Uniqys Kitの開発をしている@koropicotです。
この度、Uniqys Projectにおいてブロックチェーンコミュニティの一員として課題の解決と発展を目指すUniqys Labチームを設立しました。この記事では、Uniqys Labチームの目標と方針についてお話します。また、第一歩としてUniqys KitをOSSとして公開しましたので、その現状についても説明します。
Uniqys Projectの目指す世界
Uniqys Labについて説明する前に、今一度Uniqys Projectが実現したい世界について触れておきます。Uniqys Projectは非中央集権のアプリケーション(DApps)を普及させ、さまざまな開発者やユーザが自由に参加できる世界を作ることを目指すプロジェクトです。そして、それぞれのアプリケーションが発展し相互につながることで、今よりも便利で楽しい世界を実現したいと考えています。
Uniqys Labについて
Uniqys LabはUniqys Projectにおいて、DAppsを普及させていく中で取り組まなければならないブロックチェーンの課題についてブロックチェーンコミュニティの一員として解決を目指すチームです。
現在のブロックチェーンおよびスマートコントラクトの技術にはスケーラビリティやプライバシーの保護、実装の検証、取引手数料、アップデートの難しさなど、DAppsがさまざまなユースケースに適応するためには超えなければならない課題が多く存在します。このような環境の中で、われわれはブロックチェーンという技術の恩恵を受ける利用者としてだけではなく、コミュニティの一員として課題の解決に貢献し、ブロックチェーンおよびDAppsの未来を切り開いていかなければならないと考えています。またブロックチェーンに限らず、これまでもまたこれからも1人のエンジニアとしてオープンソースコミュニティの恩恵を受けてきたものとして、貢献をしていきたいという気持ちもあります。
また、ブロックチェーン技術というものは、最終的にはその信頼を技術ひいてはプログラムにおいていると言えます。そのために、ブロックチェーンのコアとなる部分については、利用者が検証できるようにソースコードやアルゴリズムがオープンである必要があると考えます。
このためUniqys Labでは、ブロックチェーンの課題の解決のために研究開発を行いながら、成果をオープンにしてブロックチェーンおよびDAppsの発展につなげていきたいと考えています。
具体的には、現在のUniqys Kitのような前述のようなDAppsを実現する上での課題を解決するためのプロダクトを公開したり、先日のブロックチェーンとスケーラビリティのようなブロックチェーンに関してリサーチした情報の発信も継続して行っていきたいと考えております。また既存のブロックチェーンプロダクトや、ブロックチェーンに限らず利用しているOSSについても、積極的に不具合の修正や改善にコントリビュートしていきたいと考えています。そしてこれらの成果自体も、可能な限りオープンに記事や勉強会等を通して公開して行ければと思います。
以上が、Uniqys Labの目標であり、活動の方針です。
Uniqys KitのOSSでの公開について
この方針の第一歩として、先日プレビュー版を公開していたUniqys Kitの最新版をOSSライセンスにおいて公開しました。また、あわせてドキュメントについても公開し、整備を進めております。
プレビュー版の時点から、主にコンセンサスエンジンの実装とCLIツールの整備、またいくつかの排他制御におけるバグの修正を行っています。コンセンサスエンジンの実装によって、1つのブロックチェーンとしての最低限の機能は提供できるようになりました。
コアとなるパッケージのライセンスはMozilla Public License Version 2.0で、それ以外のライセンスはより制限の少ないApache License Version 2.0を選択しています。今後はこのリポジトリにおいて開発を進めていきますので、ぜひ使ってみてください。もちろん、コントリビュートも歓迎していますので、issueやpull-requestお待ちしています。
敵は強大だ。共にチューリングマシンを手に挑もうではないか。