最近、私が見聞きする(周囲の人たちがやっている)ことは、 「先端事例」というよりは「逸脱事例」 「価値の交換」というよりは「共同体への参加」 「ニーズ調査」を超えた「文化のデザイン」が行われている ではないか、と感じている。 逸脱事例とは 事例研究(Case Study)の手法について理解を深めようと読んだ「ブラックスワンの経営学(著・井上達彦)」において、「リサーチ・デザイン(著・田村正紀)」からの引用として、4つの事例分類について紹介されていた。 1)先端事例
当初は「ありえない」と思われるものの、普及すると「ふつう」になる事例。例として流通業におけるAmazonやeBayなど。 2)代表事例
ある関心事についての中庸的存在、もしくはそのことがらを代表する目立った存在。例として、ディスカウントストアにおけるウォルマート(会員制ディスカウントストアに限って言えばコストコ)。 3)逸脱事例
ほかの大多数と異なり、通説に適合しない事例。「既存の理論」や「業界の常識」の限界を明らかにし、理論の突破口や業界イノベーションの着想を得ることができる。将来においても大きなカテゴリーの代表モデルではなく、「ありえない」存在であり続ける。例として、アメリカの流通業において大部分をオリジナル商品で品揃えするトレーダージョーズ、健康ブームを作ったホールフーズなど。