「学習する組織」ピーター・M・センゲ/英治出版

本シリーズ第1弾はこれ。結構何にしようか悩んだのですが、今の自分を形作ったと言っても大げさではないバイブルのような本なので、これを取り上げます。
丁寧に内容を説明したって何ら面白くないので、基本的に本の内容を基盤にもうちょっと解釈を加えるような形を取っていきます。

本の要点をさらっと

「学習する組織」とは、要約すると最高の組織です。
それぞれで最高と考えるイメージが色々とあるとは思います。学習する組織というのは、所属する誰しもにとって最高の組織と呼べる組織のことです。

  1. システム思考
  2. 自己マスタリー
  3. メンタル・モデル
  4. 共有ビジョン
  5. チーム学習

上記5つのディシプリンが、「学習する組織」の構成要素であるとしています。

システム思考というのは、問題の構造を理解するのに、組織で共有しているベースがあるかということです。そしてそれが、特定の個人に責任を押し付けるものではない、という根底の上に成り立っているものである必要があります。

自己マスタリーというのは、自己の内側から溢れるビジョンを明確にし、ビジョンと現実の乖離をエネルギーに転換するということです。
ビジョンを無理やり作ったり、乖離に打ちひしがれて萎えるのもダメだということですね。

メンタルモデルは、自分が気がつかないうちに前提にしてしまっていることをしっかりと明らかにし、それを検証する仕組みのことです。この項目が一番理解しにくかったかな。

共有ビジョンは、個人ビジョンを尊重した上で、組織として設定されるビジョンです。

まあすごくざっくりなので、詳しく見たいた方は手に取ってみてください。

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何故勧めるのか

それぞれの人に、あのチームは凄く良かった、と思えるような組織やチームに属した経験があると思います。
ただそう言った組織のどこが良かったのか、言葉で説明するのって結構難しくないですか?

その状態だとどこが良かったのか確認のしようもないし、再現性もありません。

いいチームを作りたい、いいチームに所属したいと思う人にとっては、重要な指針になると思います。

学生団体の副代表だった時に組織作りの参考として手に取りましたが、むしろ役に立ったのは就活の最中でした。
選考を受けている会社が、学習する組織の構成要素である5つの要素を持っている企業かどうかというのを、無意識的に見ることができていたためです。就活をしていた頃の実感を元にすると、1つの要素すらない会社が大半です。2つあると記憶に残り、3つあればもう本命です。残りの2つは中に入ってみないとわからない要素ですかね。

第1段階 システム思考の有無

ベースになるのはシステム思考で、自社のサービスがどう機能してどんな問題を解決するか、類似のサービスより優位なのは何かの共通認識があるかで見て取れます。個別で面談を設けてもらったりした時に聞いてみるといいですね。説明会とズレている話をしているようだと危ういです。(敢えてズラしてくれていたり、単に別視点から見ていることもあるので注意)

第2段階 共有ビジョンの有無

2つ目に徹底されているのことが多いのは共有ビジョンです。
会社が掲げるビジョンを、その人の言葉で説明できているかがチェックポイントになります。これは大きい会社になればなるほど徹底が難しくなっていきます。この点をしっかり精査できていれば、入社後に周りとの温度差を感じたり、考え方の違いに戸惑うような類いのギャップはないはずです。ただこの2つだけだと、いい企業だけでなく、ブラック企業が混ざっている可能性があります。3つ目が達成されていなさそうな場合は、他の判断材料も加えましょう。なぜなのかについては後述します。

第3段階 自己マスタリーの有無

3つ目は自己マスタリーです。
会社に当てはめるとどうなるかというと、最近話題になる副業なんかがまさにそうですが、社員の持っている考え方ややりたいことをしっかり尊重する風土であるかどうかです。自己マスタリーまでカバーできている企業は、相当少ないです。
注視すべきなのは、社内の規則と、共有ビジョンの語り方という2つです。ルールについては前述の通り、社員の自由度をどの程度認めているかですね。共有ビジョンの語り方は、慣れるまでは判断が難しいような気がします。自己マスタリーの考え方でいくと、個人ビジョン→共有ビジョンの順なので、必然的に根底部分は個人ビジョンです。これが混同されていたり、順序が逆だと、自己マスタリーという視点は欠落しているかも。

自分で起業しない限り、会社組織が先にあって後からそこに加わることになります。先にあるビジョンに染まりきってしまうということは、自分本来の価値観は薄まってしまっています。ブラック企業が社員を洗脳していくのはこういったやり口です。なので、自己マスタリーまで徹底されていれば間違いなくいい組織ですが、共有ビジョンまでだと怪しい会社を弾ききれません。

残りはメンタル・モデルとチーム学習なのですが、これについては外から評価するのは少し難しいです。メンタル・モデルは個人の考え方に依存する傾向が強く、チーム学習は、存在していても社外に発信することが比較的困難だからです。ただ、良い組織であるための重要な要素にはなるので、インターンなどで社内の雰囲気を感じる機会があれば、意識してみると良いと思います。

1冊目「学習する組織」は以上です。
次回は「学力の経済学」を予定しています。

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