NFT Voting Rewards :日本語訳

KumaGorow
Apr 28, 2022

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Kusama Networkのオンチェーン投票参加者へ無料でNFTが配布される「Governance Participation Rewards Kusama」をご存知でしょうか?

これまでKusamaの単なるガバナンス機能であった「投票」に対して、NFTという「報酬」を設けることで、結果的にエコシステムの成長をもたらすという画期的な取組みをしている匿名プロジェクトです。

投票の報酬によって得られる「Items」NFTコレクションはSingular上で現在約1300の所有者がいて、これはRMRKの中で最も流通しているコレクションの1つとなっています。

現在はRMRK2に対応したNFTを通じて別プロジェクトのWL付与など、よりユーザーの投票モチべーションを高める取り組みを行なっており、結果的にKusamaのガバナンス機能の分散化を推進しています。

このNFTやプロジェクトがどのようなもので、何故それほどまでにユニークなのでしょうか?
本記事を通じてDotsama(Polkadot/Kusamaのエコシステム)や本プロジェクトに興味を持ってもらい、そして投票参加者が増えてもらえれば幸いです。

*本記事をお読み頂く前に

本記事の内容は私(KumaGorow)が独自に記事内容をまとめ、加筆しています。プロジェクトの内容等に関する質問は作成者のTwitterアカウントへお問い合わせ下さい。また、翻訳の不備や事実と異なる記載があれば、私のTwitterアカウントまでご連絡ください。また、記載している情報は全て記事公開時の情報です。最新情報については公式Twitterからご確認ください。

そして本記事はあくまで情報のシェアですので、実際に利用される際にはDYOR(自分で調べて判断)にてお願いします!

投票者にRMRK NFTを無料で配布する、初の試み

まず特徴的な点として、このNFTコレクションはKusamaネットワークにおける「Referendum」というガバナンス投票に参加した人に「100%無料」で配布されるものです。

ユーザーはReferendumに投票する事で、「Items」NFTが対象のウォレットにエアドロップされます。初めて投票した人には「Items」NFTに加え、「Shelf」NFTも併せて配布されます。

「Items」は「Shelf」NFTに装備可能なので(方法は後述)、ユーザーは投票に参加し続けることで、「Shelf」をより多くのアイテムでいっぱいにすることができます。

獲得したItemsはShelfに装備可能

また、より投票が盛んになるようにこのNFTコレクションを一定の条件で集めた場合にExosama、Mushroomtopia、Evrlootといった有名プロジェクトのWLが抽選対象になるという仕組みになっています。

私(KumaGorow)としては本プロジェクトはNFTレゴの機能を持つRMRK2を体験しながらガバナンス機能を分散化させ、ユーザーにもインセンティブがあるという非常に画期的な仕組みであり、他チェーンにも類を見ない事例であることから今後どのような発展をするのか、期待しています。

ステークホルダー相関図

投票への参加方法

では概要を掴んだところで、具体的にどのようにこの投票に参加するか、学んでいきましょう(ここが一番気になりますよね!)。

前述のとおり、このNFTは投票者に無償で送られます。したがって、投票することがNFTを無料で受け取るための唯一の条件となります(なお、該当のNFTは流通市場で売買することが可能です)。

投票はとっても簡単で、polkadot.jsの「Democracy」タブ(governanceのドロップダウン内)にアクセスするか、ここをクリックしてください。

ページ上部には、現在進行中の投票の一覧が表示されます。

投票内容について調べたら、該当の投票行の右側にある「Vote」ボタンをクリックすることで簡単に投票することができます。

この時預ける「KSM量」と「Conviction=確信度(ロックする期間)」を選択する事でこの2つの数値の掛け合わせにより「投票力」が決まります。

ユーザーは、追加のロックアップ期間なしで非常に少量のKSMで投票することもできますし、ある投票について非常に重要だと感じる場合には所有するすべてのKSMと高い確信度(長いロックアップ期間)を設定することもできます(この投票力はレア入手において非常に重要な意味を持ちますので、下記をよくお読みください)。

*なお、Convictionが最小の「0.1x voting balance, no lockup period」であっても、投票期間が終了するまではKSMのロックは発生します。ロックされると解除までは資金移動できませんので、予めご注意ください。

・投票内容についてちゃんと知りたい!

と思った方、多いのではないでしょうか。
報酬目的とはいえ、自分もガバナンスに関わる以上何に投票しているのか知りたい、と思う方が大半だと思います(それこそがこのプロジェクトの狙いです)。

提案内容については投票画面か、こちらをクリックする事で詳細を確認できます。

例えば#188ではParallel Heiko-Statemine間のHRMPの開通について、#189ではKusamaのランタイムアップデートの是非を問う投票になっています。

ネットワーク全体に関わる部分なので、Dotsamaにあまり触れた事がない人はまだよく分からないと思いますが、せっかくなのでなるべく情報収集した上で投票参加したいですね(私も技術的な内容はなるべく調べるようにしています)。

また、この提案内容の紹介ページでは該当の投票期限も明記されていますので、資金管理上の観点からも都度目を通しておかれるのがおすすめです。

・ロックされたKSMの解除方法について

上述の通り、投票参加した場合には期間の違いこそあれKSMのロックが発生します(最短で投票終了時)。

このロックを解除するためにはPolkadot.jsの「アカウント」画面にある「…」をクリックし、「期限切れのデモクラシーのロックを精算する」を実行する事で解除となります。

また、あまり知られていない事実として、「ロックされている期間も別の投票に参加できます」

例)提案189へ1KSM8日間ロックした翌日に190が提案され、同額・同期間ロックした

なので継続して同額のKSMを投票に使用すれば、都度解除する必要はありません

もらえるNFTの種類

投票でもらえるNFTは、レアNFTとノンレアNFTのどちらかになっています。

もちろん、皆さんレアが欲しいですよね?

ではどうすればレアがもらえるかというと、これは「Luck」というメカニズムによって算出されています。

ただ名前の通り全くのフェアな抽選かというとそうでもなく、このLuckの要素は投票内容によって影響を受けており、上述の投票力が高いほどレア NFT を受け取る可能性が高くなります。

一方で投票率が低いと、レア NFT を受け取るチャンスはわずかとなってしまいます。

投票力とレアNFTが当たる確率を比較した分布図

この表を見ても分かる通り、投票力が1(=例:1KSMで8日間ロック)の場合にはLuckはほぼ0ですが、そこから投票力が5近辺に上がるにつれLuckは急上昇しています。

それからなだらかに上昇していき、投票力10の場合には当たる確率が約35%、投票力が約20でLuck自体の上限である40%に到達します。

これにより
・1KSM以下の少額投票を多数分散させるのではなく、まとめて投票に使用する
・KSM大量保有者100%もらえるわけではない=少数の買占めをなくす

といった投票モデルを目指している事が分かります。
(もちろん資金があればあるほど結果的にレアNFTをもらう可能性が高い事は事実ですが)

また、上述した通り投票力は預けるKSM量×ロック期間で決定されており、ロック期間の変数は下記のとおりとなっています。

・投票期間終了まで:0.1倍
・8日間:1倍
・16日間:2倍
・32日間:3倍
・64日間:4倍
・128日間:5倍
・256日間:6倍

ここで、上図にある通り投票力に対してレアがもらえる確率が最も高い=パフォーマンスが最も良いのは投票力5KSM付近です。
(例)1KSM×5倍(128日間ロック) や 5KSM×1倍(8日間ロック)

お手持ちの資産やロック期間に関する考え方は人それぞれかと思いますので、少額でやってみたい!という方はご都合の良い選択肢でなるべく投票力を5KSMまで高める方法をお探しください。

なお、繰り返しですが一度投票してロックされているKSMはトレードや送金はできませんが、再度投票に使用することは可能です。

ちなみに私の場合は当面動かせなくても困らない額を長めのロック期間に設定して投票力5KSMで運用するようになってから、体感3回に1回はレアが当たるようになったので、大方この方法で間違いはないと感じています。(あくまで体感ですよ!)

NFTの装備方法

配布されるNFTはRMRK2が持つ「NFTレゴ」という機能を活用する事が可能です。
(RMRK2、NFTレゴについての詳細はRMRKアンバサダーの@castleさんのこちらの記事をご参照ください)

また、単にNFTレゴが使えるというだけではなく、この機能の持つ「装備」を行なったNFTに対してWL付与がされていますので、具体的な方法を見ていきましょう。

具体的には投票参加者が必ずもらえる「Shelf」NFTに対して、都度もらえる「Items」NFTを装備する必要があります。手順は下図を参照ください。

NFTもらった!で終わるのではなく、投票から装備するまでが一連の流れになりますので、お忘れなく。
なお、WL抽選対象の条件には所持/装備しているNFTのレア度や、時にはItems側でリアクションボタンを押す必要があったりと、都度条件が変更されていますので、公式twitterの情報は追うようにしましょう!

*一度装備したNFTを販売すると紐づいた他のNFTまで併せて出品することになります。販売時には上記図の流れの逆を行うことをお忘れなく!

コラボレーション

このプロジェクトの目標は、楽しくてインタラクティブな方法で投票を奨励することです。

投票率が上がればエコシステム全体が恩恵を受けますし、コミュニティの他のプロジェクトもこの目的をサポートするために素晴らしいことをしています。

本プロジェクトはすでにExosamaMushroomtopiaEvrlootと提携しており、さらに多くのコラボレーションが進行中です。アイテムNFTの保有者にさらなる報酬が与えられるよう、今後も努力を続けていきます!

セカンダリーマーケット

すべてのNFTは取引可能です。

投票者は、希望すれば、受け取ったアイテムを直接売りに出し、NFT報酬を現金に換えることができます。

これにより、NFTの報酬にまつわる経済が形成され、過去のアイテムを手に入れられなかった人々は、「購入」することで、保有者に与えられる将来の報酬を受け取ることができるのです。

インパクト

このプロジェクト(国民投票171)が始まって以来、投票は着実に増えていますが、まだまだこれからです。より分散化された民主的なブロックチェーンのために、一緒に投票を新たな高みへ押し上げましょう!

以上が本プロジェクトの概要になります。
どのような仕組みか、おおよそでも掴めましたでしょうか?

読んだけどよく分からん!という方は是非一度投票に参加して、RMRK2のNFTをもらってみて下さい。そのうち次の投票が待ち遠しくなるはずですよ。

また、公式資料が出れば翻訳をすると思いますので、その時までお楽しみに!✋

参考資料)

本プロジェクトについてのYoutubeチュートリアル動画:@The Kusamarian

・Polkadot/Kusamaのガバナンス機能についての詳細な公式ドキュメント

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