キルケゴール
「詩人の葛藤とは次のようなものである。自分は召されたものなのだろうか。私の肉に刺さった棘は自分が何か異常なことに用いられるべきだという印だろうか。自分が異常なものになるのは神の面前にあって正しい事だろうか。それともこの棘は自分を謙虚にし、人間にするためのものであろうか。」 — — キルケゴール『死に至る病』
神の観念を得ながらにして絶望に留まろうとする事、それが罪である、とキルケゴールは言う。よって、詩人の葛藤は、罪にも劇的に通ずる瞬間である。棘、深く刺さった棘 — ヘルダーリンは「なぜ私にばかり/胸に刺さった棘が眠らない?」 と言っている —、 は自己を”人間”にするためのものだというのが結局キルケゴールの選ぶ結論である。若き日の彼はこう語った。「さあ、人間になりましょう。」