スタートアップの経営は減点方式だと思う話。

どうも、株式会社ラブグラフの取締役COOの中井です。そろそろポツポツと株式会社ラブグラフが企業としてしっかりやってるんだよってことも伝えていきたいのでまずは経営戦略っぽいお話を。今回はこのツイートを深堀りします。


これは完全に個人的な価値観の話にはなってしまうのだけれど、スタートアップの経営は減点方式だと思っている。

“You can create the next Microsoft and Google pretty easily. There’s only one thing you need to do. DO EVERYTHING RIGHT.”

大学時代のEntrepreneurshipの教授にこんな言葉をもらったことがある。どんなスタートアップにも最初からMicrosoftやGoogleになるポテンシャルは平等にある。だけどそんな企業が生まれることは歴史的に見ても稀だ。なぜか。「全てを正しく行う」ということ自体が尋常じゃないぐらい難しいことだからだ。

世の多くの方がスタートアップに抱いているイメージは恐らく「加点方式」だと思う。とにかく打ち手を増やす。爆速で意思決定を行い、夥しい量のアウトプットを出すことに精力を尽くす。日々の「+1」がその企業の礎となり、どんどんと企業が成長していく。そんなイメージが加算方式だ。

だけど、オレの考え方は全くの逆でいかに「ー1」を生み出さないようにするかの減点方式。最初にクリアなゴールを設定する。そしてそれに対してのWRONGアクションを一つ行うたびに1点ずつ減点されて届かなくなっていく。そしてある一定のラインを超えると…然るべき結果になる。

減点方式で減点を回避するためにオレが常に頭に入れていることは大切なことは2つ。
①正しい選択をすること。(先見性・戦略思考)
②選択を正しくすること。(Get Things Doneマインド)

2つの項目に分けて詳しく書いていく。

①正しい選択をすること。(先見性・戦略思考)

これは通例でいくと社内の経営企画担当や外部コンサルタントが担当しているような仕事なのかな、と思っている。あらゆる外的要因を頭に入れた状態で事業計画を作る。その事業計画を実現するために具体的なロードマップを描く。そして今月すべきアクション、今日すべき合理的アクションに落としていく。所謂、典型的なAsIs-ToBeのギャップ分析のような考え方。

さらっと書いてしまったけれども、この「あらゆる外的要因を頭に入れた状態で」という部分が尋常ではないレベルで難しい。

例えばだけれども、渋谷という街がここからの20年でどのように変化するか知っている人は少ないかもしれない。だけど基本的に都市開発というものは1年、2年というようなスパンで動くものじゃない。ずっと先まで既に決まっていることが多い。スタートアップであっても情報を事前に得てそこに動き方を合わせておく必要がある。

街の顔が一変 大規模開発ラッシュ「渋谷」の近未来
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO96051370T10C16A1000000/

この話をするとそんな情報、コンフィデンシャルでしょ!?そんな簡単に手に入らないでしょ!?ってよく言われる。そんな方にこそこの記事とかを読んで頂きたいのだけれど、普通に情報は公開されている。渋谷は今後もクリエイティブ産業の集積地になっていくんだなぁ、というざっくりとした方向性だけでも頭に入れておくことができる。こういった世の大きな動きを頭に入れず、「渋谷をクリエイティブ・イノベーション集積地じゃなく、全面畑作の農業の街に!」みたいなアクションを起こすと動きの波の大きさに耐え切れず相当な苦境に立つのは想像に容易い。

まぁなんか上記の例はこの件の説明には微妙かもしれないが、都市開発に限らず世界経済や地域経済、競合企業の動向、技術革新など頭に入れておくべき範囲は夥しく広い。そういったところの知識なしに事業計画を組むことはまず「ー1」となりえる。簡単にいうと「準備不足」ということに対する減点だ。天変地異など事前に知り得ない事象も多い。ただ、そういったものに対しても日々徹底して準備を怠らないこと。何か起きてから対処するという常に受け身姿勢だと致命的な減点になりやすいんではないかなぁと思う。

②選択を正しくすること。(Get Things Doneマインド)

とはいえ、世の中の全ての動向を頭にいれてそれに合わせていくだけでは自社のビジョンを完璧に実現するということは不可能に近い。そこで必要になるのが徹底的なやりきる力。

例えば、何か施策をやりましょうとなった時にAとBの選択肢があるとする。それぞれ最終的な結果はAが100点満点、Bが70点のものだとする。①の先見性・戦略性を生かしてまず行うことはこのA/Bの2択のうち、どちらが100点か?どちらがビジョンを達成できる打ち手か?を見極める仕事。そしてあらゆる意思決定のフローを踏んで結果Bを選ぶとする。そこで大事なのが「あぁー間違っちった。70点だよー」で終わらせてはいけないというところ。Bを100点にする、というパワープレイの必要性だ。

さっきの例に立ち返ろう。「渋谷をクリエイティブ・イノベーション集積地じゃなく、全面畑作の農業の街に!」は相当な苦境に立たされるということを言ったけど、不可能な訳ではない。本気で実現したいならこの選択肢を選ぶべき。それを実現するためにどうやったら実現可能か考え万策を尽くす、やりきるということが大事。オレが楽天にいた時、三木谷さんと楽天という企業から得た非常に大きな学びがこの②だ。やりきる力が尋常じゃなく強い企業はやはり強い。

まとめ

少し冗長的になってきてしまったのでさっさと〆ようと思うのだけれど、要するにこの正しさの両輪をしっかりと回し続けることがスタートアップにとって非常に大切なことだと感じる。何も考えずただひたすらアクションを起こし続ける、というのは非常に危険性が高い。「+1」を積み重ねること自体は絶対に間違いではない。減点方式理論でいくと「積み重ねること」はそもそも正解であり、「積み重ねないこと」が「ー1」だ。スタートアップは全てのリソースが限定的。だからこそ「すべきこと」ではなく「できること」をしてしまいがちになる。一番怖いのは「できること」をしているだけだと自分たちが一切気付かぬうちに急速に減点されていくというポイント。オレのこの減点方式理論はどちらかというとその気づきを得るためのものなのかもしれないなぁと今書いていて思った。まさに茹でガエル現象。

『2匹のカエルを用意し、一方は熱湯に入れ、もう一方は緩やかに昇温する冷水に入れる。すると、前者は直ちに飛び跳ね脱出・生存するのに対し、後者は水温の上昇を知覚できずに死亡する』 — Wikipedia「茹でガエル」

この「すべき」と「できる」の違いについてはもし需要があれば別エントリーで触れたいと思う。(蛇足極まりないけど、茹でガエル現象はただの比喩で実際そんなことにはならないらしい)

こんなことをつらつらと書いているけれど、オレ自身全く知識・経験を蓄積できていなくて悔しいなぁ…もっと広い分野の方々と会って勉強させて頂きたい。もしこのエントリー見て興味もってくださった方はぜひご連絡ください。

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幸せな瞬間を、もっと世界に。 / Lovegraph

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