータベースのセキュリティを破ることに成功した場合、機密性の高いコンテンツが漏洩しユーザーの安全やプライバシーを侵害する可能性があります。

2つ目の問題はプライバシーです。ウェブサイトは人々のプライベートなデータを使用します。これはそれぞれのウェブサイトのポリシー次第ですが、データを持つ企業は匿名のビッグデータを第3者に売ったり、データをダイレクトカスタムマーケティングに使ったり、個人的なスパイ活動に利用したりすることができます。

3つ目の問題は信頼の必要性です。企業がデータを悪用しないことを前提として、ユーザーは重要な個人情報を提供しています。

このモデルにおいては、ユーザーは自らのデータを管理するのではなく、十分信頼できると思える第3者に管轄権を委譲しています。

ブロックチェーンとは何か?

ブロックチェーンとは分散型データベースであり、またネットワークでもあります。

どういうことでしょうか?

先ほど説明した従来のシステムは、基本的にユーザーのクライアント(コンピュータとインターネットブラウザまたは接続されたアプリケーション)と、クライアントと通信するWebサイトのサーバー/データベースという2つから構成されています。

例えば、10,000人のユーザーが同じWebサイトに接続すると、一方の側に10000のクライアントがあり、もう一方の側に1つのデータベースがあります(Webサイトが大きい場合は多くのデータベースのコレクションですが、最後には1つの集中データベースに相当します)。データはクライアントからサーバーへ、またはサーバーからクライアントへという2方向で移動します。

では、Webサイトがプライベート・データベースを所有しておらず、その代わりに、それ自身もクライアント(ユーザー)であり、同時に10,000のクライアントのそれぞれも、データベースの同一のコピーを所有している状況を考えてみてください。

Image source Seats2meet.com

この10,000人のユーザーの中にハッカーが隠れていて、自分の利益のためにデータベース内の情報を改ざんしたいと考えている場合(例えば、被害者のアカウントから自分のアカウントに金銭を転送させたい場合)、変更を加えた自分のデータベースは他の9999個のデータベースと内容が異なるため、データベースのコピーは自動的に拒否され、改ざん行為も拒否されます。

従来のデータベースのような行と列からなるものではなく、次々と追加されていく情報のブロックのチェーンのようなデータベースを想像してみてください。データが記載されたブロックを編集したり消去したりすることはできなくなります。

そして、新しいブロックが追加される場合を考えてみてください。新たなブロックはデータベースのコピーを所有しているすべてのユーザー(または十分な数のランダムなユーザー)によって確認されなければなりません。

これが、「ブロックチェーンとは分散型データベースである」ということの意味です。何千ものコンピュータがデータベースを共有するようになりました。前のブロックとの整合性が確認されなければ、データベース内の1つの行すら勝手に消去したり変更したりすることはできません。その結果、集中データベースのセキュリティを壊し、機密コンテンツを盗む能力を持つハッカーは、非常に複雑な暗号の障壁を乗り越える必要が生じます。これがブロックチェーンが事実上破られないと考えられる理由です。このポイントを深く理解し、ハッシュとナンセンスについて学ぶためには、Anders Brownworthのこの非常に明快で興味深いビデオをここで見ることができます。

そして、「ブロックチェーンとはネットワークである」ということは、分散されたデータベースの独自のコピーを所有しているすべてのコンピュータがすべて特定のアプリケーションを実行していることを意味します。このネットワークの各ポイントは、このデータベースのコピーを所有し、このアプリケーションを実行します。彼らはウェブと同様に、複数の回線が接続するリンクおよび節点として機能するため、ノードと呼ばれます。このノードの水平的なアーキテクチャにより、ノードが仮想的に他のノードにリンクされているため、データはサーバーからクライアントまたはサーバーへという2方向で移動するだけでなく、誰もが任意のノードから任意のノードに対してのクライアントとサーバーの双方になることが可能になりました。このデータはどんなタイプの情報でもかまいません。どんな種類の情報も任意のノードから他のノードにも移動できるこのネットワーク構造が、ネットワークとしてのブロックチェーンです。

そして、ユーザーは、ノードを自ら実行しなくても、また、独自のデータベースのコピーを所有しなくても、このネットワーク上で実行されているアプリケーションを使用することができます。

イーサリアム(Ethereum)とは何か?

Ethereumという用語は、Ethereumブロックチェーン自体とこのブロックチェーン上で実行されているEthereumアプリケーションレイヤーの両方を指します。Ethereumブロックチェーンは、ある特定のブロックチェーンであり、Ethereumノードとして機能する数千のコンピュータで構成されたネットワークです。また、Ethereumアプリケーションレイヤーは、開発者がEthereumネットワーク上で独自のアプリケーションを開発するために使用できるアプリケーションプロトコルレイヤーを指します。

Ethereumはまた、スマートコントラクトという概念を普及させました。スマートコントラクトとは、2人の参加者の間でルールを定義し、2人のうちの1人がもう一方の同意なしで契約の条件を変更することができず、両方の参加者によって受け入れられた条件が満たされたときにのみ実行される契約です。 契約は財政的なものでも、他のどの分野でも生じる可能性があります。また、Ethereumプロトコルには独自のトークンEther(ETH)も含まれています。

Image by Maria Kuznetsov, source Coindesk.com

言い換えれば、ブロックチェーンとは、コンピュータ間の特定のタイプのプロトコルおよびプロセス、または、ブロックチェーンプロトコルに基づいて構築された1つの特定のネットワークにを指しています。ブロックチェーンアプリケーションを開発するには、あるブロックチェーンを作成し、その上にアプリケーションを開発する必要があります。ブロックチェーンのエコシステムと開発はまだ発達途上の領域であるために、非常に複雑でコストもかかります。Ethereumは、有用で効率的なブロックチェーン、Solidityと呼ばれるJavaScriptに基づくプログラミング言語、そしてSolidityに基づいた開発フレームワークを提供することで、開発者がEthereumブロックチェーン上でアプリケーションを開発して実行することを可能にしています。

Ethereumが人気である理由は、スマートコントラクトプロセスの開発におけるEthereumブロックチェーンの堅牢さと品質にあります。Ethereumはアプリケーションレイヤーとして、開発者がブロックチェーンを構築するプロセスを省き、開発コストと学習コストの削減を実現したブロックチェーンベースのアプリケーションの世界への扉を開く鍵となります。Ethereumは既にアクティブであり(2015年7月から)いまだに開発中です。多くの人々は、インターネットが20年前にそれを変えたのと同じ方法でEthereumがパラダイムシフトをもたらし、世界を知り他人とやり取りをする方法を変えるかもしれないと考えています。

B. OmiseGO

OmiseGOはどのような現実的な問題を解決したいのか?

OmiseGOは2種類の問題に取り組んでいます。

1つ目の課題は、アジアの何億人もの人々、そして世界中で20億人の人が銀行口座を保有していないということです。彼らは銀行口座にアクセスすることはできず、高いコストを払わなければ、簡単に送金したりお金を受け取ったりすることはできません。一方で、特にアジアでは非常に高いインターネット普及率を見られます。多くの人が銀行口座は保有していませんが、より多くの人がインターネットにつながっているのです。

OmiseGOは、そのような人々にソリューションを提供し、最小限のコストで彼らの通貨や資産の管理を可能にしたいと考えています。

2016 map. Source PaymentsCardsAndMobile.com

第2の課題は、OmiseGOが「決済プロセッサー、ゲートウェイ、金融機関の間の基本的な調整問題」と定義している問題です。経済・金融の世界には、1つのネットワーク内でしか送金することができない閉鎖型ネットワークはたくさんありますが、クロスネットワークでお金や価値を送信するにははるかに多くの費用がかかります。

OmiseGOは、通貨や資産の種類、国や法律の管轄権にとらわれず、簡単に低コストで任意のネットワークから任意のネットワークに送金することが可能な分散型ソリューションをユーザーと企業に提供したいと考えています。

結果として、ブロックチェーンのセキュリティで保護されたネットワークを通じて、あらゆる資産や価値を最小限のコストで交換可能にするネットワークは人々の日常生活における暗号通貨の使用を増加させるでしょう。

OmiseGOはどのような顧客をターゲットにしているのか?

OmiseGOは2種類の顧客をターゲットにしています。

1つ目は個々のユーザーです。目的は、銀行の口座に代わるものとして簡単な日常的な解決策を提供することです。信用の第三者としての銀行に依存せずにオープンネットワーク上で金銭を簡単かつ安全に、自らの財政の管理することを可能にします。

2つ目は企業や、ウォレットサービスのプロバイダ、より一般的には電子決済プロバイダ(EPP)です。ユーザーがシームレスに任意のネットワークから任意のタイプの価値を他のネットワークに送信できるソリューションを提案することができ、現在よりもはるかに多くの自由をより少ないコストで提供することができます。

OmiseGOが作っているものは何か?

OmiseGOは、Ethereumベースのブロックチェーン上で、リアルタイムで、そしてピアツーピアで価値交換が可能な完全分散型システムを構築しています。この全てのシステムは、OmiseGOブロックチェーン(ネットワーク)上で実行され、以下のものを含みます。

・分散型取引所(DEX)

・OmiseGOウォレット

・ホワイトラベルウォレットSDK

・OMGトークン

OmiseGOブロックチェーンとは何か?

OmiseGOは独自のネットワークであるOmiseGOブロックチェーンを構築しています。OmiseGOブロックチェーンは、OmiseGO社が独自の財産として所有するのではなく、それを使用するすべての人に属するオープンなネットワークになります。OmiseGOプロダクト(DEX、OmiseGOウォレット、OmiseGO SDKで構築されたウォレットまたはアプリケーション)を使用して実行される操作は、一部はOmiseGOブロックチェーンで、一部はEthereumブロックチェーンで行われます。

分散型取引所(DEX)とは何か?

ネットワーク上で通貨や資産を送受信できるようにするため、OmiseGOブロックチェーンには分散型交換(DEX)が含まれます。ある価値をリアルタイムで他の価値と取引することができます。

このようにして、OmiseGOネットワークを使用する電子決済プロバイダは、顧客が彼らの独自のネットワーク内だけでなく、このネットワークを介して他のネットワークに対しても支払いを送受信できるようにすることが可能になります。OmiseGOブロックチェーンは、ブロックチェーンとしての役割を果たすだけでなく、他のブロックチェーンが接続できるハブとしても機能します。他のブロックチェーンにも接続でき、さまざまな支払いチャネル間の従来の境界を壊すことができます。つまり、OmiseGOはeWallet間における交換を可能にし、OmiseGOブロックチェーンはすべてのeWalletサービスの残高の元帳を保持します。

OmiseGOブロックチェーンは、分散型のオーダーブックと取引エンジンも含みます。さまざまなeWalletの独自の通貨間の取引は、ブロックチェーンを使用して十分に速く扱うには多すぎるかもしれません。これは、電子決済プロバイダが最も使われる少額移動のために一定の流動性プールを保有することが期待される理由です。また、これはOmiseGOネットワークの目標でもありますが、流動性の高いマーケットを創出し、迅速な取引や移転を可能にするために、一部のETHはOmiseGOチェーン上のスマートコントラクトに結び付けられ、任意の仮想通貨や法定通貨がETHで取引することが可能になります。

例えば、AさんはBさんに日本円で送金したいが、Bさんはドルで受け取ることを望むような場合に、Aさんは日本円を送り、日本円がETHと取引され、ETHがドルで取引され、Bはドルで受け取ることができる。ETHを取引の参照通貨として使用することは必須ではありませんが、仮想通貨をペアの参照通貨として使用する方が効率的かつ迅速になります。

ネットワークの規模を拡大するために、 Plasmaと呼ばれる現在開発中のLightning Networkのような構造では、多くの操作をオフチェーンでオフロードできます。すべての電子決済プロバイダは小規模な送金のためのチャネルをETHスマートコントラクトに開設し、小規模な取引が多すぎるOmiseGO分散型ブロックチェーンネットワークを圧倒することなく、自らの中央集中型ネットワークに流動性を提供することができます。

Source OmiseGO

OmiseGOウォレットとは何か?

ウォレットは基本的に、資産を送り、受け取り、管理することができるアプリケーションです。

OmiseGOブロックチェーンにおいて、ウォレットはそれが開かれたとき(つまり、アプリケーションが起動されたとき)、あなたのコンピュータをブロックチェーンのノードにするものです。つまり、ブロックチェーンはコンピュータ上で実行されているウォレットのネットワークであるということです。

ホワイトラベルウォレットSDKとは何か?

SDKは、プログラミングフレームワークとも呼ばれるソフトウェア開発キットです。React、Angular、Ruby on Railsもフレームワークの1種です。SDKは、特定の目的のための事前定義されたプログラミング関数のコレクションであり、開発者は最初からすべてをコーディングしなければならない場合よりもはるかに高速で効率的な方法でアプリケーションを開発できます。例えば、SDKは特定の “do-this”関数を提供しています。この関数の背後には1000行のコードがあり、SDKを使用するプログラマはSDKの “do-this”命令を使用するだけなので書き込む必要はありません。 SDKは多くの “do-this”のような機能を提供し、開発者の時間とコストを節約します。

OmiseGOによって作成されるホワイトラベルウォレットSDKは、その名の通り、開発者が自らの顧客向けにウォレットを短期間で効率的に開発するためのフレームワークとなります。SDKを使用するだけで、プロセスを加速し、費用と時間を節約し、独自のブロックチェーンを構築する苦痛なプロセスや複雑なブロックチェーンモデルを完全に理解する苦労する学習コストを省くことができます。

OmiseGOホワイトラベルウォレットSDKは、誰でも無料で自由に使用できます。SDKで開発されたアプリケーションで発生するすべてのトランザクションはOmiseGOブロックチェーン上で自動的に行われます。

OmiseGOによると、既存の大手プレイヤーは独自のブロックチェーンと独自の財布を開発するリソースを持っていますが、金融および価値移転市場にはロングテールの中小サイズの財布プロバイダーが登場し、OmiseGOのSDKを活用するだろう、ということです。

OMGトークンはどのように使われるのか?

OmiseGOウォレットアプリケーションは、単なるお金を送受信する手段ではありません。

ブロックチェーンでは、トランザクションが発生すると、そのトランザクションはトランザクションの集合である「ブロック」に含まれます。ブロックが有効なものとしてブロックチェーンに追加されるためには、ネットワークのアクター、つまりウォレットを開いているコンピューターによって認証されなければなりません。

しかし、財布を開いておくだけでは不十分です。あなたの財布が空の場合、ブロックを確認することはできません。それではどのように機能するのでしょうか?

あなたの財布に一定量のOMGトークンを保持すると、ブロックを確認する権利が購入されます。 (ネットワークのセキュリティを高めるために、OMG検証者はEthereumネットワークのノードも実行する必要があります)。

さて、なぜあなたがその権利を持つ理由はなんでしょう?

その理由は、OmiseGOブロックチェーンはPoS(Proof of Stake)システムの通じて機能するからです。OmiseGOブロックチェーン上で発生するすべてのトランザクションはわずかな手数料を生み出します。取引の数が十分であれば、大量の小額の手数料が積み重なり大きな金額になる可能性があります。あなたのウォレットにトークンを保持することは、Stakingと呼ばれます。PoSシステムでは

・ネットワークで発生した料金は、トークン所有者(ステイカー)に分配されます。

・保有するトークンの量に比例して報酬を受け取ることができます。ウォレットに2000 OMGを保有する人は、1000 OMGを保有する人が受け取った金額の2倍を受け取るでしょう。

Passive income / Credit Don Rosa, Disney, Glénat

・ネットワークを悪用した場合、保有しているすべてのトークンが焼失されます。 これらのOMGトークンを取得するために支払った金額を失い、今の時点で持っていた価値を失います。もちろん、ネットワークから手数料を受け取る権利も失うことになります。

あなたがより多くのトークンを保有するほど、あなたがより大きな手数料を受け取ることができる理由は、あなたがシステムを攻撃する際のリスクがより大きくなるからです。したがって、大量のトークンを保有したあなたはシステムを攻撃したくないと考えるでしょう。信頼できるノードと見なされるほどより多くの金銭的報酬が得られます。

しかし、もしBitcoinに使用されているPoW(Proof of Work)システムがわかっているならば、PoWとは異なり、どのノードがブロックを確認したかを知ることは、誰が料金を受け取るかに影響を与えないことに注意することが重要です。重要なのはどれだけのトークンを持っているかだけです。 PoSは、すべての機械が取引を確認するために競合する膨大な量のエネルギーを消費するPoWよりもはるかに低コストのシステムです。

この経済的インセンティブは、OmiseGOネットワーク上でより多くの取引が行われるほど、受動的な収入がOMG保有者にもたらされる理由です。これによって、OMGトークンはより高い価値を持つようになります。

さらに、OMGトークンは、それを受け入れる企業に対しての支払い手段としても使用可能になります。

C.他のプロジェクトとの相互作用

イーサリアムとOmiseGOはどのように相互作用するのか?

上記のように、OmiseGOは独自のブロックチェーンを構築していますが、実際にはすべての操作がOmiseGOブロックチェーンで行われるわけではありません。どのようなお金がどこに行き、どのような取引注文がどのように実行されるかを決定するために、OMGルールに属するすべてのものがOmiseGOブロックチェーンで発生しますが、最終的な配送はEthereumブロックチェーンで行われます。言い換えれば、OmiseGOチェーンではすべての決定操作(決済)が行われ、実際の最終送金はEthereumブロックチェーンに委任されます。

Plasmaとは何か?

ブロックチェーンは、従来の集中型データベースモデルに比べて多くのメリットを持っていますが、従来のモデルに取って代わるにはスケーラビリティの問題を解決する必要があります。PlasmaはOmiseGOプロジェクトのアドバイザーであるJoseph PoonとVitalik Buterinが共同開発したソリューションで、圧倒的なスケーラビリティを可能にします。Plasmaを用いることでOmiseGOネットワークは高速にトランザクションを処理することが可能になり、その効率はVisaネットワークに匹敵します。

OmiseGOはPlasmaを実装する最初のプロジェクトとなります。
Plasmaは現在開発段階であるため、OmiseGOは最初の段階ではPlasmaを使用せずに開発がなされています。

3)パートナーと投資家

この章は原文に誤りが多かったので省略します。時間があるときに追記します。

4)将来像

A. OmiseGOの未来

OmiseとOmiseGOの間には何が起こるのか?

最終的に、従来のOmiseソリューションを使用するすべてのトランザクションは、OmiseGOブロックチェーンに移動します。

OmiseGOのロードマップとは何か?

上記で説明したように、OmiseGOは単一のアプリケーションまたはサービスではなく、大きく3つの層に分かれています。OmiseGOは、囲碁になぞらえたロードマップをブログにて公開しました。

OmiseGOロードマップ

Layer 1: Omise Payment Acceptance Layer.

Omiseネットワークは既に決済を受け付けています。Payment Acceptance Layerを完了するための次のステップは、ホワイトラベルウォレットSDKのリリースです。

Layer 2: OmiseGO Decentralized Exchange (DEX) Network

PoSに基づき、DEXを含むパブリックブロックチェーンです。リリースは、2018年第2四半期に予定されています。

Layer 3: Decentralized Cash-in / cash-out touch point

この段階では、現金をデジタル通貨に変換すること、デジタル通貨を現金化して引き出すことができます。リリース日は公開されていません。

Horizon: Massively scalable cross-chain compatible DEX and permissionless network allowing payments and transfers

OmiseGOネットワークの最終的な目標を達成するには、まだ発表されていないPlasmaの開発が完了することが前提となります。

B.なぜOmiseGOに投資するのか?

OmiseGOネットワークが非常に多くの取引を処理し、取引に伴って発生する手数料がOMGの持分に応じて分配されます。プロジェクトが達成されれば、投資した人は受動的な収入を得ることができます。OmiseGOネットワークが非常に多くのトランザクションを処理するだろうと信じられる主な理由は2つあります。

①パートナーシップ

Omiseと銀行や企業との間のパートナーシップや、OmiseGOと他の企業との間のパートナーシップは、OmiseGOネットワーク上で実行される金融アプリケーションを使用するユーザーが数多く生まれる可能性、そして多くの手数料が発生する可能性を示しています。

②SDK

OmiseGOは、企業や銀行が独自の金融アプリケーションを自社のマーケットとそのユーザー用に作成するために使用できるプログラミングフレームワークを提供しています。 また、OmiseGO SDKで作成されたこれらのアプリケーションは、OmiseGOネットワーク上で実行されるので個々の処理に伴い手数料が生じます。OmiseGO SDKを使用している企業は、アプリケーションにOmiseGOのロゴを付ける必要はありません。開発のための時間とコストを削減するSDKは積極的に利用されるでしょう。

言い換えれば、OmiseGO SDKは、ブロックチェーンとアプリケーションを無料で簡単に用いるための道具であり、それを使用している企業は事実上OmiseGOのパートナーになります。 例えば、ある企業がOmiseGO SDKで開発したウォレットとアプリケーションをユーザーに提供し、100万人のユーザーベースを持つようになった場合、この100万人は同時にOmiseGOネットワークのユーザーでもあります。

そして、OmiseGO SDKをサービスによって獲得された100万人が、OmiseGOネットワーク上で手数料を生み出し、それがOmiseGO保有者に分配されるのです。

5)よくある質問

ネットワークの手数料はいくらか?

手数料はOmiseGOが決めるのではなく、需要と供給によって決定されます。こちらの記事をご覧ください。

ステーキングに必要なOMGコインの最小額はいくらか?

この情報はまだ発表されていません。

OMGはERC20トークンか?

はい、そうです。

OMGトークンは将来別のトークンに置き換えられるか?

いいえ。他のプロジェクトでは、開発のある時点でもともとのトークンを2番目のトークンに置き換えましたが、OmiseGOではトークンの変更はありません。

OMGトークンを格納する場所はどこか?

ERC20対応のウォレットであればどこでも大丈夫です。一般的な解決策はwww.myetherwallet.comであり、さらに安全に管理したい場合はハードウェアウォレットがおすすめです。

どのようにOMGを購入できるのか?

購入方法を解説した日本語記事を見つけたので、そちらの記事をご覧ください。

参照

Omiseホームページ:https://www.omise.co/ja

OmiseGOホームページ:https://omisego.network/

OmiseGO on Reddit: https://www.reddit.com/r/omise_go/

OmiseGO Mediumアカウント:https://blog.omisego.network/

OmiseJapanツイッターアカウント:https://twitter.com/OmiseJapan

OmiseGOツイッターアカウント: http://twitter.com/omise_go

長谷川潤ツイッターアカウント:https://twitter.com/JUN_Omise

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