ポツダム宣言発言についてのメモ


彼が読んでないこと自体は意外じゃないけれど(むしろ熟読していたらびっくりだ)、それを公言しちゃうという何とも言えない脇の甘さ。よくここまでのし上がれたもんだな、と思う。

一般的な感覚からすれば、読んでなかったとしても読んでいないとは答えずに適当にかわすはずで(現にほかの質問では、彼はそれなりにそうしている)、ここで素直に答えちゃったってこと自体にちょっとびっくり。彼にとって、そう重要なものだという認識がなかったのだろうか。

しかし、ポツダム宣言の受諾をもって敗戦というのは小学生でも知ってることなのだから、戦前・戦時体制に過剰な思い入れをもつ彼が、この宣言自体へ示す無頓着さというのは常識的には理解しがたい。他方で、見方を変えれば「戦後レジームからの脱却」ということは「戦後」の否認なわけだから、その画期をなす文書を無視するというのは、彼なりに筋が通っている……のかもしれない。

要は彼は骨の髄まで軍国主義者気取りなんだろうけど、皮肉なことに戦前だったら彼のような資質の人物が政治家たりえたかどうか、甚だ疑わしい。そういう意味では、彼自身が「戦後レジーム」の産物だし、やはり平和ボケしているんですよね。であるがゆえに自らの出生であるところの戦後体制を憎悪し否定しようとする。

あるいは、偉大なる「父の父」を貶めた存在を抹消しようとする欲望に駆られているのかもしれない。それがなければ彼のようになれる、という妄想に駆られているのかもしれない。

ただ、それをひとりのバカの話にとどめてしまっていいものかどうか。

いや、事態はもっと深刻なのではないか。この70年のあいだに安倍みたいな人間は徐々に増えてきていて、ついにはそれが政府のトップまでのし上がってしまった。この間、大半の日本国民は「戦後レジーム」の出自だし、多かれ少なかれ平和ボケしている、私を含めて。じっさい世の中、安倍のような人間だらけじゃないか。

彼につける薬はないなって思うし、彼のような人間になることはないと思うけど、それでも世の中彼みたいな人間ばっかになったら、それはもうアウトなんだよね。歯止めが利かない。もう着実にそこに向かいつつあるし、マスメディアも含め、多くがそれに加担してる。そうなると、安倍が消えても安倍2.0が出てくるだけで、結局安倍政権を倒すということは、安倍的なるものを完膚なきまでに叩きのめすことでなければならないんだろう。