開発のアウトソーシングの成功の可否は出し手によって決まる

Koya Fukuda
4 min readJan 4, 2020

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タイトルは正直釣り感はありますが、出し手の関わり方によって、プロジェクトの失敗確率をかなり減らせるのではないかと思っています。※もちろん、受け手が悪く失敗する場合もありますし、出し手も受け手も両方悪くないのに失敗する場合もあります。

私自身、所謂オフショア開発をしている会社に4年程働いていました。現在は事業会社で働いており、外部のパートナーさんと仕事をする機会も多くあり、出し手も受け手も経験しています。

なぜ、プロジェクトの失敗確率を減らせるのか?

まずは結論からですが、プロジェクト(チーム)の課題に対して、受け手より出し手の方が打てる手が圧倒的に多いからです。

開発をまるごとアウトソースしている場合、アウトソース先の開発チームで起こった問題は、お金を払っているので受け手側で解決してくれと思うかもしれません。それは間違いとは思いません。しかし、プロジェクトを成功させたいのであれば、一緒に課題を解決していくことによって、成功確率を上げることができます。

また、受け手の開発チームの課題は、出し手の原因がある場合などもあります。例えば、開発チームのモチベーションが低下しているという表出した課題があったとします。それは、出し手側が受け手側に適切な情報共有ができておらず、認識の齟齬、出戻り、モチベーションの低下という連鎖は、よく起こるようなことです。このようなコミュニケーションの課題は、出し手、受け手の両方で改善する必要があり、受け手のみで改善できるような課題ではありません。

プロジェクトを成功させるには、QCDをうまくコントロールすることが重要になってきます。そこで、QCDをコントロールする上で重要になるのが、チームのコンディションです。チームのコンディションが悪いと進捗が遅くなったり、課題の吸い上げが適切にできなくなります。

少し前にこちらのnoteが話題になっていました。

こちらの方はクライアントワークをされており、受け手側でのチームのコンディションの改善に取り組まれてました。基本的には共感しかないのですが、受け手だけで解決する課題なのかと思うところがありました。

例えば、こちら。

今思うと「プロだからちゃんとクライアントをリードしてプロジェクトを円滑に進めなきゃいけない」「クライアントに失望されたら嫌だ」などクソの役にも立てないプライドや責任感が邪魔して思考停止していただけだなと思います。思考停止した1ヶ月は今でも本当に悔やまれます。

心理的安全性は受け手だけでは、どうにもならない部分があります。また、1ヶ月も円滑に進んでいないのであれば、一緒に課題を解決した方が進捗が悪いより出し手にとっても良いんじゃないかと思います。

逆にこちらの例は、クライアント(出し手)を巻き込んだ解決策です。施策自体良いと思うのですが、なにより出し手を巻き込んだところが一番の良い点ではないかと個人的には思っています。

心理的安全性を上げるために私がいた開発チームに新たに追加されたコミュニケーションルールが「True」と呼ばれるものでした。

その名の通り「腹を割って本音(True)でコミュニケーションしよう。」というルールです。こういったルールは設定するのは簡単なんですが、浸透するのが一番むずかしいです。そのためにクライアントである事業の開発責任者の方がやっていたことは下記です。

4象限の責任が低い部分は?

出し手からのwhyのメッセージングと顧客からのフィードバックなどの情報共有が有効だと思っています。受け手もプロだから責任感をもってやって欲しいという気持ちはよくわかります。しかし、サービスの目的や意義、適切なフィードバックがなければ、なかなか人の心は動きません。また、このようなメッセージは一度伝えただけでは伝わりません。手間を惜しまず伝え続けることが大事だと思ってます。

基本的には、受け手であろうと出し手の社内チームと同じようにサービスの目的や意義や、可能であればKPIとその進捗等も共有する方がよいと思っています。

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