Season6 World Championship — Group C

EDward Gaming

EDward Gaming(以下EDG)はシーズン4から活動を開始した中国のチームだが、キャリアのスタートは波乱に満ちていた。Koro1、ClearLove、U、NaMei、Fzzfの5人のスターターとヘッドコーチにAaronという体制で発足されたのだが、ClearLove、Fzzf、Aaronの3人は当時中国で最も人気のあったWEから脱退してEDGに参加した。中国コミュニティからは「裏切り者」とバッシングされるだけなく、様々な噂がでまわるほどの一大スキャンダルとなった。WEのミッドのスター選手であるMisayaが引退を発表していたというのもバッシングに拍車をかけていただろう。しかし彼らは実力でコミュニティを黙らせる。シーズン4のスプリングスプリットとサマースプリット両方で優勝を飾り、中国国内における王者としての地位を確立した。今シーズンも圧倒的なパフォーマンスはかわらず、RNGの台頭があったもののサマースプリットでは決勝戦で圧巻のストレート勝ちを決めている。そんな彼らだがWCSでは「準々決勝以上に勝ち進めない」というジンクスに苛まれている。昨年のMSIではSKTを破って優勝を飾ったにもかかわらず、WCSではグループステージから不振に陥り、準々決勝ではFNCにストレート負けを喫してしまう。しかし今年は去年と違いサマースプリットにおいて圧倒的なパフォーマンスを示している。各チームの選手やコーチからの評価も高く、韓国勢以外がWCSを勝ち取るとすればTSMかEDGだろうとまで言われている。中国の絶対的王者が世界の王者になれるかどうか、今年のWCSは波乱が起きそうだ。

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Jungle - Clearlove

シーズン1とシーズン3以外のWCSに出場している、中国が世界に誇るジャングラーだ。シーズン2のWCSに出場していた中で今年のWCSにも出場している選手はROXのPraYとTSMのDoubleliftしかいない。長いあいだ中国のトップを走り続けている驚異的な存在であり、昨今のLPLは韓国人のトップ層が流入している中でも負けることなく、むしろ彼らを圧倒している。リーシンやグラガスといった序盤からガンクが可能なチャンピオンを好み、一方で序盤からプレッシャーを与えられないタンクジャングラーに分類されるセジュアニ等が苦手だ。また世界一のイヴリン使いでもあり、スカーナーを好んでピックするなど、独特なチャンピオンプールをもった選手でもある。WCSではスワップのないスタンダードなマッチアップが予想されるだけに、彼の序盤の圧力は相手の大きな脅威になるだろう。

ADC - Deft

世界で一番上手いと言われているADCであり、ただ操作技術に優れるだけでなくMataをして「知的な選手」と言わせるだけの頭脳を持ち合わせている。EDGに加入する前のSamsung Blueではレーニングに課題のある選手という印象だったが、現在は相方のサポートのMeikoと共にレーニングから敵を圧倒している。エズリアルやコーキのようなスキルショットが重要なチャンピオンでも驚異的な精度の高さをみせつける、全てにおいて完璧な選手といえる。しかし今年のWCSはH2kのFORG1VENやTSMのDoublelift、ROXのPraY、RNGのUzi等々そうそうたるADCが出場している。本当にDeftが世界一なのか、証明するにはこの機会をおいて他にないだろう。

ahq e-Sports Club

ahqはシーズン2の終盤に設立された台湾のチームだ。当初はシーズン2王者のTPAと東南アジアの強豪Singapore Sentinelsの後塵を拝していたがWestdoorの加入を機に力関係は逆転、シーズン3のGPLを支配するにいたった。しかしWCS出場をかけたダブルイリミネーション方式のトーナメントにおいてTPSとGamania Bearsに負けてしまい、まさかの敗退となった。シーズン4においては同様にGPLを圧倒的な成績で勝ちぬき、WCS出場を獲得することになる。しかし振り分けられたグループは優勝候補筆頭のSamsung WhiteとEDGがいるグループだった。3勝3敗と善戦し、EDGとのタイブレークまでつなげるがあえなく敗退、プレイオフ出場はできなかった。シーズン5は東南アジアの大会形式が刷新され、台湾、香港、マカオの3地域とその他の東南アジアの国々と2つの大会に分割され、ahqはよりレベルの高いLMSで戦うこととなった。FWの台頭がありつつも、MSI出場やWCS出場をしっかりと勝ちとり、LMS内において安定した成績を残している。FNC、C9、Invictus Gaming、そしてahqと死のグループとも呼べるほど苦しい振り分けとなった。シーズン4と同じく3勝3敗のタイブレークとなったが、しっかりと勝利し初のプレイオフ進出を決める。プレイオフ初戦が優勝候補のSKTだったためにストレート負けを喫してしまうが、着実に歩みを進め国際大会での地位を確立したと言えるだろう。

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Top - Ziv

台湾が誇るワールドクラスのトップレーナーだ。ファイターやスプリットプッシャーを得意とするが、マオカイのようなタンクもしっかりとこなす。しかしやはりガングプランクとナーのプレイは圧倒的であり、彼を象徴するチャンピオンといえるだろう。今シーズンのahqはミッドに2人のスターターを置く戦略を採用するなど、様々な改革をおこなってきた。歯車が上手く噛み合わない中でZivがチームの支えとなっていた。以前のahqはWestdoorがアサシンを使ってレーニングで崩壊せずにグローバルプレッシャーをかけられるかどうかが勝敗に大きく影響していたが、最近はZivがトップレーンから相手に脅威を与え続けることで試合の主導権を握る展開もあり、ahqのチームとしての幅が広がった印象もある。LMSでは敵なしであったが、WCSでも同じように圧倒できるかどうか。前評判ではグループCで最強のトップレーナーと言われているだけに、彼への期待は大きい。

Mid - Westdoor

Westdoorを端的に表現するなら「フェイトとフィズの申し子」だろうか。キル感覚に優れ、テレポートやデスティニーのようなグローバルスキルで早い段階からサイドレーンに介入していくことを得意としている。一方で非常に狭いチャンピオンプールとレーニングの不安定さが仇となり、対策されやすいことが欠点”だった”。シーズン5のWCSで自身の弱点を痛感したのか、今シーズンはチャンピオンプールの拡大に務め、ヴラッドミアやマルザハール、カシオペアなどのメイジタイプのチャンピオンを扱えるようになり、またロームを得意とするタリヤやリサンドラもプールに組み込んだ。しかしやはりWestdoorといえばフェイトであり、フィズである。拡大したチャンピオンプールを活かして相手を惑わし代名詞となっているチャンピオンをピックできるかどうか、ドラフトから注目だ。

H2k-Gaming

H2k-Gaming(以下H2k)はシーズン1からEUで活動しているチームだ。多くの選手が入れ替わり立ち替わり加入と脱退を繰り返していたため、安定した成績を残すようになったのはここ最近のことだ。シーズン4の中ごろにEULCSへの昇格ができなかったために解散したCloud9 Eclipse(C9のEUチーム)に所属していたOdoamne、Trashy、Febiven、Hjarnanの4人と新たにAoDを加えてリスタートを切った。それが功を奏して順調にEUCSシーンを勝ち上がり、シーズン5のEULCSのスプリングスプリットへの昇格を果たす。しかし中心選手のFebivenをFNCに引き抜かれてしまい、チームに動揺が走る。MileniumのメンバーとしてEULCSへの昇格を目指すも失敗したRyuを代役として迎えるも、開始当初は敗戦が続き非常に苦しい流れだった。しかしサポートに新たにkaSingを迎えると一転して連勝街道を突き進み、スプリングスプリットを3位という好成績で終える。サマースプリットも同様に良い成績で勝ち進みWCSへの出場を果たすが、ジャングラーのloulexのメカニクス不足が露呈するなど失意のWCSとなってしまった。今シーズンは新たにJankos、FORG1VEN、VandeRと個人技に優れた選手を迎え入れ刷新を図るも、彼らの我の強さをコントロールしきれず苦しむことになる。スプリングスプリット直後にはFORG1VENが脱退してしまったため、Freezeを獲得するのだが彼は手首の怪我によりプレイオフ出場が不可能になってしまう。そこへFORG1VENが復帰し、チームは再度まとまることとなった。

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Mid - Ryu

シーズン3の夏の決勝戦、あの屋外ステージで雨に振られながらの2連勝、そして晴れてからのSKT T1 Kの逆襲、5戦目までもつれ込んだブラインドピックによるゼド同士の対決、Fakerとの1v1・・・。Ryuの印象としてはFakerに1v1で負けた選手という印象が強いだろう。しかし彼は韓国を代表するミッドレーナーであり、当時最強のKT Rolster Bulletsを率いていた選手だ。アーリやダイアナ、フィズといったアサシンタイプのチャンピオンを得意とする一方で世界最強のオリアナ使いと称えられた過去も持つ。今年のH2kはADCのFORG1VENにリソースを割く傾向が強く、どうしてもRyuは補助的な役割に限定されてしまう可能性が高い。しかし彼が豊富なチャンピオンプールとLoLへの深い理解を活かして高いパフォーマンスを発揮することに疑いはない。

ADC - FORG1VEN

「Mechanically Gifted(天性の操作技術)」を持つEUを代表するADCだ。今回がWCS初出場にも関わらず世界最強のADCの候補に数えられるのは、その圧倒的なパフォーマンスでファンを虜にしているからだろう。まるでプログラムされたかのような正確無比なKitingによって敵のファイターやタンクをねじ伏せる姿はある種の理想を体現してるようにも思える。しかし一方でチャンピオンプールが狭くブリンクをもたないADCを苦手としていたり、Metaとは違う彼独自の理論によるADCの評価を持っていたりと、チームプレイヤーとしてみたときに評価が難しい選手でもある。また強烈な個性をもち、チームとの不和が噂されるなどゲーム以外のところで話題に上ってしまうこともある。しかしWCSにおいて重要なのは結果であり、そしてH2kが結果を出すには彼のパフォーマンスが鍵になっているのは間違いない。まずはDeftを倒して、世界最強のADCの称号をあるべきところに収めてからプレイオフへと進みたいところだ。

INTZ e-Sports

INTZ e-Sports(以下INTZ)はシーズン4に結成されたブラジルのチームだ。結成当初のメンバーはYang、Djokovic、tockers、mikaO、Jocksterであり、その年の12月にDjokovicが脱退しRevoltaが加入している。WCSに登録されているメンバーも同じなため、この5人で戦って2年近くになるかと勘違いしてしまうが、実はRevoltaとJocksterがそれぞれ脱退と再加入をした経緯がある。LoLにおけるブラジルという地域は、メジャー地域にこそ数えられていないもののシーズン2からRiot主催の大会が開かれるなど歴史のある地域だ。過去にはシーズン4のWCSでKaBuM e-Sportsが、シーズン5のWCSではpaiN Gamingが大きなインパクトを残すなど、ワイルドカード地域の中でもひときわ大きな存在感を放っている。そんな地域でINTZはここ数シーズン圧倒的な成績を残している強豪なのだが、国際大会では今一つ振るわずあまり良い成績を残せていない。シーズン5のIWCIのように日程面でのハンディキャップもあったが、しかしそれ以上にエンジンがかかるのが遅く、開幕から良いパフォーマンスを発揮できないことが多い。元々ワイルドカード地域は苦戦が必至なだけに、このスロウスターター癖を修正しなければ勝負の土俵に立てないだろう。

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Top - Yang

ワイルドカード地域屈指のトップレーナーであり、不安定な出だしになりがちなチームを支える選手でもある。INTZは彼の1v1の能力に絶対の信頼を置いているようで、ローテーションのセオリーを崩してまでも彼のレーニングを活かしていく戦略をとることがおおい。ナーやエコーのようなファイターを得意とし、大崩れすることない安定感を誇っている。グループCはahqのZivしか前評判の高いトップレーナーはいないように思えるが、しかしH2kを支えてきたOdoamneはマオカイを使わせたら一級品であり、かつどんなに厳しいマッチアップでも崩れないという特徴がある。さらにEDGのmouseは一時期中国No.1トップレーナーと言われていたKoro1からスターターの座を奪い取った選手でもある。Yangがそういった選手と張り合えるかどうかでINTZの試合内容は変わってくるだろう。

Jungle - Revolta

シーズン3から活動しているブラジル最強のジャングラーであり、エリスやリーシンを使って序盤から試合を破壊していくプレイスタイルが特徴の選手だ。積極的に敵のジャングルやレーンに仕掛けていき、早い段階からゴールドのリードを作り出すのが得意であり、また中盤以降はタンクとなって最前線を構築することが多い。そのスタイルの影響か、グレイヴスやニダリーのようなファームや攻撃的なビルドに特化したジャングラーを苦手としている。また序盤の試合作りは手堅いものの、中盤以降に圧力を生みだせない場合もあり、国際舞台ではその部分がネックになりそうだ。サポートのJocksterと共にロームするスタイルが維持できればグループCに波乱を巻き起こすことができるかもしれない。