最近、私が見聞きする(周囲の人たちがやっている)ことは、 「先端事例」というよりは「逸脱事例」 「価値の交換」というよりは「共同体への参加」 「ニーズ調査」を超えた「文化のデザイン」が行われている ではないか、と感じている。 逸脱事例とは 事例研究(Case Study)の手法について理解を深めようと読んだ「ブラックスワンの経営学(著・井上達彦)」において、「リサーチ・デザイン(著・田村正紀)」からの引用として、4つの事例分類について紹介されていた。 1)先端事例 当初は「ありえない」と思われるものの、普及すると「ふつう」になる事例。例として流通業におけるAmazonやeBayなど。 2)代表事例 ある関心事についての中庸的存在、もしくはそのことがらを代表する目立った存在。例として、ディスカウントストアにおけるウォルマート(会員制ディスカウントストアに限って言えばコストコ)。 3)逸脱事例 ほかの大多数と異なり、通説に適合しない事例。「既存の理論」や「業界の常識」の限界を明らかにし、理論の突破口や業界イノベーションの着想を得ることができる。将来においても大きなカテゴリーの代表モデルではなく、「ありえない」存在であり続ける。例として、アメリカの流通業において大部分をオリジナル商品で品揃えするトレーダージョーズ、健康ブームを作ったホールフーズなど。

逸脱事例・フリーランス共同体・文化のデザイン(その1)
逸脱事例・フリーランス共同体・文化のデザイン(その1)

2019年は「統合された人生の実践(Integral Life Practice)」をテーマに日々を過ごしたいと思います。 アカデミックと実践、精神と肉体、大学と仕事、ヨガとランニングと筋トレ、人材育成プログラムにおける成長度と満足度、個性尊重とチーム協調、考えることと行動すること(認識と行為)、、、 私の周囲には、対立(それは概念的なものであったり、物理的な時間の使い途であったり)している事柄が無数にあります。まずはそれらに意識的になること、気づけなかったこと、感じられなかったことを感ずること。次に細分化(バラす)して個々に対処するのみならず、いかに統合的に扱うか、アウフヘーベン(止揚)するか、といったことを追求します。 インテグラル理論との出会い Ken Wilberのインテグラル理論に出会ったのはたしか2013年頃に、マーケティングワークショップ研究会(ヤスハラさんの主宰していた勉強会)のゲストに、カリフォルニア大学統合心理学研究所で博士号を取得された鈴木規夫さんがいらっしゃったとき、と記憶している。知ること、理解すること、実践すること、にはだいぶ違いがありますが、私の視座を拡げ、その後の出会いや学び、生き方に少なからず影響を受けた。Wilberは”Integral Life Practice”といった実践手引書を執筆しており、「聞きかじったこと」から理解をあらためて、もう少し推し進めてみたい。

統合された人生を実践する
統合された人生を実践する

京都に住み始めてちょうど1年の日に、お灸を据えてもらった。鍼灸院でお灸先生に診てもらったという話です(笑)。お灸先生というのは、先生が監修を担当しているお灸漫画の中での呼び名です。個人の価値観の多様化に合わせ、日本の漫画も細分化・多様化が進みましたが、現代はお灸が漫画になってしまうご時世なのです。 先生の、お灸を据える際にも陰と陽がある、という話がとても面白かったです。いきなり結論から言ってしまうと、 ”陰”にあたる体の下半身や内側(内臓)は、体の毒素を排出したりする器官などが集まっている ”陽”にあたる上半身や外側(体表)は、エネルギーを取り入れる器官が集まっている ”陰”にあたる下半身(足裏からふくらはぎ、太もも、鼠径部、臀部など)が冷えると、血や水分の循環が悪くなり、寝ても食べても疲れがとれにくい体になってしまう このため、下半身を温めることが大事 といったお話でした。東京に住んでいた頃は、整体師さんに定期的にメンテナンスをしてもらっていましたが、京都でもやっと安心して相談できる方が見つかった気がしています。お灸を据えてもらった効果なのか、そうした安心感からか、ぐっすりと眠れました。これからはズボンの下にヒートテックを履き、外出時には足裏にホッカイロを貼り、就寝前には半身浴をするなど、冷え対策をしっかりやろう。

光が大きいほど影も大きくなる
光が大きいほど影も大きくなる
いま、足下にあるもの
いま、足下にあるもの
お前が目指している理想の自分とは何だ?
お前が目指している理想の自分とは何だ?

就職活動を目の前にした大学生から「自分のやりたいことが何か、よくわかっていない」といった話をよく聞くが、それは大学生に限った話ではない。私は33歳になっても考え続け、悩んだりしている。 私は「やりたいこと」のアイデア出しをすると幸い、その候補はたくさん出てくる。仕事について言えば、現在の本業である「法人向けの事業開発コンサルティング」のほかに「若手人材育成のファシリテーター」「ビリヤニの日本国内への普及」、その他にも「法人向けの問題解決型セールス」「事業開発とブランドマーケティングについての研究者」、コンサルティング業界向け人材紹介、広報・PR領域でのサービス立ち上げ、シェアハウス・オフィスや飲食店の運営、海外食品の買い付けと国内流通、ASP販売代理店など。どれもやってやれないことはないが、これを自分がやって何になる、という思いもあるのが正直なところだ。 志を持って、社会問題の解決にコミットしている起業家や、若くして自分自身の人生ミッションが分かっているような人が羨ましい。ただ、彼らは何かなすべきことをやってそうなった、というよりも自分の人生を生きる中でたまたま偶然、出会うことができた、だけではないだろうか。人生のミッションに出会うのが20歳の人もいれば、50歳の人もいる。こうしたパーソナルな問題、家族や友人、恋人といった人間関係の問題は、「答えが出る・出ない」以上に「向き合い続ける」ことに価値があると思う。悩み抜いても答えが出ないとき、というのは「今は答えがいらないとき」であって「葛藤を抱えたままいけ!」ということなのだと。

「やりたいこと」から「やるべきこと」へ
「やりたいこと」から「やるべきこと」へ

3年前から、日本の大学生向けの海外インターンシップのビジネスファシリテーターの任についている。自分自身や他人との向き合い、異国の地でやったことのないビジネス立ち上げで成果を出すことを参加者に対して求めていくにあたり、私自身もあり方や、未知の領域へ挑戦していく姿勢を問われていると感じる。口先だけでみんなに頑張れと言ってるだけの人は、人の成長や発達を支援する人のあるべき姿ではない。私も新しい自分になりたいと、絶え間なく続く自己変革の日々に身を置く者こそが伝えられるものがあると思うのだ。 そんな朝は、出張中だからと2週間、中断していた朝ランとヨガ、筋トレを再開することから始めた。ルームメイトから、いつでも実施できる筋トレとして、スクワットの姿勢を1分間キープするのを繰り返す、というやり方を教わる。サッカーに打ち込んできた彼は、海外遠征選抜に選ばれるために、天候や道具の有無に左右されずにトレーニングを継続するために、このやり方を編み出したという。また、その甲斐もあって参加したスペインのプロサッカーの下部組織との交流リーグ(日本で言えばJ3やJFLに相当するレベル)では、パス回しやボールをトラップするといった基本動作1つ1つのレベルの高さに、取り組む意識についてあらためさせられたと。基本動作の継続鍛錬や基礎体力の強化なくして、卓越した世界には至ることはない。

自分の道を見つけ、自分の足で歩く
自分の道を見つけ、自分の足で歩く
Kengo Miki

京都在住の事業化コンサルタント。京都大学デザイン学大学院にて個人と組織事業創造能力の獲得や、差積化(Differentiation)などについて探求。日本ビリヤニ協会関西支部長。