SaaSスタートアップに移籍して1年間で感じたこと

もう、というか、まだというか、1年ほど経った。

最初のmediumのエントリを書き始めて、公開したのが昨年の大晦日。

そして今は2017年12月。
日々に流されて変わっていくことも多いので、環境を変えてから感じたこと、感じていることを一度まとめてみようと思う。

で、その前に1点。
SaaSってそもそもどのくらい知られているんだろうか。1年前、自分の場合はこの言葉を見たことあるくらいで、実際ほぼ知らなかった。なので、知らない方のために少しだけ調べたことを。

SaaS = Software as a Service

サース。
定義的にはクラウド上で動くソフトウェアとのこと。
自分でも正確に説明できなかったのだが、あるサイトに書いてあったSaaSの特徴がわかりやすい。

・データをインターネット上に保存することができる
・PC、スマートフォン、タブレットなど端末を選ばずにデータにアクセスできる
・複数の人間が同一データを共有し、更に編集もできる
Google Apps やSalesforceなどがSaaS型サービスの代表例として挙げられるでしょう。
参照元: https://www.cloud-ace.jp/report/detail01/ 

クラウド上にデータがあることで生活が便利になる系サービス。
B to Bのサービスが多め。
基本的に継続して使うものなので、一度軌道に乗り始めると事業として高い持続性・成長性を担保しやすい特徴がある。

具体例で考えてみる。
このエントリを書こうと色々振り返る時、自分はカフェにいた。横のカップルがハワイでのわくわく旅行プランを話す中、こっちでは記憶を掘り起こすためにPCを駆動してSlack, Dropbox, esa, github, Workplace, google apps全般…などなど色々なサービスから自分の仕事に関する情報を引っ張ってきている。

各SaaSサービスにアクセスすることで、情報をまとめて閲覧し、編集し、序でに他者に連絡もできたりした。ということで、振返りだけじゃなくて、仕事をする上でも今居る環境で問題なくできそう。もちろんセキュリティに十分配慮した上で。
身の回りのサービスが、SaaSに移り変わっているからこそできること。

Googleとはちょっと色合いが異なりますが、今僕がいるPLAIDで提供するKARTEも、”サース”です。

そんなSaaSスタートアップに入り早1年経ったので、平易かもしれないけどここらで感じたことをざっくり3つほど、言葉にして書き出してみようと思う。


目次

  1. やっぱり甘かった
  2. 不って面白い
  3. 世の中への関わりと跳ね返り

  1. やっぱり甘かったという話

これはSaaSというかベンチャー企業全般の話かも。入る前、相当意識していたつもりだった。

最初の仕事は初出社日、自分が座るための椅子を組み立てるところから始まった。それ自体も相当インパクトがあった笑。

そして、そこから2ヶ月弱くらいはあまり1日の記憶がない。
常に焦っていて、苦しかった記憶。とにかく、動き方がわからなかった。
なんでかというと、皆がそれぞれ全然違う事を推進しているから。
明確に求められるポジションもない。色々顔を突っ込んで行っても、何かを行った、と得られる感覚は少なかった。ここで自分はどんなことを価値として存在しているんだろうか?という圧が常に脳裏に張り付いていた。

本当はやるべきだけど、そんな数々のことが回っていない。人が足りない。そんなイメージも伝聞もあったスタートアップだけど、実際は少しだけズレがあった。(確かに事実だけど認識がちょっと違った)
そのこと自体を創り出す力が強く必要だった。アサイン型で進む(かつ、がんばるほど仕事が生まれる)広告会社とは大きく違っていた。どちらの環境がイケてるとかではなく、ただ仕事の始まり方から大きく違っていた。

現在は社会人5年目の年。でも現時点で、ビジネスサイド陣の中では非常に若い部類で。プロフェッショナルが集まって各々が独自の得意でまっすぐ突き進んでいる環境下では、やっぱり若干受け身で、甘い考えだったみたい。

それでも、自分の強みとか集中する点を1つだけに絞ることはしたくなくて、横断性は今でも常に意識している。

別の話になるが、サッカー好きなら皆ご存知、かのイビチャ・オシムの語録に大好きな言葉がある。
ポリバレント”(=科学用語で”多価”、転じて複数のポジションをこなすことができる選手)という言葉が昔から好きで共感していて。僕の揺らぎない心情なので、スタンスは変わりませんでした。

2006–2007 サッカー男子日本代表監督。彼は多彩なプレイングスキルを持つ選手をこよなく愛し、起用しました。

色々な人の助けを借りたが(皆様ありがとうございました)
最終的に自分の中で得た解決策は3つ。

・とにかく対面での対話を増やす
・一方、他人の話す/聞こえてくる内容を深くは気にしない
・踏襲しない、踏み越える

思い込みがとにかく多かったです。背景もさまざまな人の集合体ではとにかく会話して、会話して、ぱっと見えない感覚をすり合わせることが非常に効いた。
普段見えている以上にみんな同じように思っていることは多かった。ぶっちゃけて会話することで新しく知れることも、気にしなくていいことも、話しながら変えていけばいいことも色々見えてきた。

そのことについて、一番考えて一番動いているヤツが正しい、他は気にしないってのがやっぱり良さそう。

2. 不っておもしろいという話

「不 = 不便、課題」 的な意味です。

個人、生活、仕事、世の中全体…色々なレベルで「不」があるけど、今やっていることは、誰のどんな不を解決しようとしている?って感覚で仕事を行うのはとても面白い。

今の会社の事業の導入対象となる企業は大小様々。それぞれ多様な不を抱えているわけで、それを変えることにチャレンジできる。助けになることができる。SaaSには幅広いカテゴリがあるけど、共通する要素に「より便利な働き方、ひいては生き方を作る手助けをする」ことがあると思う。

ボクシルさんのSaaS業界レポート2016–2017より。いっぱいあるけど共通点もある。

視点を変えると社内でも同じことで、様々な滞りとか行き詰まりに対して、「何が根幹で、じゃあどうあるべきか?」その議論から始められることは非常に面白い。「それが制度なんで…」とかではない点が面白い。

これも同僚と話しあって得た内容だけど、「ブランドは社内から起きて社外へと滲み出ていくもの」だとすると、たぶん、そういった社内での議論が文化を作り、ブランドを作り、中長期的な企業体力に繋がるものだと思います。
言葉だけ知っていた”ディスラプト”という概念が、ずっと身近になった。

3. 世の中への関わりと跳ね返り

誰でも触れることができる一般社会に、何かしら形を残せることは楽しい。
例えば企業のウェブサイト、イベント、プレスリリース。一般生活者として受けることができる情報体験の場。

社外的なこと、社内的なこと、単一の施策〜大きい取り組みまで色々あるけど、思っているよりずっと早いスピードで世に出ていくんです。

前職で一番ジレンマだったことが、今の環境で味わえたから改めて感じるようになったのかもしれません。
世の中の生活者がどう受け取るか?を考えながら動くことができる。自社内の活動であれば、最終的な受け手は同僚なので、彼らの顔を考えながら動くことができる。何か行ってみて、結果があってダイレクトに反響が返ってくる。これは非常に楽しかった。

SaaSというカテゴリはB to Bがほとんど、と言いました。
でも、僕らのクライアントは対生活者でビジネスをしていることが多いので、つまりもっと正確に言うとB to B to Cに近い。
そのため、”to B”を取れるということは”to C”においても非常にインパクトを作りやすい。1人のユーザーの生活を変えることができるのが to Cプロダクトだとすると、SaaSなどのto Bプロダクトは1つの会社と、その会社に関わるユーザーや従業員など多くの人の生活に作用することができる。

僕はto Cの生活者向き合いのプロダクトが大好きです。でも、SaaSの企業に入ってみて、そのダイナミックさとインパクトは予想以上に自分に何か刺さった。

大変でやばいです、って話から始めましたが、徐々に楽しいです。
「もう」より「まだ」が好きなので、より濃く長いなあって感覚になるといいな。

また2018年前半で書こうかな。もう少し短めで。

2017.12.03