会社員に向く人、向かない人

「……か!?……おい……大丈夫か……!?」

会社のオフィスのトイレにて、気がつくと別のグループの先輩が自分に何やら声をかけていた。ちょうど10年ほど前の今頃に、初めて気を失って倒れるという体験をした。

昼休みにトイレに行って用を足そうとした矢先のできごとだった。気がついたときはまだ昼休みだったので、気を失ったのは短い間だったらしい。

そのまま会社の医務室に行った後、近くの病院に運ばれていろいろと検査をした。原因はよく分からずだった。

今となってはネタになっていいのだけれど、当時は1年近く原因不明のめまいがしていて、あまり気分のいいものではなかった。

当時の仕事はOA機器の組み込みソフトの開発・設計たった。プリンタを動かすためのプログラムを書いていた。それだけならまだ良かったが、ノルマで特許も書かなきゃいかなかったのは時間の無駄としか思えなかった。

別にイヤな上司も先輩もいるわけでもなく、むしろ良い感じの人ばかりだったので、人間関係のストレスは感じていなかった。仕事の9割は面白いとは思わなかったが、1割くらいは楽しいこともあった。

残業は60〜80時間くらいだっただろうか。たまに100時間になることはあったが、辞める前は30時間くらいだったように思う。休日には働かないと心に決めていて、だいたいがコアタイムがギリギリ始まる午前10時頃に出勤して23時に帰るみたいな感じだった。これも別にストレスは感じていなかった。

が、体はなぜかダメになった。自分では気づかないストレスがあったのかもしれないな、なんて思っていたらつい先日、妻にこんなことを言われた。

妻が実家に帰ったときに義理の母が算命学に凝っているようで私のことを調べたところ、あることが分かったそうだ。義母によると、どうも私は会社員には不向きらしい(笑)

それを知らしめるために倒れたのか?なんて思うこともなくはないが、結局、その翌年の2007年に退職した。このときの感覚は、もうここで働くのは無理だなという感覚。具体的にやりたいことがあるから辞めたわけではなく、「これは無理だわ」という感覚があったから。

そのときはやりたくもないことだとしても、続けていたらやがてやりたいことにつながる感覚があればよかった。しかし、そうは思えなかった。先輩や上司を見れば将来何をするかは明白だから。管理職なんてあまりにも興味なさすぎるし、能力としてもどうあがいても無理だわ(笑)なんて思っていた。また、上流工程の設計もつまらなそうな印象しかなかった。

もっとも、新卒で入った会社では良い経験をたくさんさせてもらったし、環境も良かったので、感謝することばかり。当時の働きで、その分を与えられていたならいいのだけれど、どうだろうか?

今は会社をつくり、人のご縁があって自由にいろいろとやらせてもらっているが、ネットが中心だと場所も選ばないし、時間も自由。その分、休みがなくなることもあるけれども……。

吹けば飛ぶような零細企業なので、大企業にいたときと比べたら不安定であることこの上ないのは確かだが、明らかに前よりは楽しくできていると思うし、やっていることの延長で自分の思い描く生活になる可能性を感じ取れるのは確か。

なぜ、その会社に入ったか?

そもそもなんでそんな会社に入ったのか?そんな疑問が出てくるかもしれないが、答えは簡単でそういうものだと思っていたから

中学を卒業したら高校へ、高校を卒業したら大学へ、大学を卒業したら大学院か就職する、これが親も学校の先生も言うことだった。だから、それが当たり前であり、その考えが前提でどうするかしか考えなかった。

要はいい大学入っていい会社に入るというやつだ。10年以上たった今も同じような風潮は色濃いように思える。公務員が大人気だし、認知度という側面があるので仕方ないものの大企業が人気なのだから。

本当に公務員になりたいの?と聞かれて安定以外の答えを自分にウソをつくことなく言える人がどれだけいるかは疑問。もちろん、安定を求めることも大切な要素の1つだし、その人の人生なので、どんな動機でも自由なのだから好きにしたらいいとは思うけれど。

いつになったら就職が当たり前ではなくなるのか

しかしながら、算命学云々はおいておいても、私のように自由を重視する人には会社員に向かない人も多そうだ。でも、無理に会社員として働いている人も多いように思う。もちろん、問題なく働いている人も多数いるけれども。


マスマーケティングはもう通用しないよ、というようなことは少なくとも10年以上前からは言われている。それは当時のTEDの映像でも分かる。

だから、マーケティングの世界もだいぶ細分化されてきているのでは?と思うのだが、進路は就職か進学かの二択のままで、そこに収まらないけっこうな人数が無理に就職してそうな気はする。だから起業という選択肢を付け加えられたらいいのになと思える。

起業といっても資金調達して大きくやることだけをさすわけではなくて、フリーランスでもいいし、お店をやるなんても起業。ネットでブログを書いて生活している人だっているし、アフィリエイトや何やらで生計を立てている人もたくさんいる。

でも、かつての自分みたいに受動的だと思考停止のまま周りに合わせてとりあえず前に進んで、後からあれ?ということになる人は多いだろう。

今の時代は変化が激しくて大変だもいえるが、別な観点から見ると、これほどまでいろんな情報をとれる時代はないし、個人がビジネスをやるにあたっての環境もひと昔前と比べたら格段に充実しているように思える。

だから、自ら情報をとりにいく、自分のやりたいことを明確にする、といった主体的な行動と思考が大切になるというのは、正しいよなと思えるし、実感できる。

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