土地にまつわるストーリーを見つけよう。

寛永17年。西暦1640年のこと。8人の農民が、加賀の国を舟で旅立ちました。8人は北を目指した末、越後の地に辿り着きました。

彼らの目的は新田開発。そこは日本一の大河が数々の「潟」を形成し、豊かな水に恵まれていた土地だったのです。しかし一方で、8人が降り立ったこの地域は周囲と比べてすり鉢状になっていたため、大雨のたびに水害が発生し、自分たちの食べるものにも困るほどでした。

開墾作業は困難を極めました。足漕ぎ式の水車で必死に水をかき出し、時には胸まで泥に浸かりながらの過酷な農作業だったのです。

そんな大変な農作業によって、やがて1人が病気になり、命を落としました。残った7人は、彼の名を取って、その地を「清五郎」と名付けたのでした。


「福島潟」と「佐潟」郊外には潟がたくさんあります。

新潟市中央区の清五郎地区。実家の近くにある8体のモニュメントは、この地域の発祥の時のそんな彼らのストーリーを再現したものになっています。そして現在では、大きな排水機場が街にあって、信濃川へと強制的に排水しているため、水害もなく、平穏に暮らすことができるのです。

爆発的に普及した位置情報ゲーム。そのひとつ『イングレス』で遊んでいて、このモニュメントも、排水機場も発見しました。ゲーム中のミッションをクリアしてゆくことで、場所と場所の点が繋がり、街を作ってきたこんなストーリーを浮かび上がらせてくれたのでした。

位置情報ゲームをプレイすることは、街のさまざまな場所の歴史を発見し、その土地を楽しく知り、詳しく学ぶのには素晴らしい機会になります。

土地とその地名、すべてに時間的な「奥行き」があって、それを深く覗いてみることなど、これまでただ素通りして歩いているだけはできませんでした。テクノロジーが、今自分の居る場所がどういうところで、周辺の場所にどのようなところがあり、それぞれの繋がりがどうなっているのかを教えてくれます。位置情報ゲームをすることで、すべての場所がストーリーを持っていて、「今」を形作っていると知ることになったのです。

排水機場と看板。看板にはその場所の歴史が書いてあります。読んでみましょう。

実家への帰省の時や、旅行などの際、こんな風に様々な土地にまつわるストーリーを探してみるのはどうでしょう。

以前からよく知る土地の中にも、新しく足を踏み入れた土地にも、今の姿に至る歴史とそれを示す場所があります。位置情報ゲームで、街のそのような場所と歴史を知る楽しさを感じることは、とても素敵なことではないでしょうか。


現在、新潟は様々な農産物を観光の目玉として取り上げ、食と農の街としての特色を地域の魅力として発信するようになりました。例えば、『うまさぎっしり新潟』と題して食事やお酒を楽しむ観光キャンペーンを行ったり、郊外には、宿泊しながら農業体験ができる施設『アグリパーク』が作られたりしています。

かつて苦しめられた水は、今では豊かな農産物を街にもたらしてくれるようになったのでした。

まだまだこれからも、この街のストーリーは続いてゆきます。

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